放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

6000日!

2020年10月31日 | 京都編集邁進道
ついにこのブログも開設から6000日を迎えました。
16年以上ですよ、驚いちゃうね。
ついこの間に5000日を迎えたと思ったのに。加齢と共に、年月の感じ方も早くなるとは本当のことのようです。


Facebook・Instagramで近況は更新しているので、このブログはもっぱら旅行記になってます。
現在、2019年のスリランカの旅をアップしていっています。コロンボで呑んだら旅は終わったも同然なので、今少しお付き合いのほどを。


さーて、これからの「放浪日記」のラインナップは、


モグモグ隊 福島遠征(の続き)
モグモグ隊 讃岐うどん遠征
ラオスが誇る古都・ルアンパバーンの旅


の3本です。
これからもまた見てくださいね~!


フンガググッ(饅頭をのどにつまらせながら)




スリランカ酔夢行(10)そしてコロンボへ

2020年10月28日 | スリランカ2019
「酔夢行」なんてタイトルをつけておきながら、これまでの旅では正直呑んだくれるところまではいっていなかった。
キャンディは祭りの真っ只中だったし、シーギリヤは田舎で、外でフラフラ呑み歩けるような店がなかったからだ。
そろそろ本格的に呑みたい。居酒屋とかバーに行ってみたい。スリランカ人はどんな酒場でどんな酒を飲んでいるのだろう。
シーギリヤからは、首都・コロンボに戻って数日を過ごし(主に嫁さんのお土産ショッピング)、帰国する予定だ。飲み歩く最初で最後のチャンスがやってきた。


シーギリヤからコロンボへは、すべてバス移動。
まずダンブッラに出て、新しいバスを拾ってコロンボまで。
ダンブッラはスリランカ有数の幹線道路に面しているので、ひっきりなしにバスが通る。
始発ではないので、来たバスに乗り込むだけでいい。
ただ、どのバスも驚くほどに混雑していた。






バス車内の様子。
運よく座席を確保できたが、通路まで人がびっしり。本来ならば嫁さんと隣同士で乗りたいところだが、それもかなわず。
エアコンなんて、もちろんないので、外から入ってくる風だけが頼りなのだが、満員状態なので風通しゼロ。蒸し風呂である。




そんな混雑の中でも、子供は無邪気。





コロンボまで4時間以上かかるので、途中のドライブインで休憩。
昼食を食べる人、タバコをふかす人、トイレに駆け込む人。世界のどこでも同じ光景。
こんなところで放り出されたら…と妄想して、発車までの時間をつぶす。







中国資本で建てられているロータスタワーが見えてくれば、コロンボに到着。
コロンボ・フォート駅の付近でバスを降ろされる。
ここからオートリキシャを拾って、荷物を預けていた高級ホテルに向かった。




コロンボ1とも呼ばれるフォート地区にそびえる5つ星ホテル「ザ・キングスバリー」!



コロンボ有数の高級ホテルだが、実はここ、この旅の4か月ほど前に、コロンボ市内で発生したスリランカ連続爆破テロ事件の現場となった場所でもある。
テロ発生によって外務省の危険レベルも上がり、一時は旅行できないかと思われたが、スリランカ政府・警察の対応がよかったのか、その後テロは起きておらず、無事に旅ができるようになった。
ただ、さすがに現場になったホテルは客が寄り付かないのか、おそろしいほどに値下げをして客足の回復を目指していた。
テロからの復興支援という名目、実際はいいホテルに安く泊まりたいという一心で、今回のコロンボ滞在は「ザ・キングスバリー」にした。
もちろん嫁さんはめちゃくちゃ心配していたが、同じホテルに連続でテロは起こらない。逆にセキュリティが’しっかりしているから安全。と言い聞かせ、連れてきたのだった。




ホテルの出入口は正面エントランス以外すべて封鎖されていて、出入りするゲストは都度ものものしいセキュリティチェックを受けなければならなかった。
もちろんしっかりしたホテルのスタッフなので、物腰もやわらかで、嫌な気持ちになることはないのだが、1日に数回、バッグの中を見せたり、身体を金属探知機でなぞられたりするのは、非常に面倒臭かったのも正直なところだ。




大理石の床に、薔薇が映える。
花はもちろん生花。芳しいローズのかほりが廊下に満ちる。
ホテルは外国人旅行者の数よりも、結婚式やパーティなどで利用しているハイクラスのスリランカ人が多かった。サンダル履きでウロウロしているのが、少し恥ずかしくなる…。





バイキング形式の朝食は、ホテル1階のバーレストランで。
プールに面したレストランが本来の朝食会場なのだが、先述したテロは、朝食時レストランを狙ったものだったらしく、会場は吹き飛んでしまい、現在は使用できない状態だった。
こういう真実を伝えることは、いらぬ心配をかけてしまうことになるので、「お紅茶おいしいざます」とモーニングティーを楽しむ嫁さんには黙っておいた。



テロの現場となったレストラン。
ガラスは入っているものの、中には何もない。




プールサイドには、スリランカのリッチファミリーがバカンス。
家族でひと泳ぎする横で、僕は、温泉のようにプールに浸かる。


ホテルはあまりに快適なので、ついこのまま過ごしてしまいたくなるが、何より身体はアルコールを欲し始めている。
さて、飲みに行くか。


(つづく)



スリランカ酔夢行(9)岩上に残る夢の跡

2020年10月15日 | スリランカ2019

今回のスリランカ旅の最大の目的地は、シーギリヤロック。

初めてその存在を知ったのは「世界ふしぎ発見」か「なるほどザワールド」だったかもしれない。岩の上に作られた王宮というその存在感。一度訪れてみたかった。

 

Wikipediaによると

5世紀にカッサパ1世によって建造された、要塞化した岩上の王宮跡と、それを取り囲む水路、庭園、貯蔵施設などの都市遺構からなる遺跡。岩山の中腹には『シーギリヤ・レディ』として知られるフレスコの女性像が描かれている。当初は500体ともいわれたが、風化が進み現在は18体だけが残る。シーギリヤロックは火道内のマグマが硬化して出来た岩頸で、形状は楕円柱、標高約370m、岩頸そのものの高さは約195m、全方位が切り立った崖になっている。

 

ということだ。

宿泊する岩見荘の屋上テラスからすでに拝んでしまっていたものの、やはりいざ自分がそこにいると思うとドキドキする。遺跡にこれほどビンビンになっているのは、いつぶりのことだろう。

かつてインドを旅していた時、そのついでにスリランカにも足を延ばそうと考えたことはあったが、当時はシンハラ人とタミル人の内戦・衝突が散発的に発生しており、インドからの海路が閉ざされていたこともあり、あきらめていた。

それだけに、今回は楽しみなのだ。

 

岩見荘のパパに車で入口まで送ってもらって、いざロックへ。

入場料は、外国人30USドルに対して、スリランカ人は30円程度。その差、100倍だ!

いままでいろんな遺跡に行ってきたけれど、世界屈指のエゲツない料金差に唖然となる。若気に満ち溢れていた頃は、もしかすると裏口を探したかもしれないが、嫁さん同伴では払わざるを得ない。二人で60ドル払いましたよ。

 

 


遺跡公園内に入ると、いきなり見えちゃう巨大岩。道案内もなにもないけれど、まっすぐ歩けばいいってことは、誰もが分かる。

 


 

ウ●コみたいな形の注意書き。
さまざまな国の観光客が来るだけあって、すべてピクトグラム。
それにしても注意すること、多すぎない?

 




岩の下まで来ると、なんとそこにはものすごい行列が。
いままでいろんな行列に並んできた日本人としても、岩登りの行列は初めてだ。観光客は、中国人3割、スリランカ人3割、そのほか4割という感じ。



日差しの関係で、日陰となる午前中がベストというガイドブックを鵜呑みにしてやってきたけれど、この人混みが暑さよりもしんどいわ。
後日、午後から登った人に話を聞いたが、まったく混雑してなかったとか。
暑かろうが、シーギリヤは午後に限るのではないか。


Wikipediaにも書いてあったが、途中の岩肌には、シーギリヤ・レディと呼ばれる美人壁画があった。昔は写真撮影もできたっぽいけれど、今は完全禁止。警備員がしっかり彼女をガードしている。
しかしその容姿はさすがに綺麗でござんした。





そして次に出てくるのが、ライオンの足。
かつての王宮の入口だったといわれるところだ。
朽ちる前は、ライオンの顔もあって、口の中へ入るようになっていたそうだ。
これこれ、これが見たかったのよ。

ただ、上の写真、人がいないところを撮ったもので、ここも当然のようにめちゃくちゃ人で混雑している。



上までずらーーーーり。


実は僕は高所恐怖症。
観光名所としてありがちなタワー類にも、金を出して登る気がしれない。
スカイツリーも通天閣も京都タワーも、いまだ登ったことはない。
このシーギリヤロックは階段があるので、高所恐怖症が発生しないと思っていたが、このライオン足から王宮へのほぼ垂直の階段が、腰が抜けるほど怖かった。
いったいいつ造られたのか分からないグラグラの鉄階段。当然スケルトン状になっているので下は丸見え(上も丸見えなのでスカートの方は注意)。さらにそこに行列が重なり、これだけの人の体重をこの鉄パイプ階段で支えることができるのかと考え始めると、もういけない。シーギリヤロックは周りを遮るものがなにもないため、岩肌をもろに強風が吹き抜けていく。ただでさえグラグラしている階段が、風で揺れるわ、人の動きで揺れるわ。
いまだに思い出すだけで、手の平が汗ばんでくる。
頂上に行くには、この階段しかないので、高所恐怖症の人は覚悟して来るべし。


そして、ほうほうの体で頂へ。




見渡す限りのスリランカの森林。
さっきまでの恐怖をすっかり忘れるくらいの心地よさ。
ただ、遮るものが何もないということは、直射日光も襲いかかる。

暑いのよ。



日陰では犬も寝る。
っていうか、犬よ、お前はあの階段を登ってきたのか?


王宮跡は、まさにもう廃墟で、土台やレンガなどが残るのみ。
こんな岩の上に王宮を造ろうと考えるやつは、よっぽど狂ってるとしか言いようがない。造らされた数多の庶民もやるせなかっただろうなあ…。

頂には、カフェもなけりゃ、ドリンク売りもいないので、一通り巡って景色を眺めて、帰路に着いた。


百聞は一見にしかずという言葉通り、シーギリヤロックがあんなに急な階段なんて、初めて知ったわ。




帰りの駐車場にいたトカゲ。
現地では普通にいる。地元民は誰も見向きもしない。






ちなみに、これが岩見荘からの眺め。



カメラの性能のせいでけっこう小さく写ってるけれど、体感的には非常に近い。頂にいる人の数もカウントできるくらい。


シーギリヤロック、一度は行ってみたかった場所。
ただ、もう登んないだろうな。ビール飲みながら見るだけで満足しちゃう。



(つづく)

スリランカ酔夢行(8)岩見荘に泊まる

2020年10月14日 | スリランカ2019

ダンブッラで偶然拾ったトゥクトゥクで、シーギリヤに到着した。

バスも頻繁に出ているという情報だったし、比較的近いのではないかと勝手に想像していたが、案外距離があった。ダンブッラの黄金寺院→ダンブッラ市内で待機→シーギリヤのホテルまでで800Rs.だったら安いのではと思った。

シーギリヤまでの道中で、ドライバーの兄ちゃんはしきりに貸切観光を薦めてきたが、後ろを振り向いて営業してくるのは閉口した。

「シーギリヤは俺の庭みたいなものだ」と豪語していたが、行きたいホテルがどこか分からないようで、地元民に尋ねることを繰り返し、ようやく予約していたホテルにたどり着いた。

 

 

 

 

 

宿泊したのは、岩見荘。

 

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漫画家・東條さち子さんが経営するゲストハウスだ。

 

スリランカを旅したのは、2019年4月に起こったテロ事件の後ということもあり、海外からの旅行者が少なかった。日本人をメインターゲットにするこの宿も、影響を受けており、宿泊客は僕らのほかには一人だけだった。

ちなみにこの一人とは、友人の彼女で、たまたまこの時期にスリランカを旅していることを知り連絡を取ったら、この宿で落ち合おうということになったのだった。予約も、すべて彼女にしてもらっていた。

 

世界遺産を有するシーギリヤには数多くの宿があるが、この宿のコストパフォーメンスは非常に良かった。

リスや鳥が遊ぶ広い庭、フレンドリーだけど干渉してこないホストファミリー、洗濯機(有料)、シーギリヤロックを望む屋上テラス(当時は改装中)、無料の朝食、有料だけどボリュームたっぷりのディナー、ビールも冷えていた。そしてなにより、部屋が快適だった。

 

 

気付いたら部屋の中に蟻が入り込むという、アジア宿のあるあるも、この宿では無縁。ドア、窓もぴったりと隙間なく機密性高い。浴室はジャグジー付きのカプセルバスがあり、女性も満足間違いなし(使用方法は少々ややこしいが)。エアコンを効かせながら惰眠をむさぼることもできるし、早朝や夕暮れどきにシーギリヤロックを眺めながらビールを飲むこともできた。

これで2人で3,000円以下で泊まれるのだから。

 

ホストファミリーは、東條さち子さんと共同で宿を経営しており、ほかにもエレファントライドやカフェも経営しているやり手だ(行かなかったけど)。シーギリヤロックの往復や帰路のバス停までは車も出してくれる(ダンブッラに買い出しに行く際に乗せてもらった人もいるようだ)。

 

これまでいろんな宿に泊まってきたけれど、指折りの快適な宿だった。

1泊して次の目的地へ行く予定を変更したほど。

 

宿から特に何を言われているわけでもないけれど、快適な宿だったのでおすすめ記事を書いてしまった。

もし自分が長旅だったら、もう数日のんびりしたかもしれない。ドミトリーなどはなさそうだった。

 

 

(つづく)