犬の散歩

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犬中心の生活

2022-11-16 17:01:48 | 日記

2022年(令和4年)11月16日(水)

 

 ラブちゃんの様子に大きな変化はない。寝たままである。眠っているのではない。ちゃんと周囲を聞いている。だが、もうちょっと立てない感じだ。時々、ウウウとうなる。ワンワンはなくなって久しい。息をするようにウウウなのだ。

 

 確かに人声がした。この前は幻聴だったようだが。目覚める。今、何時。何時に寝たのか。今は午後4時近くだった。小倉から親戚が来ていた。頻りに犬に話し掛けていた。散歩で海に行って帰りは日陰を求めて歩いたね。大親分がデイサービスでもらったお菓子をポケットに隠して密かに食べさせたりして、美味しかったかね。何でそんなことを知っているかって、うまくやったつもりかもしれないが、あっはっは、そんなこと先刻ご承知の介。確かに犬中心の生活になっていた。何を置いてもラブさん、ラブちゃん、ラブやんであった。ラブにしても常にこちらを当てにしていた。

 

 私は今日何をしていたのか思い出せずにいたが、次第に状況を理解して犬の口下に敷いたキッチンペーパーの色々がなくなっていることに気がついた。犬は口中から唾液が出るのでペーパーを敷くのだが、犬は反時計回りに或いは時計回りに唸りながら体を移動させるのだ。苦しいのか痛いのか。何かから逃れようとするのか。兎に角、移動した口の下に敷くのだ。それがなくなっている。小倉から来た親戚が片付けたのだ。

 

 私は犬の立てた耳に向けてラブさんや聞こえるかねと囁いた。何度も何度も。脚を漕ぐように動かす。何か引っかかりを求めているように思われ足を貸した。力の入れどころを得たように犬は悲鳴のような声から落ち着いた声に変わった。お手をしているつもりかもしれない。腹がすっかり落ちている。

 よう頑張っとるなと思いつつ、もうそろそろ良いのではないかと深く思った。何もしてやれなかった。私には犬の生死を司る資格はない。なのに司っているような気持ちに何故なるのだろう。許して欲しいと思った。何も悪いことをしていないのになんで死なねばならないのか。犬の側から離れられなかったが、今、これを打つために離れた。その時、2,3m先にいる犬から静かな寝息が聞こえてきた。犬の呼吸の音が変わる度に席を立って反らした頭をさすり首筋を揉んだ。落ち着くとPCの所に戻る。なかなか進まない。犬の方から何も音、声がしなくなった。行ったらいけないとは思いつつそっと犬の側に行く。大丈夫かね、ラブちゃん、聞こえるかね。犬は足を少し動かした。目は開いているが、全く見えていないようだ。ウウウと声を出した。犬をさする。悪い、悪い。

 明日朝早く支所にマイナンバーカードを取りに行かねばならないが行けるだろうか。日付が変わった。もう今日だ。鼻水がかんでもかんでも出る。喘息のような咳が出る。涙が出る。私事だ。

 

 大親分がこの姿を見たらどんなに悲しむだろうかと思うと私は号泣してしまった。嫌だ、嫌だ。


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