LEAP/E2020の33号を読んで今後の為替動向について考えてみた。
G20ではおそらくたいした進展はないだろう。ロシアはかなり具体的に新通貨システムの提案を行うらしいが(モスクワタイムズの記事による)、英米に受け入れられるとは思えない。よって、G20以降は、E2020の予測のごとく、急速に事態が進展するだろう。
今は一時のベアマーケットラリー(デッドキャットバウンスとも言う)によって上昇しているが数ヶ月も続かないだろう。5月にもなれば間違いなく次の段階が見えてくる。それはやはり英国の財政状況の急速な悪化によるポンドの下落の開始だろう。またドルは金融不安の一時的な弱まりで、ドル買いのテンポが遅くなっているが、今後は米国債懸念からの下げも加わって、ドル安傾向を強めて行くものと思う。
円はそれでは円高になるかというとそれは疑問だ。すでに海外の論調はスイスの為替介入によって決定的に変化してしまい、安全通貨の円買いというムードはまったくなくなった。だから、ドル安・ポンド安につれて円安も進むだろう。E2020も、スイスフランと円は買うなと言っている。レートで言えば、ドル円・ポンド円は横ばいか若干の上昇、ユーロ円、オージー円が上昇というところではないか。
夏を過ぎて、ポンドやドルの凋落が決定的になったら、ポンド円、ドル円も下がり始める可能性もあるだろう。ただ、日本の財政状態についてはいろいろな論が並立していてひじょうに判断しがたい。もうすこし状況が進まないと、円がらみの展望はしにくいというのが現状である。
| Trackback ( )
|
|
|