2022年(令和4年)11月15日(火)
犬は限界を生きているようだ。それが段々、こちらにも伝わってくる。こちらも限界のような気がする。
依然として犬は何も取らない。横寝で鳴く。助けてくださいという声で鳴く。時に早く早くと鳴く。頭を後ろに反らせ鳴く。鳴くというより遠吠えだ。しかし、動作は続いても声は続かない。それでも時々、大きな太い声で叫ぶ。どんな鳴き方でも、その都度、犬の体をさする。首筋を両手でマッサージする。筋しかない。肉や脂肪は削がれている。良々。大丈夫よ、よう頑張った、安心し、賢いね、立派よ、ラブちゃん、ええ子、大丈夫、・・・
犬は未知の状況にうろたえているのだろう。目は見えない、体は動かせない、食べたくない、飲みたくない、一体、これは何だ。自分が自分でないような感じ。不安でたまらないだろう。
マッサージをすると吼えるのは収まる。首筋を押さえられているからだ。止めるとまたすぐに吼え始める。もう勘弁してよ、どうしたらええんかね。静かになれば、それはそれで心配が高まる。
夜、未明と続く。一体、私は眠ったのかどうか。
私の寝ている所と犬の寝ている所は3mと離れていない。そこからラブちゃんという声が何度も聞こえた。何だ、何だ。
時計を見ると夜明け前の5時である。誰かいるのか。誰か家の中に入っているのか。
寝惚け眼で犬の所に行くと犬しかいない。それはそうだろう。ラブちゃんとの声は一体、何だったのだろう。犬が鳴いた声を人の声と間違えたのだろう。もう段々、分からなくなっている。起きている間、手持ち無沙汰なので飲んでしまうのだ。飲み助は何でも飲む理由にする。暑けりゃ飲むし、寒けりゃ飲む。
掃除に来てくれた人が犬の様子を見て、瞬時に異状を察し看病してくれた。月に2,3回しか来ないのに人間関係が出来ているのだ。人間関係で良いと思う。例え人と犬とでも立派に人間関係なのだ。内容次第だ。
小倉から来た親戚が犬の状態をこのブログなどで知っているので自分のことや私のことはさておいて犬に向かった。高い声で明るく挨拶をする。どうかね、元気かね。
ラブちゃんにとって強い味方だ。みんなラブちゃんの味方なのだ。
小倉の親戚と犬を庭に連れ出したのだが、外で写真は撮れなかった。
犬は黒い便を出した。胃の出血によるか、或いは断食状態による宿便なのだろうか。初めて見る黒い便だった。
大相撲の九州場所を見ていると、犬はバタバタして寝たまま体を回転させたり、鳴いたりし始めた。こりゃ堪らん。嫌だよ、嫌だよ。
一方で私は保健所の動物愛護管理センターと連絡を取りある手続きについて説明を受けた。
一時は危篤かと思えたが、現在、幸い小康を得ている。それにしても依然として食べ物を受け付けない。水を飲ませようとしてもあたかも毒物であるかのように忌避する。