放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

鳥獣ギガ

2014年11月14日 | 京都編集邁進道

会社でチケットをいただいたので行ってきました「国宝 鳥獣戯画と高台寺」展。



噂は聞いていたが、とんでもない混み具合! 閉館前に行ったにも関わらず、入館まで60分って何だそりゃ。
本来であればブチギレて帰るところだが、いただきもののチケット。行って報告するのが義理ってもんです。並びましたとも、えぇ。



とんでもなく並ぶ。



夕方の景色が綺麗。



閉館時間を超えてもまだ外に並び続け、見始めることができたのは19時過ぎ。並んだ人は遅くなっても全員見れますとは、京都国立博物館の粋な計らいながら、もうね、おじさんの足腰はこの時点でガクガク。

ウサギやカエルを見るのにここまでかかるとは、鳥羽僧正も想像してなかったであろう。
ここまで来たら、教科書で見かけた相撲とってるやつとか、カエルに念仏あげるサルとかを穴のあくほど見てやろうと意気込むも、なんとそうした絵柄は会期後半のご開帳。
目の前にあったのは、結局初めて見るような動物のあれこれのみ。チケットの図版になってるやつ、1つも見れませんでしたよ!



今回の収穫。
鳥獣戯画は全4巻。
1匹だけ、猫が描かれている。すごい愛らしい。当然、見れていない。

今は会期後半絶賛開催中。
行列大好きな方、ぜひどうぞ。

聖者たちの食卓

2014年11月12日 | 電影




映画「聖者たちの食卓」を観賞してきた。
以前から観たかった、インド・アムリトサルにあるシーク教の総本山・黄金寺院の中の物語。
ここは、全世界のターバンを巻いたヒゲオヤジたちの聖地。

しかし、世界広しといえども、僕はここ以上に、異教徒に寛容な聖地を知らない。
相手の宗教、国籍を問わず、寺院内のルールさえ守れば、
宿泊施設に泊まることができ、24時間いつでも食事も食べることが許されている。
もちろん、すべて無料だ。
お金のなかった貧乏旅行時代、僕はこの寺院に3泊お世話になった。
日中は50℃を超す暑気のアムリトサルで、僕は寺院内の水辺に足をつけ、
多少ひんやりしている大理石の床に寝転がって、毎日世界中から訪れる巡礼者を眺めていた。
宿泊も、外国人(異教徒)は別になっており、簡単なマットレスしかないような雑魚寝部屋だったが、
入り口には警備の信者が常に立ち、セキュリティをしっかり確保してくれていた。
シーク教の教義について何一つ知らない僕でも、受け入れてくれる黄金寺院は、
やはりインドを旅した中でも印象的な存在だった。


映画は台詞がない(字幕もほとんどない)60分の物語。
スクリーンの向こう側で繰り広げられる、アムリトサルの黄金寺院の日常が淡々と映される。
見ていると、教義により頭髪を隠さなければいけないため、頭にタオル巻いて過ごした数日間がフラッシュバックしてきた。

食堂で出されるシャビシャビのカレー。
適当に放られるチャパティ。
ステンレスのターリー皿。
日に照らされた大理石の床。
中央で輝く黄金寺院。
常にスピーカーから流れてくる読経とアナウンス…。

もうすべてが懐かしかった。
インドの一都市にある宗教施設ながら、何か少し現実離れしたような存在。
々の、コミカルでもある日常につい微笑んでしまった。

いつか、あの寺院に、僕が再訪する可能性はあるのだろうか。
行きたいと思っていればいつかは行ける。
どこか旅の空で耳にしたことがあるような、言葉が希望のごとく僕の心の中にくすぶっている。




映画館入り口にあった、エア・インディアのマスコット「ミスター・マハラジャ」。
あいかわらず、僕の心をつかんで離さない。