放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

スリランカ酔夢行(4)ペラヘラでフラフラ

2020年08月28日 | スリランカ2019
ペラヘラという祭りをなめていた。
交通規制が敷かれたエリア内は、車道と歩道が柵で区切られ、歩道の中は、見物客で埋め尽くされていた。
車道に立っていると、警官が寄ってきて、どこかに移動せよと言ってくる。
どこかに少しでも隙間があれば…と淡い期待を抱きながら、うろうろしてみるが、自分たちが立ち入れるスペースなんてまったくなかった。

車道を歩きながらそんなことを考えていると、「ハロー」と、チャラそうなスリランカ人の兄ちゃんが声をかけてきた。

「祭りを見にきたの?」
そう。大人気だね。こんなに混んでいるとは思わなかった。
「この時間だと、ほとんど席はないよ」
そのようだね。
「でも、僕は席を紹介することができる」

ダフ屋だった。

そうなんだ。
「とても良い席ではないかもしれないけれど、落ち着いて見ることができる椅子席が用意できるよ」
と兄ちゃんが指さしたのは、祭りのコースに面して建っている靴屋の軒先だった。
店前の歩道には、びっしりスリランカ人が座り込み、祭りの開始を今か今かと待っている。

「あのスニーカーショップの店の先に椅子がある。そこで祭りを見ることができるんだ。もし途中でトイレに行きたくなってら、店のトイレを自由に使える。歩道の席より、高い位置にあるので、邪魔されず祭りを見ることができる。どうだい?」
軒先にプラスチック製の背もたれ付きの椅子が並べられている。
その中の最前列に座っていいみたいだ。

それでいくらなの?
「一人3000Rs.(約2500円)」
高いね。
「祭りだからね」
もう少し安い席はある?
「どうなんだろう? うちは、もうこの値段以下にはできないんだ。もうすぐ祭りが始まる。決めるなら、今だよ」


ルート上には人が集まりつつあった。
本当にもうすぐ始まりそうだ。
ここで、多少の金額をけちって見れないよりは、しっかり払ってでも確実に祭りを見たい。

OK、お金を払うよ。
「ありがとう! よい思い出になりますように」

嫁さんとの2人分で6000Rs.を払った。
今日スリランカに着いたばかりで、ほとんどこの国の物価もわかっていないので、この金額が高いのか、相場なのか、さっぱりわからない。
おそらくそこそこボラれているのだろうが、こうなったら、楽しむしかないだろう。
祭りが、始まる。



半裸の男たちが現れ、太鼓の音に合わせ、ファイヤーダンスを行う。
よく見ると、リズムも、衣装もそれぞれ異なっているので、いろんな地域が順番にやってくるのだろう。







そして、メイン。
それは、普段は寺院に祀られているブッダの歯だ。
聖なる象の背に揺られて、街を巡るのだ。



象が見え始めると、みんな総立ち。
立ち上がらねばならないルールのよう。
そして、拝み始まる。





LEDの電飾を体中につけられた象の背に、ひときわ輝く宝物!
スリランカの国宝だ!
ブッダの歯だ!
ありがたや!
南無阿弥陀仏!
南無妙法蓮華経!
南無大師遍照金剛!
オムマニペメフム!


ブッダの葉が過ぎ去っていったのちも、祭りはまだまだ続いた。
そして、人がまったく去らないので、帰ることもできず、ずっと席から延々とファイヤーダンスを見ているのだった。


終了したのは、深夜12時。
準備が悪かったので、晩ごはんも食べてないし、水も飲んでいない…。
疲れた…。



(つづく)


スリランカ酔夢行(3)キャンディでペラヘラを

2020年08月27日 | スリランカ2019

新型コロナウイルスの影響で、旅行をするという行為は、夢のまた夢になってしまった…。
せめて、過去の旅を振り返りつつ、いまは収束を祈るしかない…。
それにしても、この状況、どこで折り合いをつけていくべきなんだろう。


というわけで、スリランカ旅の続きを。







スリランカ入国から、コロンボ市内で荷物を預け、急ぐようにキャンディに来たのは、「エサラ・ペラヘラ」という祭りが行われているから。

Wikipediaによると…

ペラヘラは行列を意味する言葉で、祭り自体はスリランカ国内各地で行なわれているが、キャンディのエサラの月の新月から満月にかけての2週間で行なわれるエサラ・ペラヘラ祭は、中でも最大の規模である。
仏歯を納めた舎利容器を背に乗せた、装飾(電飾)されたゾウを先頭に、音楽隊やダンサーなどの群が街中を歩いてパレードするのがペラヘラの由来となっている。


ということで、どうやらスリランカ最大級の祭りっぽい。

かなりの長期間行われている祭りだが、旅行した時期はもう終盤にさしかかっており、ほかの街を観光してからだと、祭り最終日にギリギリ間に合うかどうかというスケジュールだった。
もちろん祭りの最大の山場は最終日であり、訪れる人出も最高潮に達するらしい。
もし宿がなかったら、移動手段が確保できなかったら、などと考えると、嫁さんを連れて移動する身としては、そんな事態は避けたかった。
祭りは見たいが人出はなるべく少ない時期ということで、入国したその日の夜に祭りを見ることに決め、大急ぎでキャンディへやってきた。





ホテルにチェックインして、のんびりしていたらもう夕方の気配が。
キャンディの中心にある湖。実は人造湖らしい。





湖畔にはショッピングモールがあった。
祭りが始まるのは夜からという情報を得たので、散歩がてら見学。
中には、VRゲームセンターも。
なんか、スリランカのくせに進んでるよね。
いや、日本が遅れているのか?
ゲームは1回200円程度だった。




寺院がきらびやかに飾られているが、祭りモードに入っているため、参拝はかなわなかった。



日が落ち始めると、町に警官の姿が多くなり始め、徐々にあらゆる道で交通規制がひかれるようになっていった。
道ゆく人も、どんどん増えていっている。
これは、早く場所取りをしなければいけないのではないか。
と、思っていたら、





もう歩道には大量のスリランカ人民が待機していた。
足の踏み場もないとは、まさにこのこと。

焦り始めて道を進んでいくと、男女別のセキュリティーチェックがあり、念入りに身体中を調べられた。
先般起こったテロを警戒しているため、異常なほどセキュリティが厳しい。
持っていたペットボトルの水も当然、没シュート。



そして、祭りが行われるであろう、交通規制がしかれたエリアの歩道は、見物客で埋め尽くされている。
これはもう自分たちが見るスペースがないのではないか。
ここまで来て、見れずに帰らなければいけないのではないか。


と最悪の状況も覚悟しかけたとき、

「ハロー」
とスリランカ人の兄ちゃんが声をかけてきた。



(つづく)


再びのテレワークへ

2020年08月05日 | 京都編集邁進道
コロナ、収まったと一瞬思ったけれど、有識者の予想通り、第二波がきた。
毎日暑くて、今日なんか京都は38℃だってさ。
マスク、外したくなるよね、蒸れ蒸れだもの。

そんなこんなで、再びのテレワークが決定。
ついに僕にもノートPCが支給されることになり、お盆明けから自宅にて勤務。

また太るようなことがないように、今度こそ、毎日の仕事終わりのビールは自重しよう。