放浪日記

関西に戻ってきてもうすぐ4年。LCCを使っての近場の安旅と、酒場巡りがやめられない不惑への日々。

モグモグ隊台湾遠征 第9話

2017-04-22 | 台湾

モグモグ隊台湾遠征メンバー
(を):をきな氏
(や):やはぎ氏
(に):にいや



温泉後のビールをひとしきり楽しんだ我々。次のモグモグスポットへと移動することにした。
礁渓温泉からかつての軍港があった基隆へ。
基隆へは(や)がどうしても行ってみたいと、出発前から言っていた。
ほかの町に比べて海産物も多いだろうし、屋台街もあるということで、遠征地として採用されたのだった。

いったん台北まで戻り、その後基隆へ行くつもりが、酔いに任せてバスターミナルを覗いてみると、基隆への直行バスがあったので、即決。
昨日からの暴飲暴食&睡眠不足がたたっていた我々は、基隆までの約2時間をお休みタイムにしたのだった。
温泉→ビール→昼寝。まさに極楽旅。


そして、完全に爆睡していた我々。
なんとなく窓の外が賑やかになってきたなと思ったら、バスは港のそばに設けられたバスターミナルへと着く寸前だった。
そして、礁渓温泉にいたときからは信じられないほどのドシャ降り。
風も強く、台風が来たのではないかと思うほどの豪雨だった。

帰国後、このときの悪天候は台湾全土に及ぶもので、特に宜蘭や礁渓温泉のあたりを含む島の東側がひどかったようで、線路が流されて鉄道が一時的に不通になるなどの被害が出ていた。
移動手段をバスにしたことでことなきを得たが、このときの我々は、いったい誰が雨男なのだと三すくみで言い争っていたのだった。




港町を濡らす雨。看板が吹き飛ぶのではないかと思うほどの風。
(や)が楽しみにしていた港の観光は、あっけなく中止になった。
このときの惨状が画像では伝わりづらいのが残念で仕方ない。

建ち並ぶ商店の軒先で雨宿りをしながら、我々はあのビール以降、何も口にしていないことに気付く。
「腹へったわー」とのリーダーの一言で、目的地は急遽、屋台街になった。


基隆を代表する夜市、基隆廟口夜市。
基隆廟というお寺の門前で開かれている。
しかし、夜市といっても、なぜか昼間からすべての店が営業しており、観光客にとっては助かる夜市だ。
そして、こんな悪天候にも関わらず開催していた。この夜市はモグモグされたがっている!




まずはお寺に参拝。
今日これからの美食と満腹を祈る。


そして目の前に広がる屋台群。
雨が降っていて移動が面倒くさいこともあり、隣の店へ隣の店へ、次々とモグモグを始めたのだった。




まずは、大量に煮込まれている鍋の湯気にひかれてさっそく入店。
おばちゃんの明るい接客にほっとする。



煮込まれていたのはモツ。ほっかほかのモツスープと台湾の定番・魯肉飯(ルーローハン)を注文。
魯肉飯の甘いタレのおいしさよりも、プリップリのモツが冷えた体を温めてくれる。




揚げパンにマヨネーズたっぷりのサラダを挟んだ栄養サンドイッチ。
滋養がつくよりも、そのカロリーが気になる中年モグモグ隊……。




カレーライスと豚の角煮のぶっかけ飯をダブルでモグモグ!
おそらく日本統治時代に持ち込まれたであろうカレーライスは、台湾ではすでに国民食レベルで普及。食堂をはじめ、吉野家などもで食べられる。ただ、スパイスの香りは皆無。子どもでも食べやすい王子様的カレー。言い換えれば、昭和の香りのする懐かしき味。
角煮飯は少々脂っこいものの、お茶漬け感覚でぺろり。




こちらも定番、牡蠣のオムレツ。
片栗粉でとろみのついたオムレツはビールのあてに丁度よいが、屋台で飲酒している人は皆無。
そしてタッチアンドゴーな感じで、台湾の人々が食べ歩いているため、我々もビールを脳内に浮かべつつ、牡蠣をむさぼり食べた。


雨に濡れつつ、前髪を風に吹っ飛ばされつつ、とりあえず屋台街を一周。
我々のお腹の虫も、ようやく落ち着いた。


「なかなか美味いもの多いなー」と(や)
「美味い!でも寒い。おい(に)、そろそろ落ち着くところ行かんか?」と(を)。
よく見ると、唇がプール上がりの小学生くらい紫色になっている。
風邪をひくまえに、どこか屋内へ。
そして、本格的にモグモグを。

我々は屋台街を後に、嵐の中、街を進むのだった。


(つづく)

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モグモグ隊台湾遠征 第8話

2017-04-03 | 台湾

モグモグ隊台湾遠征メンバー
(を):をきな氏
(や):やはぎ氏
(に):にいや


(や)の鍵紛失未遂事件によって、大幅に朝食時間が遅れてしまった。
こんなときは、いつにもまして美味しい飯をかっ食らい、1日のスタートとしたい。

昨日、宜蘭の市場を探索していた際に、気になる店を見つけていた。





一香飲食店
http://www.1812.com.tw/ixiang/

昨日の昼、薄暗い市場の狭い通路には、地元の人が行列をつくっていた。
ただ、あまりの人の多さで並ぶのを諦めたが、きっと美味しいに違いない。
朝から営業していることは昨日店の前に書かれていたので、本日の第一食はここに決まり。

宿から徒歩10分。市場に到着。
まだ午前中とあって市場は本格稼動していたが、我々の目的は市場にはない。
行列の店の前に着くと、まさかの満席。行列はないものの、席には着けず、行列の先頭となって大人しく前へならえで列を作る。
昨日は確認できなかったが、どうやら店のメニューは餛飩(ワンタン)と麻醤麺(特製芝麻醤を使ったまぜそば)しかないようだ。店の中の人すべてがそのどちらかを食べている。
昨夜のローカルファストフード店とはえらい違いで、待つこと数分で着席。回転率もよい。これこそが台湾のファストフードではないか。

当然、看板メニューの両方を注文。

まずはワンタン麺。



ワンタンがとってもジューシー。
塩ベースでしっかりと出汁がきいた薄味のスープは胃にもやさしく、朝食にピッタリ。
「ナイスチョイス!」
「んめーーーー!」
オッサン三人が丼を奪い合いながら麺をすすり、ワンタンを喉に流し込む。
一杯のかけそばであればお涙も頂戴できるかもしれないが、一杯のワンタン麺となれば畜生の所業。周りの迷惑を顧みず、いまはただ眼前の丼と対峙するのみ。

そして、続いて麻醤麺も到着。




混ぜる前

混ぜた後





「ガッ!」
一口食べた(を)が謎の悶絶。そして以降何も発することなく、ひたすらに麺を貪り食った。
(や)も(に)も、(を)のまさかのジャイアン的一人占めに驚愕。
かわいい後輩二人を前にして、占有するとは、よっぽど美味しいのだろう。
しかし、食べられないほどに食べたくなるのは人の性。(を)が満足して食べ終わる頃には、もう麺が残っていない可能性大と素早く判断し、もう一杯の追加注文。
地元客の見よう見まねで、しっかりと芝麻醤を麺に絡め食べてみると、口の中に芝麻醤のコクと旨味が広がった。
これは美味い。確かに一人占めしたくなる気持ちも分かる。
(や)と(に)が碗を交換させながら麺をすすっている目の前で、すっかり食べ終えた(を)が爪楊枝をくわえながら二人を見て、「まさにモグモグやな」と一言。
あんたのせいでこうなってるんやで。


その後ホテルに戻り、チェックアウト。
宜蘭駅へと向かった。




駅の裏側は、台湾のどこにでもある駅舎の風景。

今日は、まず礁渓温泉に行き、ひとっ風呂浴びたあと、港町・基隆に向かう予定。
宜蘭から礁渓温泉までは鉄道で30分程度。バスも頻繁に出ているようだったが、温泉街は鉄道駅の正面にあるということだったので、鉄道をチョイス。





台湾では駅のホームのことを「月台」と書く。
どことなく風情を感じますな。

三者三様の愉しみ方をしながら月台で汽車を待つ我々。
電車好きの息子を持つ(を)は、愛息のためと、やたら電車の写真を撮りまくっていた。
軍事マニアの(や)は、人気の少ない駅や線路をしみじみと眺め、日本統治時代が云々とひとりごとをつぶやいていた。
これまでに何度も台湾鉄道に乗ったことのある(に)は、木のベンチに座り、二人の様子を介護士のようなまなざしで眺めていた。

そして汽車が定刻にやって来て、何の苦労もなく礁渓温泉に着いた。




礁渓駅のホーム。
雨が降ったりやんだり。




駅前の通りは、温泉街の情緒を醸す。
夏場であれば駅前に足湯があるとのことだったが、残念ながらこの時期は空っぽ。
すでに我々の頭の中は、温泉一色。




駅前からしばらく歩くと見えてくる温泉街の看板。
ホテルも多く、公園化している敷地の中には公衆浴場もある。
事前にネットで調べていた、こぎれいな温泉に行こうと探し歩いていたら、公園の一角にやたらオヤジたちが出入りしているところを発見。
何だろうと覗き込むと、コンクリートの壁の向こうには素っ裸のオヤジたちがわんさか。
みな至福の表情で湯船につかっている。
料金所なども見当たらず、どうやら無料の温泉のようだ。
有料と無料なら、そりゃ無料のほうがいいでしょ。ということで、我々も突撃。
まわりをうかがっていると、親切なオヤジ(全裸)が服を脱いで湯船につかるがよかろうと教えてくれた。
ありがたや、ありがたや。
素早くすっぽんぽんと我々は、パンツを放り出すや否や、プール状の湯船にドッボーン!

「あっつーーーーーーーーーー!!」
「熱!」
「聞いてないよーーーー!」

まさかの熱湯風呂三連コンボで、ゆでだこのオッサン三丁あがり。
それを見て、にやつく地元のオッサン(全裸)。
どうやら源泉をそのまま湯船に流しているようで、とんでもなく熱い。
45℃はあるんじゃなかろうか。
こんな熱さに耐えられるなんて、台湾人恐るべしと、風呂べりで真っ赤になった足をさすりつつオッサンどもを観察すると、ちょっと入っては出てを繰り返していた。
そういう入り方をするのかと納得し、我々も右へ倣えで、台湾オッサン式全裸入浴法を実践。
次第に身体も慣れてきて、少しずつ長湯ができるようになってきた。

「ええ湯やなー」と日本全国の温泉をバイクで巡った(や)は、早くも極楽モード。
「あ、ビバノンノ」と(に)もそれに応える。
そして我らがリーダー(を)は、


すでにパンツを履いて、帰り支度を始めていた。



「熱いやんか、ほんまに。無理無理」
温泉でテンション上がっていた先ほどが噓のように、光速で服を着て、そそくさと温泉から出て行ってしまった。
「俺、タバコ吸ってるから、ゆっくりでええで」


その後、言葉は通じないまでも、地元のオッサンと裸のお付き合い。
ついているモノは国境を越えても皆同じ。
すっかり地元民化した二人は、礁渓温泉を堪能したのだった。


そして、風呂上がりといえば、



おビール!




近所のスーパーに駆け込み、チンカチンカのルービーを瓶で3本。
生と書かれている台湾ビールは、製造18日以内のもので、正直これが一番おいしい。
そして風呂上がりという最高のシチュエーション。
これ以上の台湾ビールがあろうか、いやあるわけがない(反語)。
さらに(や)が、昨日酒蔵で購入してきたネギ煎餅を、惜しげもなく投入。ご当地スナックを肴にもう一本、もう一本と、スーパーの軒先に設けられたイートインスペースで、酒盛りを始める我々。

昼間から酒盛りを始め、日本語でご陽気に語り合うモグモグ隊の姿を、スーパーを訪れた地元の買い物客は冷たい眼差しで見つめるのだった。


(続く)

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モグモグ隊台湾遠征 第7話

2017-03-30 | 台湾


モグモグ隊台湾遠征メンバー
(を):をきな氏
(や):やはぎ氏
(に):にいや


モグモグ隊の初海外遠征、台湾モグモグ旅の2日目。
固いベッドの上で目覚めると、外はあいにくの雨。
外出したくなくなるような本気降りで、せっかくの旅なのにと気分が少し落ち込むが、昨夜の膨満感が噓のように胃袋はすっかり調子を取り戻しており、空腹であることに気付く。
こんな時もあろうかと、(に)は昨夜のレストランからの帰路、スーパーマーケットに寄って台湾バナナを購入していた。



茶色く小ぶりなバナナ。まさに朝飯前に丁度いい。
集合時間も近かったため、バナナを片手に1階のロビーへと向かう。
ほどなくして、寝癖をつけたままの(を)もやって来た。
「バナナ食べます?」
「おー、いいねー。お腹減ってた」と、昨夜のチキン発言が幻だったかのように爽やかに手を出す(を)。
いざ南国フルーツ!いただきまっ……

皮が剥けない。
真性である。
固いのだ。
しかし、そこにめげる我々ではない。何とかその皮を下に下に剥き、実を露出させて、いざ口の中に挿入。

「なんじゃぁこりゃぁぁ!」
実に歯をたてた瞬間、恐ろしいほどの渋味が口の中に広がった。
食べれたものじゃない。
外に走り出て、雨水であふれんばかりになっている側溝に速攻吐いた。
渋すぎる。西部警察の大門団長くらい渋い。
なぜこのバナナがこんなに渋いのか、食用ではないのか、でもスーパーのフルーツコーナーに売ってたぞ。
隣でペッペッとつばを吐く(を)が、こんなものを喰わせやがってというような悲しい目で(に)を見つける。食べ物のうらみはおそろしいというが、そのうち何か仕返しでもされるのだろうか。


と、朝一でバナナの洗礼を受けて、すっかり意気消沈している二人だったが、(や)の姿が見えないことに気付いた。
何があっても毎朝4時には起きる、モグモグ隊の早朝特攻隊長の(や)がいない。
あまりに早く目覚め、どこかに散歩に出かけてまだ戻ってきていないのだろうと思い、しばらくの間ロビーで待っていると、落武者のようなふらふらの足取りで(や)が階段から姿を現した。

「おはよう」「おはようさん」と声を掛けるのとほぼ同時に、

「ないねん」と一言。

え?
「探したんやけど、ないねん」
何を言っているのだ(や)。寝ぼけているのか?

「鍵なくした」

バナナの衝撃を吹き飛ばすようなフレーズだった。
どういうことだ? お前は昨夜自分の部屋で寝ていないのか?
「今朝起きて、散歩に行こうと思って、部屋を出ようとしたら、鍵がないねん。部屋から一歩も出てないから、部屋のどっかにあるはずだと思って探したんだが、見つからへん。でも昨日の夜は鍵を開けて部屋に入ってるから、部屋の中にはあるはずだと思うけど、あれへんのや」
(や)にしては珍しいほど長文で喋る。

「探したのか?」
「全部探した。でもないねん」
「どっかにはあるやろー」
鍵がなければ、厚化粧の女将に怒られ、弁償しなければいけない。
しかもこんな安宿では、日本語はもちろん英語だってろくに通じやしない。面倒くさいことになったぜ。
しかし、(や)は鍵で扉を開けて、その後ずっと部屋の中にいたのだから、常識的に鍵がなくなるなんてことはない。どうせ部屋の隅の方に落としているか、カバンの中にでもまぎれこんでしまっているのだろう。
とりあえず、(や)の部屋に行って探そうということになった。


(や)の部屋に入ると、よほど焦って探したのか、殺人事件が起こったのかと見間違うほどに部屋の中は荒れていた。
まずはベッドの上から。その後浴室。ベッドの下。テーブルの引き出し。ゴミ箱の中。(や)のカバンの中。ベッドのマットをはいでその隙間。テレビ台の裏。窓のサン。などなど。
男三人で、見落としがないよう順番に片っ端から探していったが、(や)の言うように、本当に鍵は出てこなかった。

「ないなー」
「どっかにはありそうだけど」
「な、言った通りやろ」
なぜ、そんなに勝ち誇るのだ(や)よ。


小一時間もの間、必死になって探したが、鍵は出てこなかった。
もうこうなったら仕方がない。謝ろう。弁償しよう。
部屋に鍵がかからないため、(や)の荷物を(に)の部屋に移動させ、オッサン三人は怒られるために階下に向かった。
バナナショックのときには誰もいなかったロビー横の受付台では、厚化粧の女将の父親らしき、くたびれたランニングシャツ姿のジジイがテレビを見ていた。
さぁ、なんて切り出そう。
っていうか、中国語で鍵なくしたってなんて言えばいいんだ。
仕方なく、まず自分の鍵をジジイに出してみると、

「ああ!」
という顔をするジジイ。
ん?
テーブルの中をゴソゴソをさぐり、「ほらよっ」とばかり鍵を投げてよこす。
(や)の部屋の鍵だった。

なんでジジイが持ってんねん!
というツッコミをする気も起きず、突拍子もない状況に唖然とする我々。

「モーニング、ルーム、ドア、キー。チェックアウト? ミスタースリープ」
とジジイが片言の英単語と身振り手振りで伝えてきたのは、どうやら、今朝早くジジイが廊下を歩いていたら、部屋の扉に鍵が刺さったままだった。チェックアウトしたのかなと扉を開けてみたら(や)が寝ていた。だから鍵は俺が預かっていた。
ということだった。
つーか、鍵を抜き取り忘れるなよ。
ジジイ、謝謝。
ま、でも、トラブルにならなくて本当によかった。

「そーかー、鍵せずに寝てもうてたかー。なんか安心したら小腹がすいてきたぞ。なあ」
と呑気にのたまう(や)。
ダメだコリャ的に若干下唇を突き出している(を)。

いつの間にか外の雨は小降りになっていた。



(続く)


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モグモグ隊台湾遠征 第6話

2017-03-28 | 台湾
【モグモグ隊台湾遠征メンバー】
(を):をきな氏
(や):やはぎ氏
(に):にいや



思う存分ガチョウを堪能した我々は、くわえ楊枝で店を出た。
「いやー、食べましたなー」とほくほくの笑顔で、(に)は隣を見ると、明らかに仏頂面の(や)。
さっきまであんなに笑顔でモグモグしてたのに、なぜこんなに不機嫌そうなのか……。
(を)も、幼児のように膨れ上がった下腹をなでながら、どこか放心している……。


はっ!
もしや、彼らは「眠たい」のでは!?


「おねむ?」
「うん、おねむー」
「おちっこは?」
「ホテルでいくー」
「かえる?」
「かえるー」


幼児逆行する平均年齢40歳のオッサンたち。
食欲を満たしたあとは、いきなり睡魔に襲われるという、まさに王道の極楽旅。
ただ残念なのは、これがかつてのモグモグ隊であれば、誰も何も言わずとも次の店でモグモグをしていたはず。ところがリーダー(を)の下腹を見れば一目瞭然。消化スピードにかつてのような輝きはなし。そう、まさに加齢! 押し寄せる年波には抗うすべもなく、我々モグモグオッサン隊は、膨満感と睡眠欲の狭間を浮き沈みする漂流者(ドリフターズ)へと成り下がっていたのだった。
ちなみに、我々三人を本家ドリフに当てはめた場合、(を)はいかりやで、(や)は高木、(に)は仲本という、雷様トリオであることに異論はあるまい。


這うようにしてホテルに到着。
その後、夕方までの数時間を、各自自由時間ということで、部屋に戻るなりバタンQ。ガチョウとビールの余韻にひたりつつ、宜蘭で惰眠をむさぼるのだった。
そして、やはり深夜発早朝着のLCC旅は、40オヤジの旅には少々キツいものがあったということを身をもっと知る我々であった。


ふと目覚めると、すでに日はとっぷりと暮れ、街灯から洩れる光が殺風景な部屋の中を寂しく照らしていた。エアコンの音がうるさいと思っていたが、案外気にせずに寝られたものだ。
寝起きのシャワーを浴びていたら、約束の時間になった。18時だョ!全員集合。

完全に今起きましたという体のオッサン三人。
「さて、モグモグ行きますか?」と(に)。
「ん?」
「っーか、にいや…」と(や)。
「お腹減ってないんじゃよ、まだ」
ドーン!
ついに出てしまいました。


「お腹減ってないんじゃよ」


もう、モグモグ隊失格です。「いつ何時どんな飯でも食べる」が信条の我々モグモグ隊の鉄の掟をあっさりと破りおった。この男、どうしてくれよう! と(を)を振り返ると、
「そうやなー。まだあかんなー」と、リーダー自ら、まさかのチキン発言。
モグモグ鉄の掟には「リーダーの命令は絶対のときもあったりする」という項目もあり、今回はどうやら不問となったようだ。
さすがリーダー、懐が深い。と感心しながらなぜかゲップが止まらない(に)であった。


腹を空かせるためにも散歩をしようということになり、ここで初めて観光らしい観光へ。





宜蘭駅から徒歩5分の距離、道路の高架下に連なる屋台群。宜蘭東門観光夜市だ。
唐揚げや団子、ドリンク、中には日本のたこ焼きを模したものまで小吃(シャオチー)と呼ばれるお手頃フード屋台がずらり。
当初、これらの屋台を端からすべて制覇していく予定であったが、戦力外通告を受けてもおかしくない三人には、見ているだけで充分という惨憺たる現実になっていた。





縁日的な遊びもあって、家族で楽しんでいるのが微笑ましい。
台湾はそこそこの大きさの町に行けば、どこでもこうした夜市が開かれていて、毎日お祭り気分にひたることができる。
ここは観光夜市という名前はついているものの、台北や高雄といった大都市とは異なり、外国人観光客の姿はまるでなし。地元の人のために開かれているローカル色満載の、のどかな夜市だった。


そんな中、暗闇の中で人が多い店を発見。




香鶏城。
ローカルフライドチキンの店のようだ。

帰国後調べてみると、この香鶏城という店は、かつては台湾中に支店を展開したご当地フライドチキンチェーンだったよう。しかし、KFCなど相次ぐ黒船の到来で徐々に衰退。
なんとこの宜蘭店が、最後の一店とのこと。
昔を懐かしんで宜蘭の人々は、このローカルファストフードを味わっているに違いない。

しかし、この時の我々はそんなことは知る由もない。
「そこそこ混んでるってことはうまいんやな」
「チキンくらいやったらいけるで、俺」
と先ほどのチキン発言を鳥のごとく三歩で忘れ、飄々と発言する(や)と(を)。
店内から漂ってくる香ばしいチキンの匂いに、こころなしか食欲が刺激されたようだ。

ということで、入店。
指差しながら、セットをオーダー。
待つこと15分。
やたら長い待ち時間は、まさに南国台湾時間。
かつてポルトガル人からフォルモサと呼ばれた麗しの島のファストフードは、思いきりスローフードだった。
人間待たされると徐々に期待値が上がってくるもので、やがて我々は早くチキンを食べたいと連呼するまでになっていた。

そしてようやく到着。





骨付きチキンにナゲット、それにポテトがついた定番のセットだ。
地元の人がこんなに列をなして買っているのだから、はずれるわけはない。
といただきますを言うのも忘れて、ムシャリとかぶりつく。

ん。
んん?
あれっ



フツー。

美味しいといえば美味しいけれど、特筆すべきところは特になし。
まったく普通のフライドチキンだった。
こりゃ、カーネルさんに駆逐されるわ……。


台湾フライドチキンに胃袋を触発された我々。膨満感とともにありながら、そこはやはり昔取った杵柄。モグモグ魂に火がついた。
よし、食べるぞ!意気込んで店の外に飛び出すと、まさかの大雨。
(を)も(や)も、ここぞという時に雨を降らせる雨将軍である。その力は台湾でも発揮され、せっかく灯火がついた我々の食欲を消火するかのように、南国の雨は力強くアスファルトに跳ね返るのだった。


しかし、そんなことにめげる我々ではない。
夜市でも買い食いは、さすがに雨の中では厳しいものの、ホテルへと戻る道すがら、一軒の食堂を見つけ、そこにホールインワン。
今日何本目は分からないが、とりあえずビール。
そして、(に)が適当にオーダー。
出てきた品々がこちら。




まずはアサリと冬瓜のスープ。
やたらでかい器になみなみとたゆたう、その存在感よ。
味はさっぱり、疲れた胃にもってこいだ。


続いて、



出ました、中華の定番、麻婆豆腐。
この店は四川料理でも何でもないが、なんとなく消化に良さそうだからという理由で豆腐をチョイスしたのは内緒である。


そして、こちら



メニューに「宜蘭名物」とあったので頼んでみたら、胡麻入りの衣で揚げた芋だった。
まさかの揚げ物! 胃もたれ!
なぜかケチャップ付き。
さっき香鶏城でポテトを食べたので、まさかの芋の連続。
しかもサツマイモなのか、妙に甘いので、ビールの肴にもなりゃしねー。


で、最後はやっぱり、



炒飯!
中華のシメと言えばコレ!
最後の最後の炒飯到来に、(を)も(や)も「オエップ…」となっていた。
え? なんですか? ちゃんと食べたのかって?

えぇもちろん。スタッフがおいしくいただきました。




というわけで、怒濤の4品コンボ。
テーブルに一列に並べると、やたらスープの器が大きいのが目立つ。
そして、なぜか新日本プロレスのTシャツを着ている(に)であった。
こうして見ると、その品々はどれも結構ボリューミー。


モグモグ台湾遠征初日はこれにて終了。
満腹の中、速攻で部屋に帰って、各自再びバタンQ。


(続く)
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モグモグ隊台湾遠征 第5話

2017-03-27 | 台湾
「ビール飲んだら余計に腹が減った気がする……」
宜蘭の町を歩きつつ、ぼやき始めるモグモグ隊の面々。
とりあえずきちんと食事を出来る店を探さねば。

時間はすでに12:00をまわり始めていた。
台湾を食べ尽くさんばかりの勢いでやって来たものの、まだ食べているのは肉まん程度。
ここはぜひランチでしっかりと食べておきたい。




町の中心部には市場があり、大勢の地元の人々が買い出しをしていた。
食事に困ったら市場を目指せ。
これは旅の鉄則である。市場には、買い物客はもちろんそこで働いている人も大勢いて、彼らの胃袋を日々満たす食堂があるに決まっている。そして食材は市場から仕入れたものであり、新鮮であることに疑う余地はない。

「市場で庶民飯を食べましょう!」
「いいね!」
「ウホッ、ウホッ」
B級グルメ大好きな我々は、そうしたローカル飯が嫌いなわけがない。
そうと決まれば話は早い。向こう側から迫り来る原付や車も何のその。駆け出さんばかりの勢いで市場に向かった

が、


時間はすでに昼を超えており、市場のほとんどの店がしまっていた……。
チーン。


「閉まってるやんか……」とやはぎ氏。
「ですな……」とにいや。
そして、かろうじて開いている食肉店の店頭に並ぶ生の鶏肉をおいしそうに見つめる、をきな氏。
これはいけない。
口の中は完全に市場飯を受け入れる態勢が整っていた我々は、ひどく落胆した。
「と、とりあえず宿に帰る方向で……。駅前には何かあると思いますし……」そう言ったものの、さっきまでの軍隊顔負けの行動力は消え去り、敗残兵のような足取りでとぼとぼと見知らぬ異国の町を帰路に着く。

しかし、往路で店があった記憶はなく、このまま宿に戻ってもさらなる落胆しか待っていないことは明白。
にいやは、ここで大ばくちを打つことにした。
狭い道が走る旧市街の真ん中を進むよりは、町の外周を囲むように走る環状道路に出ることにした。市場にやってくる人たちの80%を超える原付率と、市場付近にほとんど飲食店がないことをふまえ、新しい道にこそ食事処はあるのではないか、という考えに賭けることにした。
幸い、をきな&やはぎの両名は空腹のことしか考えておらず、どの道を通ろうが気付かないだろう。
ということで、知らずうちに遠回りをしながら、我々は外周道路へと向かった。

「あ、あれなんやろ?」と真っ先に声を上げたのは、をきな氏。
大通りの交差点の向こう側には、一軒の店があり、車やバイクが数台。それに人々が何人もまたっている。
店の看板には「順順鵝肉大王総店」の文字。


ガ、ガチョー!
そう、そこはガチョウ肉を食べさせてくれる店だった。
これまでの台湾旅行で、ガチョウのうまさに目覚めたにいやは、これまでも何度となく二人にガチョウのおいしさについて講釈をたれていた。
そして、今回のモグモグ旅のメインディッシュにはぜひともガチョウを食べようと秘かに計画していたほどだった。
まったくノーマークの店だったが、ランチタイムを過ぎているのにある程度の人がいる時点で、もうおいしい店のお墨付きを得たようなもの。

「あれ、ガチョウの店です!」と若干声を張り上げて報告するにいや。吉報は大声に限る。
「ガチョーーン!」
絶対に言うと思った一言も。誰の発言なのかは、本人の名誉のためあえて伏せておこう。



我々は勇んで店に突撃。
「3人!」と指を突き出す姿は、まるでダブルピースをしているようだ。

我々のリポートの前に、ここでお店の紹介。
「順順鵝肉大王総店」
http://www.chtime.com.tw/product/p5833133
どうやら、台湾の新聞などでも多く取り上げられ、美味しい店認定されているようだ。


当時の我々は、そんな名店だったとは知る由もなく、店頭に並ぶガチョウを指差して注文。
現地客は、そのほかにも肉の隣に並ぶ小皿をいくつも注文していたので、それに倣う。

そして、ビールは台湾の居酒屋でよく見られる冷蔵庫システム。
店の隅に巨大な冷蔵庫があり、自分で勝手に持ってきて、空き瓶さえテーブルに並べておけば会計時に精算してくれる、酒呑みにはたまらないシステムだ。

血糖値が下がり、昇天寸前のをきな氏をテーブルに残し、とりあえずめぼしいビールを持ってきた。



そして、本日二度目の乾杯!



そして、ほどなくしてガチョウ到着!




骨ごとぶつ切りにされたガチョウは、ほどよく脂がのっていて、ビールと合わせて食べるべくして生まれた料理。

「んーーーー!!」「これ、これ、これ」「おい、まじで! やべー」と一同感嘆の声を挙げる。
しばらくおあずけをくらっていただけあって、その悦びもひとしお。
鶏肉と比べて、やや弾力があり、噛みごたえも充分。そして一噛みごとに肉のジューシーさが口の中に広がる。
まさに至福! ガチョウ万歳! 台湾万歳!
それにしても、こんなに美味しいのになぜ日本では食べないのだろう。

そして、小皿も到着。



ガチョウのモツやら野菜やら。
言葉がまったく通じず、指さしで注文したためもう何食べているのか、まったく分からないのだが、美味しいってことだけは分かる。
そして、どれもビールと好相性。
昼間だろうが関係なく、杯が進むってもんです。

百戦錬磨の我々モグモグ隊も、宜蘭のガチョウにあっさりと降伏宣言。
もう負けていい。っていうか、負けたい。美味しい。
ガタイの大きいオッサン3人で、ひたすら肉にむしゃぶりつく様は、まさに餓鬼道。
地獄の沙汰も肉次第。閻魔様もクリビツ仰天の所業でござい。


で、あっという間に完食。
ビールも気付けば何本も空いていた。

「あー、おいしい」とをきな氏。
やはぎ氏はもう白目を剥いて、骨にこびりついた肉を歯で削ぎ取って食べている。
「ね、ガチョウおいしいでしょ。言ってた通りでしょ」と、自分の手柄のように誇るにいや。


「オカワリ」


「えっ?」
「オカワリちょーだい」
一瞬何を言われているのか分からなかった。
「まだいける。っていうか、食べる。オカワリ」
「オカワリじゃよ、にいや」
さすがモグモグ隊。一皿では満足しない。これこそ我々の本来の姿である。
あいよ!と勢い勇んで、にいやは再び店外へ。
店の前で黙々とガチョウを切り続ける親父に、もう一皿!とビールの息を吐きかけつつ注文。
そういえば、ガチョウ肉、値段がいくらするのか、まったく聞いていなかった。
でも、いいや。美味しいし。
もう13時を超えているのに、店内のあちこちでガチョウを喰らう人々が。こんなにフツーの人が食べているのであれば、高いわけがない。

「頼んできましたよー」とにいやがテーブルに戻るや否や、次のガチョウがやってきた。



ん?
少し違う。
さっき食べたのと少し形状が違う。
「おいおい、違うじゃねーか! 俺はオカワリを頼ん……」と文句を言いつつも、をきな氏は箸で肉を挟み、そのまま口へ。「うっ、うめーーーーーーー!」台湾東部の小さな町に、オッサンの咆哮が響き渡った。
「いやいや、さっきと全然違……うっまーーーー!!」と、見事なリアクションのやはぎ氏。
確かに、にいやは、親父に片言の中国語で「オカワリ」と言った。
しかし、今我々の目の前にあるのは、同じガチョウなれど、異なる形状異なる食感。さっきは骨ごと切っていたのに、今回は肉のみ。さらに脂の旨味が味わえる。

「にいや、グッジョブ!」
お褒めのお言葉ありがとうございます。でも「僕、オカワリって言っただけなんですけど…」
さらにうまいガチョウを頬張りながら、ビールを注ぎ合って、我々が出した答えは、「親父の気遣い」だった。
確かに、オカワリをする際に、にいやは親父に「このガチョウおいしい!」と悦びの声を伝えていた。親父はそれに気を良くし、だったらこんなガチョウはどうだい?と作ってくれたのではなかろうか。

そんなことってあるのだろうか。と、ふと店の外を見ると、何となく我々の様子をうかがう親父を目が合った。
黙って、親指をサムズアップ。
親父、すげーよ。こんな台湾の片田舎にいるにはもったいない漢だぜ、と。

親父の目が少しほころんだような気がした。

というわけで、2皿目もあっけなく完食。




ごっそさんでした。
ビールを何本飲んだかわからないけれど、2時間以上飲み食いし、お会計は3人で1000元程度。日本円で一人1000円程度で済んでしまったのだった。


結論、台湾に来たらガチョウを喰うべし。

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モグモグ隊台湾遠征 第4話

2017-03-04 | 台湾

肉まんでとりあえずの腹の虫の機嫌をとった我々が次に向かった先は、宜蘭酒廠。
あまり知られていないが、宜蘭は酒の町であり、繁華街から徒歩圏内に大規模な酒蔵がある。観光客にも開放されており、敷地内では試飲のほか、造りたての生ビールが飲める。
バイクツーリングをあきらめた我々は、「飲んだら乗るな。乗らないなら飲め」を合い言葉に、ズンズンと道を進み、途中にいやの喉の薬を買いに薬局に立ち寄ったほかは、目移りすることなく、宜蘭酒廠に辿り着いた。




だだっ広い敷地はまさに工場。
ちなみに正門かと思っていた我々は、帰路に通用門から入場したことを知る。
団体さんを乗せた観光バスもちらほら。





ずらりならんだ酒・酒・酒!
これだけでテンションがあがる。もう飲むしかないでしょ!




レンガ造りの建物がレトロ。
日本統治時代に造られたものだとか、違うとか(細かいことは各自で調べて)。




台湾のビールといえば、台湾ビール。
敷地内の巨大オブジェに心躍る。
この工場でも絶賛生産中! 造りたてビール、楽しみでしかない。



館内には展示室などもあったが、そんなの3秒で通過。一目散に試飲ブースへとなだれ込んだ。
「日本人!ビールおいしいネ!」
といきなりの大ボリュームで話しかけてきたのは、売り子のおばちゃん。その声のでかさは工場内に響きわたるくらい。
「3杯飲むと割り引き! 飲むネ、飲むネ?」




おばちゃんは我々に飲むのかと聞きながら、すでにビールを注ぎ始めている。
これ飲みにきたからええけど、我々が飲まへん人たちやったらこれどうすんの?



ということで、




乾杯!

とりあえず、これでしょ。
この一杯で、深夜から移動しっぱなしだった我々の目が覚めたといっても過言ではない。

あー、しみわたる!
台湾ビールも、やはりつくりたてがおいしい!
生ビール万歳!!





しかし、


「卵あるヨ、おいしいヨ」
「おつまみ、食べるネ」
「ショーコーシュ、あるヨ」

ビールをグビグビ飲む我々の姿を見て、こいつら飲むなと判断したのか、おばちゃんのセールストークがとまらない。

それもそのはず、工場内には台湾人観光客がけっこういるのに、ビールを飲んでいるのは我々だけ。少しでも売り上げを伸ばそうと、おばちゃんも必死だ。

しかし、押されると引いてしまうのが日本人。
なんとなく、居心地が悪くなり、誰が言うともなく「じゃあ、そろそろ」と席を立ったのだった…。

「さすがパワフルやなぁ」
「そ、そうでしたね。つ、次行きましょうか…」

お腹の虫は活性化してきた。
我々は再び宜蘭の街に出た。


(続く)


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モグモグ隊台湾遠征 第3話

2017-02-23 | 台湾
庶民派食堂で小腹を満たした我々は、台北駅横にあるバスターミナルから、台湾北東部に位置する街・宜蘭に向かった。
初めての台湾なのに台北観光をすることなく、いきなり地方都市に行く。
確かに食べることだけを考えれば台北、もしくは台湾の食の都と呼ばれる台南がふさわしいのかもしれない。当初にいやは、そのどちらかを訪れることを提案した。ノープラン&出たとこまかせの、をきなとやはぎの2人は「どこでもええで」とかましていたが、2都市がけっこうな都会であることを知ると、態度は急変。「俺、そういう人多いとこ無理」「大阪でもたいがいなのになんで都会におらなあかんねん」「俺たち自然派」「温泉とかないんかいや」「海鮮とかもうまそう」「そーゆープランをたてられないかね、にいや君」「あ、それと基隆に行きたい。軍港見たいの」と、言いたい放題。
温泉、海鮮、ほどよい田舎、基隆など、2泊3日でこなすには……と考えた結果、

【1日目】早朝台北着(観光せず)→宜蘭(観光・宿泊)
【2日目】宜蘭→礁渓温泉→基隆(観光)→台北(宿泊)
【3日目】午前に台北発

というコースになった。
をきな、やはぎ両名はバイク乗りのため、現地でバイクを借りてツーリングする可能性もあったが、台北から宜蘭に向かうバスの中、現地を走るバイクの数の多さに仰天し、車間距離などまるで無視して走りまくる様子にすっかりビビり、ツーリングはなしの方向に。その様子は免許取立ての童貞ライダーのようでもあった。




バスの中のお供に、コンビニで購入したお茶。
日本の約半額ながら、さすが台湾、お茶の味がしっかり出ていて本当においしい。
これを超えるペットボトルのお茶にいまだ出合わず。


うたた寝を繰り返しているうちにバスは、宜蘭に到着。バスターミナルから徒歩で、宜蘭駅に移動した。





駅前は、なんやらよくわからないオブジェでいっぱい。どうやら有名な絵本作家の作品とコラボしている模様。食欲120%のオッサン連中は、それらにまったく興味を示すことなく宿探しに走る。
今回の旅は、おおまかにルートを決めてはいるものの、出たとこ勝負的な要素も残しておきたかったため、宿の予約をしていなかった。ともあれ、今日は宜蘭に泊まろうと考えているので、宿探しが先決。
事前のリサーチにより、駅前には数件安宿があることはわかっていた。安宿=ラブホ的な使い方もされている台湾では、男3人が一緒の部屋に泊まろうとすると大きなベッドに雑魚寝になる。
一人800元(2500円程度)の予算では、ホテルではなく旅舎的なところにしか泊まれない。
何軒か回ってみたが、まだ午前中ということもあってか、チェックアウト前の部屋が多く、空いていても部屋が完全なラブホ仕様のもの、1室なら空いているが3室は無理というところばかりだった。

そんな中、ド派手な化粧で訪れる者を圧倒する女将さんがいる、駅前の金和成旅社で、個室1泊800元の部屋を見つけた。そこそこキレイで、窓も(小さいながら)あるし、「もうここでいいっす」とをきな氏。





先輩がそう言ってくれれば、ここでいいのだ。ということでチェックイン。
荷物を置き、街の散策へと繰り出した。





台湾のほかの都市と同じく、宜蘭にも日本人がいた時代の名残があちこちに。
レトロな建物は、いまじゃおしゃれなレストランになっていた。
初めての台湾に興奮気味のをきな&やはぎ。しかし、時間が経つにつれ、どんどん不機嫌になっていく。理由は当然、空腹だ。
「ちょっとー、ご飯食べようぜ」
「俺たち街歩きを楽しみに、海を渡って来たわけじゃないんじゃよ」
ごもっともです。
何かおいしい店は、と思っていた矢先、店頭から立ち上る湯気を発見。




肉まん屋だった。
各種の肉まんが店頭のセイロで蒸されている。地元の人がバイクを横付けに5個10個と買って足早に立ち去って行く。これはおいしいに違いない。
さっそく肉包(肉まん)、菜包(野菜まん)を購入し、店頭でガブリ。




肉まん。
熱々の肉汁が飛び出し、全員見事に口内をヤケド。




野菜まん。
野菜の甘みが広がる。



「うめーーー!」
「井●屋を超えた」
と感動もひとしお。
「にいや、これいくらやねん?」とやはぎ氏。
そう、この旅では各自で両替して現金を持っているものの、モグモグ代は一括してにいやが管理するシステムをとっていた。つまり、をきな&やはぎ両名は、値段を知らず、ただひたすらに食べたいものを指差し、頬張ることを繰り返していいわけだ。
「これ1個35円やね」と答えると、「安ッ!」とコール&レスポンス。
もう1個食べようぜと調子に乗る2人を必死で止め、我々は次の目的地に向かった。



(続く)

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モグモグ隊台湾遠征 第2話

2017-02-22 | 台湾
関空から台北へと向かう機内での記憶がほとんどない。
酩酊状態でチェックインし、なんとか搭乗したのだが、気がつくと飛行機が台湾の桃園国際空港に到着していた。バニラエアの座席は非常に狭く、平均身長170cm後半の我々にとっては、かなり窮屈だったが、約2時間のフライト時間は貴重な睡眠時間だった。

ねぼけまなこをこすりつつ、我々は台湾の地に降り立った。
ビバ、初海外遠征。ビバ、台湾。

空港にシャワーがあったら入りたいと思って、しばらくうろうろするも、そうした施設は見つからず。ただでさえ期間の短い、今回のモグモグ旅。シャワーよりも飯だろ、という意見のもと、両替をすませ、エアポートバスで台北駅に向かった。
市内までの約1時間、酒臭い寝息を吐きつつ、我々は二度寝を試みた。




そして、台北駅に到着。
もうすぐ午前7時を迎えようとする台北駅には、通勤の人々が大勢歩いている。
をきな&やはぎの両名は、初めて訪れる台北駅の大きさ、そして駅前のビルの多さに言葉を失って……
「お腹すいたブー」
「朝飯食べようぜ」
二人はただ空腹だった。
睡眠不足よりも空腹が勝る我らモグモグ隊。そう、台湾にはまさに腹を満たすためだけにやってきたのだった。


ガイドブックに掲載されているようなキチンとした店ではなく、庶民が日常で訪れる、まさに“本物”の飯をガッつきたい。食欲を通して今の台湾を知る。いつから我々はこんな高尚なチームになったのだろう(うそ)。
駅前の裏通りに向かうと、そこは予備校街。有名大学への進学を目指す野望熱き若人の街。貧乏予備校生たちの腹を満たす安食堂がいっぱい……のはずだったが、この日は土曜日。そしてまだ早朝。どこの店も絶賛仕込み中で、唯一空いていた店しか選択肢がなかった。






中華圏の朝食の定番といえば、豆乳と揚げパン。
どうしてこの2つが組み合わさることになったのか、まったく見当もつかないのだが、中華圏ではもう定番中の定番。揚げパンをちぎり、豆乳に浸して食べている中国人は、世界中で毎朝8億人はいることだろう。中華文化圏が初めての2人にはぜひとも食べてほしいメニューだった。
この店では、豆乳の味を甘い・しょっぱいの2つから選ぶことができ、眠気から覚めきっていないため、とことん甘いものをチョイスした。
「さ、どうぞどうぞ」とにいや。自身は、この2つの組み合わせがまったく気に入っていないので、食べる気はさらさらない。
無言で揚げパンをちぎり、豆乳に浸す2人。
口に入れた瞬間に、刮目!
目を見開き、にいやを凝視する。ほぼ口を動かしていないが…
「ばぶい(まずい)…」
「なんじゃぁぁ、こりゃぁぁぁ!」
松田優作もびっくりの早朝の咆哮である。






「そ、それではお口直しを…」とにいやが次に注文したのが、小籠包。もはや台湾名物といっても過言ではない一品だ。有名店であれば、薄皮に包まれた肉汁たっぷりのものが……となるのだが、実は庶民はそんなもの食べていない。お手頃サイズの肉まんのことを小籠包と呼ぶことが多い。
もちろんザ・庶民派のこの朝食食堂でも、肉まんタイプの小籠包だった。
「想像してたのとちゃう…」
「でも、うまい。うまい。何個でもいけそう!」
といって、口の中を若干ヤケドさせつつも、3人はほおばった。






そんなんでお腹が満足するはずもなく、続いて、焼き餃子を注文。
少々油っぽい感じではあったが、こちらもニラとニンニクがほどよくきいていて、美味。
テーブルにあった醤油と酢で、にいやが用意した酢醤油をつけることなく、あっという間にペロリ。
「うーん、目が覚めた気がする」
「むしろ、これで余計にお腹がすいた気がしますな」とご満悦。
つまようじでシーシーハーハーする我々のテーブルの上には、食べかけの揚げパンと豆乳がそのまま残されていた……(収録後スタッフがおいしくいただきました)。



(続く)

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モグモグ隊台湾遠征 第1話

2017-01-06 | 台湾
「集合は終電で」。
その一言を念仏のように繰り返しながら、僕は終電1本前の電車に揺られて関西国際空港に向かっていた。
大阪市内を走る頃は家路を急ぐ人も乗っていたが、うとうとしているうちに車両に人はほとんどいなくなっていた。
電車は鉄橋を渡り空港へと到着した。
閑散としたホーム。人の気配がほとんどない。
若干不安になり、メンバーにLINEを送る。
「ワレ カンクウ ニ トウチャク セリ」

すると、メッセージは一瞬で既読に。
その直後、やはぎ氏から「わしもじゃよ」と返信があった。
JRと南海の電車が違えど、ほぼ同タイミングで空港駅に着いていたようだ。

2016年10月某日。
今回、5年ぶりに再結集した我々モグモグ隊が向かう先は、台湾。
沖縄、名古屋、東京とモグモグを繰り返してきた我々は、2泊3日の初の海外遠征に挑む。
今回は旅費をギリギリまで節約するために、往路の移動はLCCのバニラエアを選択した。復路もタイガーエアというLCCだ。どちらもセール時期をあざとく見つけて購入。一人往復18,500円。
三連休でこの値段だ。安い。

今回のモグモグ旅。事の発端は、海外旅行大好きの僕が、酔いの勢いに任せてやはぎ氏に「海外行こーぜ! LCC使ったら安く行けるし」とつぶやいたことから始まる。
「なんで飛行機に乗らなあかんのじゃ」というミスター高所恐怖症のやはぎ氏は、リーダー・をきな氏に愚痴ったが、「台湾といえばおいしい食事。安くモグモグできるなら世界のどこだって行っちゃう!」というをきな氏の鶴の一声で開催が決定した。やはぎ氏の意見はまるで無視された形だが、いざ行くという段になると、LINEの返信の素早さからも感じられるように、あながち嫌ではないらしい。

JRの改札を出たところで、やはぎ氏が満面の笑みで右手を振っていた。
「久しぶり」でも「今回よろしく」でもなく、僕の第一声は「なんで短パンやねん!」
そう、やはぎ氏は何を考えたのは、10月の深夜、短パン姿で駅にいたのだ。
駅の改札でおちあう40歳手前のオッサン二人(うち一人は短パン姿)。
もうそれだけでホラーだ。今回の開催に暗雲がたちこめている気がする。
「台湾といったら南国だし、暑いやろがい」
10月の台北の平均気温は24℃。現地で短パンになるのはいいが、なぜ君は自宅から短パンでくるのかね? 海パンをはいて登校する小学生のようなテンションのやはぎ氏に、少しクラクラした。

しかし本音をいえば、格好なんてどうでもいい。
我々に必要なのは食欲のみだ。
結婚式ではないが、人生で大切にしたい3つの袋が我々にあるとすれば、それは「胃袋」「胃袋(その2)」「胃袋(その3)」である。
まさか、エネルギーの消費を高めるためにあえて肌を露出する短パン姿で来たのか、やはぎ氏?

空港のターミナルのベンチに腰掛け、短パン姿をディスっていたときに、ふと気付いた。
何かが足りない…。

そう、リーダーだ。
まだリーダーが来ていない!
しかし電車はすでに終わっている。まさかの不参加か。
冷や汗ならぬ脂汗がドロリと背中を流れた。
「おい、やはぎ。をきな氏は?」
「ああ、まだ来とらんな。何しとるんやろな」呑気である。
すぐにLINEを打つ。
しばらくするとをきな氏から返信があった。
「海」
意味不明である。
しかし、我々2人にできることは、リーダーを信じて待つことだけ。
気分はセリヌンティウス(by走れメロス)だ。
その後、再びをきな氏から着信。「島に到着!」とあった。
もしや、をきな氏は船で来たのか? 意外だった。盲点だった。神戸から関西国際空港へは船でアクセスすることができたのだった。
船のタラップを降りて登場! となれば格好よかったのだが、船着き場からバスに乗せられたらしく、をきな氏はエアポートバスの停留所からやってきた。
「悪い悪い」我々が心配していたことを知らないリーダーは、反省の色はまったくない。
しかし、ここでモグモグ隊が揃った。
無事に台湾へ行ける。こうして旅は始まったのだった。



ほぼ誰もいない空港。夜中の空港はさすがに寂しい。


ちなみに、我々が搭乗する飛行機はAM3:00過ぎのフライト。
出発2時間前のチェックインまでもまだまだ時間はあった。
僕は仕事を終えた足で空港に来たこともあり、夕食を食べていなかったが、をきな・やはぎの両名はちゃっかり夕食を食べていた。
台北着はAM5:00すぎの予定のため、空腹で夜を越したくなかった。
「何か食べますわ」とコンビニに入れば、ちゃっかり二人もついてきて、カゴにビールやつまみを入れるわ、入れるわ。
「さっ・か・も・り! さっ・か・も・り!」とテンションマックスの両名である。

もちろんそんな申し出を断る理由もなく、モグモグ台湾遠征の記念すべき第1食目は、空港でコンビニ飯となったのだった。


まずは買い出し1回目!



それで足りるわけもなく、買い出し2回目!
なぜ小指が勃っているのか不明…。


その後、やたらハイテンションの我々は、チェックイン時間ギリギリまで、空港のベンチでどんちゃん騒ぎ。
爆買いの中国人たちも真っ青のひどいありさまであった。



キッズコーナーで爆睡する両名。精神年齢だけがキッズである。


(続く)
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モグモグ隊台湾遠征 序章

2017-01-04 | 台湾



もはやライフワークと言っても過言ではないであろう。

モグモグ隊のことである。
大学時代のクラブの友人たちと組んだ、旅先のおいしいものを欲張って何でも食べてやろうというユニットだ。
過去に、沖縄や名古屋、東京などで遠征を繰り広げてきた我々だが、実はそれほど多く活動しているわけではない。特にいつ開催するか決めているわけではないので、実態はオリンピックよりも長い5年に一度の開催にとどまっている。
もちろんその間も順調に齢を重ねているわけで、20代前半で結成したユニットも、今回の開催ではメンバーは不惑を迎えている。歳月の過ぎるのは早いものだ。


過去の活動については、以下のリンクを参照されたし。

モグモグ隊名古屋遠征

金八っつぁん!(モグモグ隊名古屋遠征番外編)

モグモグ隊名古屋遠征 第2話

モグモグ隊名古屋遠征 第3話

モグモグ隊名古屋遠征 第4話

モグモグ隊名古屋遠征 第5話

モグモグ隊名古屋遠征 最終話


ご、5年ぶり!(モグモグ隊東京遠征 序章)

結局、東京遠征のときの話はまったく書いておらず、闇に葬り去られてしまっている。
でも、これでいいのだ。
我々の活動の根本原理は記録に残すことではない。刹那の満腹を味わうことにこそある。


ということで、前回に習い、改めてメンバー紹介(ほぼ前回流用)。
正式メンバーは、現在3名。

リーダー:をきな
バイクとギターとキャンプをこよなく愛し、授業よりも昼寝、クラブ活動よりもピザ屋のバイト、恋愛よりも男連中とドライブを選び、大学を余裕で留年するなど、流浪の人生を送ると思いきや、あっさりと就職。さらに職場恋愛の末にいい嫁さんを見つけ、かわいい子どもまで産まれ、これまでの人生のすべてを汚点と言い切り、マイホームパパに。結局人間そういうもんなのね的な人生を邁進している、チーム内の幸せ度ナンバーワン男。最近ミニファミコンを購入し、指にタコができるほどやりこんでいるとか、いないとか。

メンバー:やはぎ
をきな氏以上にバイクと旅と酒をこよなく愛する巨漢の無頼漢。神が与えたもうた試練なのか、数多のブラック企業勤務を経て、現在はトラック運転手。深夜0時を超えると機嫌がみるみる悪くなり、どんな遅くまで起きていても朝4時にはしっかり目覚める、市場で働かせたい男ナンバーワン。高所恐怖症。ドリームキャストにハマっていたことは黒歴史。ミリタリー関係も大好きで、酒の席でうっかり聞いてしまうとかなり長引く。なぜか毎年実家から大量の鴨肉が送られてくる。

幹事:にいや
当ブログの書き手。生来の何でもやりたがり、しきりたがりであるため、結果いつも幹事役がまわってくるが、むしろ喜んで引き受けている。モグモグ隊の活動が5年に一度なのも、海外放浪癖があり、休みのたびにふらふらと出かけてしまい、幹事自身が企画をたてないから。身長は日本人の平均以上にあるものの、モグモグ隊のときは最小身長になってしまうことに、少なからずコンプレックスを抱いている。最近はとみに酒に弱くなったことが悲しい。


そんな我々が選んだ、今回のモグモグスポットは、台湾。
初の海外遠征である。






小籠包から中華料理、屋台の小吃まで、ありとあらゆるものを食べつくしちゃうぜ!

(続く)
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2017年

2017-01-04 | 京都編集邁進道
あけましておめでとうございます。
のんべんだらりと、日々の欲望のおもむくままに生きていたら、気付けばもう不惑の年。
前厄になりました。

1年の始めは、今年の目標をたてるべきだろうけど、僕の目標は毎年同じだが、特になし。
人生なるようになる。
いいことも悪いことも平等にふりかかって来ればよいと思う。

そんなわけで、今年も平常運転。
よろしくお願いいたします。

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2016年私的映画ランキング

2016-12-21 | 電影

2016年も気がつけば師走。そして、今年もあと10日。

毎年のように、せめて1週間に1本は映画を観ようと、年の初めには志すのだが、達成したことがない。
もちろん映画館にそれだけ足を運ぶのは難しいので、テレビやDVDでの観賞も含めてなのだが。

ちなみに今年観た映画は、39本。
年末の休み期間中にあとどれだけ観れるかは不透明だけれど、目標まで残り11本は多分達成できないであろう。
今年も残念であった。

年末にいい映画と出合える可能性は残しつつも、今年の私的ベスト3をつけてみようと思い立った。
今年観た39本は以下の通り。
(※)となっているのは、映画館を含め、シアターで観賞したもの。



ガメラ3 邪神覚醒
ポリスストーリー・レジェンド
消えた画 クメール・ルージュの真実(※)
家族
パシフィック・リム
宇宙戦争
スターウォーズ 新たなる希望
スターウォーズ 帝国の逆襲
スターウォーズ ジェダイの帰還
劇場版 響け!ユーフォニアム(※)
あん
007 ダイ・アナザーデイ
居酒屋兆治
恋する惑星
山嶺の女王 クルマンジャン(※)
スタンドバイミー
シン・ゴジラ(※)
ダークナイト・ライジング
シベリア超特急
ちえりとチェリー(※)
チェブラーシカ 動物園へ行く(※)
酔拳2
海洋天堂
台北に舞う雪
噓をついて(※)
バルコニー(※)
アナエル(※)
眠れない夜の月(※)
あの子を探して
新幹線大爆破
人間ポンプ 安田里美 浅草木馬亭公演(※)
子どもたちの王様
きっとうまくいく
PK(※)
冬の華
セントラル・ステーション
バイオハザードⅤ
躍る大捜査線3
海賊とよばれた男(※)


以上が2016年のリストである。

ということで、まずは第3位。




「海洋天堂」

2010年の中国・香港の映画。日本公開は2011年だそう。
主演は、あのキレッキレのアクションでアメリカも震撼させたジェット・リー。
でも、今回はアクションはひとつもなし。病に冒されたしがない中年の水族館職員を演じている。
その息子が自閉症&重度知的障害を持っており、余命わずかな父親は、自分の死後のことを考えて…という話。
文部科学省選定作品ということもあり、ストーリー自体は感動する人続出のお涙ものだが、
僕が気になったのは、自閉症&重度知的障害の息子。
時折本当の障害者を使っているのではないかと思う表情と仕草が垣間見えた。
文章という名前の俳優の演技力で3位。
それにしても、中国で障害者として生きていかねばならないのって、相当ハードね。


そして、第2位。





「きっとうまくいく」

2009年公開のインドの映画。
話題になっていたのは知っていたが、観るタイミングを逸してしまい、ようやく観賞。
当時のインド映画歴代興行収入1位を記録したという大ヒット映画。
テンポ良く進むストーリーは、けっして練り込まれたものではないが、何でもありのインド映画だけあって、エンターテインメント性に満ちた作品だと思う。
主演のアーミル・カーンは当時44歳だったとのこと。若いわー。
以前インドを旅していたとき、砂漠へ向かう途中で出会ったインド映画好きの青年から、インド映画の基礎知識を教わった。彼が言った中で強烈に覚えているのが「アーミル・カーンは本気でアカデミー賞狙っていると思います」という言葉。
本作は、社会的なネタも取り込みつつ、きちんと作品に昇華しているのが素晴らしい。
それにしても、当たり前のように飲酒の場面が登場する。
昔(といっても15年ほど前)は、酒はもちろん、セクシャルな要素もほとんどがNGだったのに、えらい発展ぶりだ。
同じくアーミル・カーン主演で、日本で公開された最新作「PK」も観に行ったが、そこではキスシーンも登場していた。
そのうちベッドシーンとか普通に出て来るな、こりゃ。
個人的には、もっとダンスシーンを!と切望しているのだが、それはアーミル・カーン以外の人がやればいいこと。
彼には本気でアカデミー賞を狙っていただきたい。
観賞後はやはり僕も「Aal Izz Well!!」と叫びたくなっていた。





堂々のにいや的2016年のベストムービーは、







「あの子を探して」

1999年の中国映画。
このブログにもちょっと前に「一个都不能少」というタイトルで観賞記を書いた。
詳しくは

ここを読んでほしい


この映画は、ほかとパンチ力が違った。
道端に痰を吐き、くわえ煙草でバイクに3人乗りしたい気分。
これ、DVD買ってもいいくらい。
ダントツのベストムービーでした。


さて、来年はどんな映画と出合えるだろう。
それよりもまず年間50本の目標を達成できるよう頑張らないと。

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芸術の秋? いいえ、仕事の秋。

2016-11-18 | 京都編集邁進道
京都はもう本格的な紅葉シーズンに入り、観光客のみなさまが大勢楽しんでいますが、それを横目に、なぜか仕事がてんこもり。
いざ、休日出勤。
今年は代休をとっていない休みが4日ある。
これ、絶対いつか繋げて休んで、旅行に行ってやるんだから。
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一个都不能少

2016-10-03 | 電影



映画「あの子を探して」を観た。

昔は映画を見る度にブログに感想らしきものを書いていたのだが、いつの間にか書かなくなってしまっていた。
ただ、この映画だけは激しく感情を揺さぶられたので、自分自身への備忘録として書いておこうと思う。



1999年制作の中国映画。監督は、巨匠・張芸謀(チャン・イーモウ)。
ヴェネツィア国際映画祭グランプリを受賞しているという、おもしろさお墨付きの映画である。

あらすじは以下の通り。
Wikipediaより抜粋。

舞台は中国の農村。水泉小学校のカオ先生が母親の看病のため、一ヶ月間、小学校を離れることになった。放っておけば、多くの生徒が家庭の事情で学校をやめてしまう。代理として村長に連れてこられたのは、13歳の少女、ウェイ・ミンジ。
中学校も出ていないミンジに、面接したカオ先生は心許なさを感じるが、子供たちに黒板を書き写させるだけの簡単なことならできるだろうと代理を任せる。報酬は50元。子供を一人も脱落させなければさらに10元。
ミンジは、生徒に自習させて教室の外で座っているだけの「授業」を始めるが、うまくいくはずもなく、次々と騒ぎが起こる。特に生徒のホエクーは、隙を見て抜け出そうとしたり、女の子の日記を盗んで騒いだりといつもミンジを困らせていた。
そんなある日、そのホエクーが突然学校にこなくなった。病気になった親の代わりに、町に出稼ぎに行ったという。脱落者を出すと報酬が減ってしまうと考えたミンジは、何とか連れ戻そうと策を巡らせるが、町を出るバス代がない。皆で話し合い、レンガを運んで金を稼ぐことになり、生徒たちも一生懸命働いてようやくミンジを送り出す。大きな町へ着くとホエクーは行方知れずだと聞く。彼女はなけなしの金をはたいて紙と筆と墨汁を買い、尋ね人のチラシを貼り出すがらちがあかない。町のテレビ局に行き、涙ながらに訴える。苦難の末、ミンジはホエクーと再会を果たす。


という作品なのだが、出てくる中国人どもが、生徒を除いて全員自分勝手でクズ! 土!
一人一人のクズポイントを書き連ねていくと、とんでもない文量になるので割愛するが、本当に自分の面子と金のことしか考えていない。
しかし、これこそまさに中国人の本当の姿でもあるので、それを描ききった監督は素晴しいと思う。

舞台となった河北省の農村は、もう逃れようもなく貧しい。
撮影当時から15年以上経ち、バブルの恩恵は多少受けて豊かになっているかもしれないが、当時は1元のお金すら捻出できないほど貧しい。

僕が初めて中国を旅したのが、ちょうどこの頃。
そして映像のなかにか、当時僕が中国で出合った光景がそのまま残されていた。
直接映像にはなっていないけれど、カメラの隣では、人の隣でカーッ!って痰を吐くオッサン、道端でガキに小便させてる母親、よく分からない汚い水を道にドバーッって捨てる店員、車道と歩道の分離帯にうんこ座りして煙草ふかすジジイ、スーツの袖にタグをつけたまま歩く兄ちゃん、脇毛未処理でナイロンのテロテロ服を来て下着スケスケな姉ちゃんなどなど、あの頃の中国の町なかにいた、普通の中国人たちがいっぱいいることが確信できる。

もうね、これですよ。
僕の大好きで、大嫌いな中国は。
トイレなんて絶対ニーハオトイレだし、列車でもバスでもところまかまわず煙草吸っていいし、何か買おうとしても、どこかに泊まろうとしても「没有」って言われる。
人を人とみなさず、虫けらのように見下す視線。歩行者を無視して突っ込んで来る車と膨大な自転車。側溝には残飯が捨ててあって蠅がたかっている。山盛りのパサパサご飯におかずをぶっかけた丼を持ち、排気ガス満載の路上で立ちながらクッチャクッチャと飯を食う人民。
けたたましいクラクションの音とそれに負けないくらいの人民の怒号。スピーカーからは音割れしている宣伝の声が街の喧噪に拍車をかけている。

もう一度、書きますよ。

もうね、これですよ。
僕の大好きで、大嫌いな中国は。

クズで土で、風呂入っていないから垢臭い人民。
くっちゃくちゃの人民元をポケットから出して、店員に投げつける。
21世紀の今、こんな中国は残されているのだろうか。

僕はこの映画を観て、嘔吐しそうになった。
郷愁と憎悪と愛情がごっちゃ混ぜになって、一気に脳内を巡った。
映画の中に、僕はいた。
僕は、人民の群れの中で、人民と戦っていた。

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ラグメン!

2016-09-14 | 喀什2016


カシュガルでおいしいものといえば、何をさておき、ラグメンである。

ウイグル人のソウルフードといっても過言ではない麺料理。
手打ち麺の上に、羊肉とトマトなどを煮込んだソースがかかったもの。
うどんのような麺のしこしこ感とコクのあるソースの相性抜群。
僕は、世界でいちばんおいしい麺と思っている。


今回のカシュガル旅行では、この麺を思いきり食べたい。これから先20年分の食い溜めをする勢いで、本当に毎日食べた。






到着初日のラグメン。
メニューにいろいろ書かれていたが、いちばん高いものをチョイス。
麺とソースが別皿で出てきたことと、肉が普通の羊肉とは思えないほどジューシーだった。
20元。
値段は一般価格の2倍程度だったが、大満足。








バザールの中の一軒にて。
オヤジが麺を打つ。




ある程度延ばしたら、こうやって




そのあと、まとめて延ばして、またまとめてを繰り返し、どんどん麺が細くなっていく。
その動きは芸術的だ。




そして完成。
どの店もできたてを食べられる。
うまい。本当にうまい。うますぎて泣きそうだ。
1杯7元。
カシュガルで食べた中で、いちばん安かった。






貧乏旅とはいえ、嫁さんも一緒なので、こういう高そうなレストランにも入る。



店内豪華。



フロアも豪華。




そして出てきたラグメン。
この店のものは、平麺だった。
きしめんっぽくて、名古屋人の僕としては喜ぶべきところだろうが、少々食べづらい。
10元。






色満賓館近くのレストラン。
某ガイドブックにも出ている店だが、時間をはずして行ったため、店内には客は誰もおらず。



ここのラグメンはスタンダードな感じ。
具が細かく刻まれていて食べやすい。
10元くらいだったと記憶している。







エイティガール寺院より徒歩5分程度のラグメン専門店のラグメン。
8元。
地元の人イチオシのラグメンは、麺が細い。
やる気のなさそうなオッサンが打ったとは思えない繊細な味わい。







こうやって書いているだけで、また食べたくなってきた。
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