放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

カレーな日々(12月25日~12月28日)

2005年01月02日 | インド人化計画
カレーを食い続けて3か月強。
よくもまあ、ここまで続いたもんだ。
いよいよ100日を迎えます。
インド人には慣れたのか!? 体調に変化はあったのか!?
「スーパー・サイズ・ミー」を超える感動はあったのか!?

12月25日
おおさかグリル えびカレー 600円
会社の同期で、和歌山の牧場に嫁いでいった元同僚の子の家にお泊まり。
和歌山の牧場のなかに建つ「ハイジ」に出てきそう立派な家。
乳牛、肉牛、種牛とよりどりみどりの牛まるけ。こんなに近くでまざまざと牛を見たのは、インド以来だ。
夜は、ポルト・ヨーロッパにて、クリスマスの花火を見上げる。
その牧場に寄るまでに、カレーを食べる。
スパイス上等。味は並盛り。
えびはエビフライがのっているだけだった。


12月26日
どん兵衛 和風だしカレー味
大阪では信じられないくらいに冷え込んだ牧場の朝。すがすがしい目覚めだった。
しぼりたての自家製牛乳(格別!)を飲みながら、今日どこ行こうか、と言われ、牧場で観光馬に乗せてもらって、自家製アイスクリームを食べ(これがまた美味しい!!)、和歌山市にラーメンを食べに行くことにした。
和歌山ラーメンには、井出系と車庫前系という大きく分けて2つの味があるようで(醤油味ととんこつ味みたいな感じの2タイプ)。数軒食べ比べたが、僕は丸京というラーメン屋がいちばんおいしかった。
そのあと自宅まで帰るも、まったくカレーが入るほどお腹は減らず、結局夜食でどん兵衛を食べて終了。


12月27日
国道沿いの定食屋 カレーライス、そしてカレー伊勢うどん
え~、盟友しんたろーと行ってまいりました。1泊旅行に。
その名も「半死的低俗旅行」。
詳細はのちほどアップします。
また、しんたろーのBlogでも関連記事がお楽しみいただけます。
で、カレーですが、まず1食目は国道を伊勢に向けて爆走中に、しんたろーが「腹が減って腹が減って死にそうだ」とうるさいので、ネタになりそうなボロい定食屋に入ったときのカレーライス。これ、ものすごくよく煮込んでて、トラックの運ちゃんたち御用達の店らしくボリュームもあって、大満足。
そして2食目は、伊勢神宮(内宮)の参道にあった伊勢うどんの店で。今日はもうカレーを食べたし、普通に伊勢うどんを食いたかったのだが、メニューに見つけてしまった「カレー伊勢うどん」の文字。そりゃ頼みましたよ、ええ。
極太うどんの伊勢うどんにカレーはかなりいけるのだが、オリジナリティをだそうとしているのか、カレーの上には、伊勢うどんのだしとなる真っ黒な醤油もかかっており、丼の中はカレーと醤油で描かれた太極旗のような感じだった。
伊勢の神々にカレー99日達成の報告と、明日のカレー運向上祈願をして、いよいよ100日目、グランドフィナーレを迎えるのだった。


12月28日
十三 大八木カレー
いよいよきちゃいました、100日目。
朝、奈良県はずれの峠のラブホテルで、しんたろーと一緒の布団で寝ていることを除けば、最高の朝だったのに。
ええ、そんな関係ですから(うそ)。
カレーよりもスパイシーな夜をすごして、僕としんたろーは「半死的低俗旅行」を続けていた。
この日のほとんどは人家がない、山道を通っていたので、100日目を飾るナイスなカレー屋がまったくない状態だった。
最終的には、しんたろーの母親に突然電話して、他人のおかんのカレーを食べるということまで考えたが、あまりに迷惑だろうということで、店を探すことに。
それにしてもまったくいいところが見あたらず、いつの間にやら日はどっぷり暮れてしまい、我々は大阪の香ばしい地域としても有名な十三(じゅうそう)にやってきていた。
十三駅前の線路に沿うように伸びている、通称しょんべん横町で、1軒のカレー屋を発見。それが大八木カレーだった。
店の看板はかろうじてあるものの、「カレー、オムレツカレー」などのメニューはすべてカレンダーの裏を彷彿とさせる紙にマジックで手書き。のれんが出ていなければ、間違いなく廃墟を思わせる外観。香ばしい。香ばしすぎる。100日のグランドフィナーレを迎えるには最高の場所だ。
しんたろーと僕は店内に入ると、そこには酔っぱらったオッサンが一人いた。
「店の人おらへんから、もちょっと待っとってな」
誰やねん君は、という喜味こいしばりのツッコミをかろうじて押さえながら待つことしばし、ミス・ハワイを彷彿とさせる香ばしいおばちゃんがひょっこり現れた。
おばちゃんは我々の注文を聞くが、今まで店を切り盛りできていたのが信じられないくらいに手際が悪い。もたもたと半畳ほどの狭いカウンター内をデカい体を窮屈そうに押し曲げながら右往左往している。
テレビではアニメ「ブラックジャック」が平和に放映中。香ばしい店内には、香ばしい客がカレーを待ちながら、一心不乱に画面を眺めている。手塚先生が見たら泣いてしまいそうな、場末の雰囲気だ。
「ブラックジャック」の放送が終わる頃、ようやくカレー到着。カレーがメインの店なのに、我々だった以外の客は酒ばかり飲んでカレーを注文していないことは若干の不安材料だったが、カレーを一口食べた瞬間、この思いはインドまで吹き飛んだ。
美味い。ほどよい辛みが舌を刺激する。
香ばしいんだ。店内も客もカレーもすべてが。
いままで食べてきたカレーのなかで決してベストな味ではなかったが、ミス・ハワイのつくってくれたスパイスの複合技が、心地よく僕のインド魂をくすぐってくれた。
帰還直前の地球を見て、ヤマトの艦長である沖田十三は「地球か…、何もかもが懐かしい…」とつぶやき絶命した。
地球を見ながらでも、世界の中心でもなかったけれど、僕は大阪の場末のカレー屋で、スプーンに乗せたカレーを一口ずつゆっくり味わいながら、「カレーか…、何もかもが懐かしい…」と叫びたい気分だった。
ありがとう、カレー。
インド人にはなれなかったけれど、僕の体の中には日本人の誰にも負けない100日分のカレースパイスが、カドミウムのように蓄積されていて、それは何にも代え難い、そして僕だけしかわからない最上級のアッパードラッグなんだ。
ビバ、カレー。
ありがとう、カレー。
ダンニャバード、カレーライフ。

そんな感慨に浸っている横で、しんたろーは「辛すぎる!」と滝のような汗を流しながら、酔っぱらいのオッサンにからまれており、ミス・ハワイは「あら、いけない。サラダ出すのを忘れてた」と言って小芋の煮っ転がしを出してくれたのだった。


(インド人化計画第一部 100日間耐久カレー1本勝負  完)


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カレー臭? (まきばの嫁)
2005-01-04 13:40:22
にいやくん、あけましておめでとうございます。年賀状、大阪の住所で出しちゃったよ(T_T)。



先日ははるばる和歌山まできていただいてありがとうございました。そんなに長い旅に出るとは思っていなかったので、出発前に会えて本当によかった。和歌山ラーメン、帰国後は「傾いた店」に食べにいきましょう。



カレー100日、お疲れ様でした。そんなに食べたらカレー臭がしそう、どこからともなく。最後の十三のお店がすごいよね、なんともスパイシー。十三にはインドに抜ける地下穴があるんかも。なんかありそうだよね、因みに天王寺にもありそうだ。



そして、相変わらずあなた、文章が読みやすくてうまいね。いろんなブログが乱立しているなか、私がにいや君を知っていることを抜きにしても、これだけ読ませるのはスゴイと思います。これからもっと過去にさかのぼって読んで行くつもり。更新楽しみにしてます。
おめでとう!(感涙) (koko)
2005-01-04 15:48:18
にいやさんおめでとう。

温かく見守っていた甲斐がありました!



うれしすぎて・・・



うんうん。この喜びパワーを被災地にどわーと届きますように。
ありがとう(涙) (にいや)
2005-01-06 13:39:18
まきばの嫁さん、kokoさん、ありがとうございます。



100日という偉業を達成しても、カレーを食べたい欲求はありますので(毎日ではないが2日に1度ほどは食べている)、ぜひカレーのおいしいところがあれば教えてください。



旅に出たら、インドでまったくカレーを食べない生活をしてみようと思っています(うそ)。





コメントを投稿