イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

LEYLA GENCER(レイラ ゲンジェル)

2008-05-15 00:05:22 | Weblog

画面をクリックするとスカラ座のHPに飛びます。表紙の追悼記事は既に変わっています。

このリンクは「ミラノスカラ座」のHPです。「LEYLA GENCERよ永遠に」と「20世紀最高のDIVA(ディーバ=歌姫)」、「トルコの歌姫」と呼ばれたLEYLA GENCERを追悼しています。


写真はNTVMSNBC(http://www.ntvmsnbc.com/news/445855.asp)より拝借。

私はミラノスカラ座もオペラにもあまり興味や知識がなかったので、もちろんこの偉大なDIVAの名前も訃報で初めて知ることになりました。トルコに来て以来、訃報に接するたびにその存在すら知ることなく終わってしまった人々の一生を知るにつけ魅力的な立派なトルコ人がかくもいたことに初めて気がつくことを悲しく思うのです。

1954年ナポリ、「マダムヴバタフライ」でしょうか。

1957年サンフランシスコ、「椿姫」

1928年10月10日イスタンブル生れのLEYLA GENCERはイスタンブルの音楽学校を卒業した後、1950年アンカラでオペラデビュー、イタリアデビューを1953年ナポリではたし、1957年にスカラ座デビューをします。以降1980年に引退するまでスカラ座の常連として活躍し、引退後もスカラ座で後進の指導にあたっていました。

1959年フィレンツェ、「レニャーノの戦い」

1975年フィレンツェ、「マクベス」

※白黒写真は全て「IKSV(イスタンブル文化芸術財団)」の    
HP(http://www.leylagencer.org/index.asp?k1=anasayfaより拝借。
  

1950年代から1980年までプリマドンナとして活躍し、イタリアでは非常に人気が高かったそうですが、日本ではうわさのみであまり知られていなかったようです。おそらく大手レコード会社による録音がなかったためで、最近はお金持ちが持っていたライブの録音が発掘され市場に出回るようになって、ようやく日本でも「本当にすごいソプラノだったんだ」と証明されたようです。



5月9日、イタリアはミラノの自宅で心不全により逝去、享年79歳。ミラノの教会で壮大な葬儀が行われ、遺言により火葬された遺灰は故郷イスタンブルのボスフォラス海峡にまかれるそうです。



上の写真をクリックするとトルコのNTV局のニュースビデオよりLEYLA GENCERの往年のステージをご覧になることが出来ます。



2004年には記念硬貨が発行されています。
              






☆現在のイズミル☆







17 コメント

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安らかに・・・ (そふぃー)
2008-05-15 08:30:34
全然知らない方ですが、すばらしいDIVAだったのですね。
ご冥福をお祈りします。

マスコミなどに取り上げられるのは、ほんの一握りの人たちなのですね。

のちほどゆっくり映像など拝見します。
プリマドンナ (cake)
2008-05-15 09:26:28
一瞬マリア・カラスかと思いました。
彼女もソプラノなんですね。
私はマダムバタフライの時の衣装が、左前だったのに「・・・・」してます。
そう言えば、いつだったかトルコのTVの番組で、日本の舞妓か芸子さんの格好をした、トルコの女性が2名出て来たのをみましたが、やっぱり左前でした。

おっと、こんな事は彼女の歌には関係ありませんね。
私も映像はゆっくり見せて頂きながら、ご冥福をお祈りします。
左前 (不思議な世界旅行)
2008-05-15 20:00:31
何か違和感があるかと思ったら、「左前」でしたか。
まあ細かいところは仕方ないでしょうね。
オペラ歌手 (不思議な世界旅行)
2008-05-15 20:04:45
左前以外の感想を書くのを忘れていました。
日本にいると詳しい事情はあまり聞こえてきませんが、ヨーロッパの各界で活躍されたトルコ人は他にもいらっしゃるのでしょうね。
トルコはヨーロッパから近いですし。

そふぃーさん (yukacan)
2008-05-16 05:23:20
トルコ人でこの年齢でオペラで名声を得るってすごいなあと思います。でもね、悲しいことにトルコの国立オペラで同時に行われたお葬式のようなセレモニーには40人しか会衆がいなかったのだそうです。世界で知られてもトルコではその価値が理解されていなかったのでしょうかね。
cakeさん (yukacan)
2008-05-16 05:24:58
左前と言う言葉は知っていても、結局どちらが上になるのが左前かよくわかっていませんでしたが、cakeさんのご指摘のおかげでよくわかりました。洋服のボタンと逆に着ればいいのですね。
彼女のソプラノ、優しくてとても心地がいいです。
不思議な世界旅行さん (yukacan)
2008-05-16 05:34:31
左前に違和感感じましたか…。これってものすごく常識なのですか?それとも不思議な世界旅行さん、お着物を着るのかな。言葉は知っていてもどちらが左前なのかよくわかっていませんでした。ヨーロッパでアメリカで、今でも意外なところで活躍している優秀なトルコ人は結構いるんですよ。
Unknown (idil)
2008-05-16 15:51:50
彼女のことは知ってはいましたが、舞台とか、TVなんかでも観ることないな・・と思っていましたら、昨夜NTVのある番組で(4人の女性が毎回2人の男性をゲストに対談を繰り広げるもので、私は結構見るのですが)彼女の正式録音の記録はないそうだとか・・ちょっとだけその番組で歌声を聴くことは出来ましたがそれも海賊版ですあしからず・・という前置きつきでしたっけ。かつてイタリアから、名前を変えるよう言われたりしたことがあっても、彼女はトルコ人としての誇りを持って-母方はポ-ランド系で後に改宗したそうですが-拒否したということ。ところがこちらで彼女の遺灰を海峡にまいたりして、水を汚してくれるな・・なんてコメントがあったとかで思わずこちこちのAKP派かな・・なんて。彼女の偉業を認められない人もいるとはかわいそうなこと・・だと思いました。
左前 (とも)
2008-05-16 16:59:58
私もcakeさんと同じく、左前とお隣のおじ様のお腹に目が釘付け^^;;

和服を着た時、着た人を見て向かって右身頃が上になっている、つまり、自分にとっては左身頃が上になるようにするのが着物の着方です。簡単に言えば、着物を着た時、右手でひらひらとする裾を押さえると覚えるといいかもしれません。

「左前」というのは死んだ人の着物の着方で、日本では生きている人にはしてはいけないことですね。

私も、この人の事は知りませんでしたが、どれ、聴いてみますね。
idilさん (yukacan)
2008-05-16 18:12:10
私は初めて聞きました。だいたいオペラの知識は皆無なのでLeyla Gencerだけではなく名前もあまり知りませんが。彼女のお母さんは敬虔なクリスチャンだったそうですが、それでも彼女には自分の宗教は自分で選ぶように言ったのだそうですね。私も遺灰をまくことについて、また火葬することについてトルコ人が何か言うだろうなあと思っていました。アンカラのDEVLET OPERAでのtorenには40名しか参列しなかったそうです。こんなもんですかね。優秀な人材の海外流出もやむないですね。

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