放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

スリランカ酔夢行(12)あふたぬーんてぃー

2020年12月03日 | スリランカ2019
昨夜は久しぶりに深酒をしてしまった。
バックパックの中に忍ばせておいたウイスキーの小瓶も、すっかりと空になっていた。ホテルに帰ってきてからも、水割りで飲んでいた。

朝起きて、若干の二日酔い。
この頭痛も胃もたれも、いい感じだ。迎え酒をしてやろうと、机の上に置きっぱなしになっていた昨夜の水割りの残りを流し込んだ。
嫁さんが起きたら、コロンボの散策に出かけよう。







インド洋は波が高く、夏なのに誰一人として泳いでいなかった。




スリランカはサーフィンのメッカでもあるらしいので、いつも波は高いのだろうか。
僕らは泳がない旅行者なので、見ているだけで十分楽しんだ。
少し雲行きがあやしいのが気にかかる…。




海岸線には大勢の観光客がインド洋を眺めていた。
そのほとんどがスリランカ人だった。
この国を訪れる外国人観光客は、もっときれいにビーチでリゾートに勤しんでいるか、世界遺産巡りに熱中しているのだろう。




海岸には、スイーツ&スナックの屋台も並んでいた。
ビニール製のよくわからないキャラクターのおもちゃや凧を売っている屋台もあって、軽い祭り感覚だ。
家族や友達連れで遊びに来ているスリランカ人が、楽しんでいた。
見ているだけで幸せなひととき。







海岸沿いを歩いていると、コロニアルホテルがあった。
ゴール フェイス ホテル。昭和天皇の宿泊したという由緒あるコロンボ指折りの老舗ホテルだ。
ちょうどお腹が空いてきていたので、ここでランチ代わりのアフタヌーンティーをすることに。



ドアマンに迎えられてホテルに入ると、物腰柔らかそうなコンシェルジュがいたので、アフタヌーンティーをしたいことを伝えると、とても丁寧に会場までの道順を教えてくれた。
ビジネスだからとわかっていても、語尾に「Sir」を付けられて悪い気はしねぇな。

大理石の長い廊下を歩く。
創業は1864年。もちろん当時はイギリス領。その頃日本は、幕末真っ只中。
数え切れないほどの要人がここを歩いたんだなあと想像するのが楽しい。




アフタヌーンティーは、1人1500Rs.(1000円くらい)。
本当は、お重みたいな何段にもなったトレーで出てきてほしかったが、このホテルはビュッフェ方式だった。

それでも紅茶がなくなればお湯を入れるかすぐに聞きにくるし、食べ終わった皿はすぐに新しいものを替えてくれるサービスの良さ。さすが5つ星ホテルだ。料金よりも、こういうサービスをたまに受けると、嫁さんの機嫌が非常によくなる。昨夜、場末の酒場で酩酊していたのが嘘のよう。あれもこれも、同じコロンボだ。


スリランカ旅行をするにあたって、嫁さんにはホテルのアフタヌーンティーを約束していた。嫁さんはセイロンでセイロンティーを飲むという行為に浸っていた。僕は、インド洋の潮風と日差しを満喫していた。夫婦の会話は少なめだった。






オープンテラスの席もあったが、風が強かったので、屋内を勧められた。
天気がよければ、インド洋をより間近にお茶してみたかった。

ちなみに、この中庭には、鳥対策専門のスタッフが常駐していて、手にしたパチンコで巧みにカラスを追い払っていた。
かなりいい歳したオッサンだったが、この道ウン十年と考えると、仕事というものの奥深さを感じるね。


(つづく)