6時半に犬の散歩に出掛ける。長袖のシャツでは立ち止まった時には少し寒い。起毛のある少しふわふわした生地である。所が歩き出すと丁度良くなり次第に暖かくなる。起毛のないさらさらシャツが良くなる。
地面はしっとりと湿って色が少し濃くなっている。アスファルトはそうではないように見える。保水性の違いか。地物には同じように露は降りるのだろうか。駐車している車にも露が全体的に降りている。家に少しでも近いと露が見られない。熱を失いやすい物の方に露が多く付く。地面とアスファルトを比べるとアスファルトの方が熱を失いやすいように思えるのだが、やはり保水性の差のせいか。
遠くの草には白っぽい露が降りていた。霜のようにも見える程白い。
丘陵の頂越えのコースを歩く。頂を越えた所で野球場から張り上げた声が聞こえる。野球の試合があるのだろう。声の質からすると中学生か。
川に至る。木の葉を全部落とした大きな木の上に大きな鳥が止まっていた。コウノトリかと思ったが、アオサギのようだ。首を縮めているのでサギらしくない。
駅裏から市の施設の敷地に入る。ドングリがまたたくさん落ちている。木にもまだたくさん付いているのでこれからもどんどん落ちてくるだろう。子供の頃、学校にドングリを持ってくる子供がいた。その子にとっては何でもない物かもしれないが、こちらは珍しいうえに面白い形に引きつけられたものである。そのドングリを踏むとバリッと音がする。出来るだけ踏まないように歩いているつもりだが、ここを歩く度に10個は踏み潰しているだろう。子供だったらわざと踏んで歩くかもしれない。よけようとしたり、わざと踏んだりすることは同じことなのかもしれない。自然に歩くことである。状況に関わらす。犬の糞は別にして。糞については子供の時、馬の糞を踏むと足が速くなり牛の糞だと遅くなると子供同士でささやかれていた。だから、馬の糞を見つけると軽く靴で押さえたものである。馬と牛とでは糞ははっきり違う。馬のは藁が完全に消化されていないが、牛のは完全に消化されてしかも渦が出来ている。流石に胃が4つあるだけある。
ドングリは踏んでも踏まなくても同じことなのである。踏まれたら壊れるが、踏まれなくともいずれ腐って壊れるのだ。
市の施設の前の駐車場で犬のトレーニングをしていた。まだ始まっていないのか、10匹位が歩いているだけである。これから増えるのだろう。みな行儀が良いように見える。
坂道を下る。高い空にヒヨドリが多数。これは概数でも数えることを諦めた。無慮数百である。各個が上になり下になり前になり後ろになり右になり左になり、或は数十が分かれ、また一つになりで面白いものだ。兎に角、集団の表面積を小さくするように動いている。アメーバみたいだと思った。アメーバはもっとゆっくりしているが。
電線にジョウビタキが止まって鳴いていた。赤茶色の腹ですぐに分かる。また、紋も見えた。モズもよく鳴いていた。
8時15分前に帰着。
昨夕の散歩について
4時半に犬の散歩に出掛ける。
その前に出迎えのためポーチに繋いでおいた。蚊が来る。小さな細い感じの蚊である。よく見ていて犬に近付くと手で取ろうとするのだが相手は抜け目なくするりと空気の流れを利用してかわしてしまう。スプレイ式の殺虫剤を使わざるを得ない。
庭の掃除、除草などをする。北も南もあるので結構大変である。柿の木の落葉が地面を覆う。北のヒイラギの落葉がすごい。かき集めて赤い袋に入れる。園芸用の皮手袋をしているのだが棘が突き刺さって何度飛び上がったことか。
犬が猛然と吠えだすと作業は中止せざるを得ない。家の前を犬が散歩しているのだ。よく分かるという風に笑って通り過ぎる人もあれば、何様と思っているのかと少し憤然として通る人もある。無関心を装っている人もいる。いずれにせよ恐縮せざるを得ない。
公園では少年野球が練習をしていた。海岸に行く。橋脚工事の警備の人が朝、違う人が連れていましたかと尋ねる。いえ、それは足の長いラブラドールじゃありませんか。いえ、これくらいの。いいえ、朝は山の方へ行きますから。
海岸への階段に近付いたが、全然そちらを無視して強引にまっすぐ行こうとする。海が好きでないならそれも良かろう。海岸は不毛だと悟ったのかもしれない。だだった広いばかりで何も得るものがないと判断したのかもしれない。
この階段の出入り口に人が立っていることがある。出入り口はもう一か所あるが、そこは厳密には私有地のようなので通らないようにしている。海岸への近道になるので通る人は多い。出入り口に人が立っていたり座っていたりすると邪魔だなあと思う。おそらくそれが出入り口に人がいる理由だと思う。また、海岸を一望できる。全体の様子を把握することが出来る。優位の場所なのだ。また、立ち去ることも容易である。2つの空間の間の狭くなった関所なのだ。そこは先に留まった者の占有になり得る。交通の要衝のミニモデルなのだ。
整然とした畑のそばを通る。ハクサイが大きく育っていた。そのほかホウレンソウも大きくなっていた。
公園に戻ってきた。その向かいの家に樹木にシジュウカラがいた。ちょっと枝を移ったが逃げるそぶりはない。人をあまり恐れないのかそばに餌でもあるのか。しかし、しっかりした鳥に見えるのはその白と黒の明確さから来るのだろう。
5時過ぎに帰着する。