FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



ドル円は85円ぎりぎりまで行ったが、ここから先はさすがに上値が重い。テクニカル的にも、ファンダメンタル的にも、さらにもう一段の動きが必要だ。やはりもうすこしの時間と、ファンダメンタル的要因が合わさってから90円に進むことになるだろう。
 
来年、米国の景気がかなり回復し、ドルの短期金利が相当に上昇してくると、日本の機関投資家が外債投資をする際に行ったドル売りのヘッジを外す(=ドルの買い戻し)必要が出てくる(FX用語で言えば、金利上昇でドル円ショートのマイナススワップが大きくなるので、その分のヘッジコストが上昇するのを避けなければならない)。また、逆に外国人投資家は、日本株を買う時に、ドル買いのヘッジをして、将来の円安に備えることになる。どちらもドル買いの動きとなり、一挙に円安が進行することになるはずだ(若林『黄金の相場学2005~2010』2004・講談社)。

若林氏はその動きは来年後半からとするが(若林・新刊・164ページ)、時期の予想はともかく、もしその理屈が正当なら、日本の円安のスタートダッシュは、米国の短期金利の動向を見ていれば読めることになる。米国の貨幣乗数も0.9を再度超えてきたが、まだまだ底を這うような景気の状態である。来年一年かかって、この米国の状況をさらに注視していきたいと思う。為替は常にそうであるが、最後は、ドルの事情で動くものである。

本年のブログ更新は本日までです。年末は例年のごとく、ちょっと出かけます。新年は6日より更新を再開します。どうか皆様、よいお年をお迎え下さい。


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ドル円は3月の84.18円を超えるには超えたが、抜けてH&Sの肩を過ぎるところには及んでいない。このラインはかなり強いレジスタンスになっている。この上にも85円から86円は大きな壁であり、抜けるには今少しの日柄が必要のようである。年末年始はレンジ内の動きに終始するように見える。

ところで、今日は、注文しておいた若林氏の新刊(前のエントリーで紹介)が来たので、読んでみたが、相場予測だけでなく、彼一流の考え方によるインフレ到来の説が書いてあり、きわめて面白かった。氏のここ十年くらいの本で一番面白いかもしれない。世にある経済学者・経済評論家の説は、自分で相場を張っているわけではないので、相場についての意見にはどうも??というところがある。今回の本は理論的な側面を強く押し出したもので、まさしく「相場師の経済学」とでもいうべきものだ。

ただ、内容を精査してみると、以前の本の予測とはかなり食い違っている点も多い。その点、若林氏の本を読む場合、特に注意が必要だ。自信たっぷりに日柄や予測が書いてあるので、信じ切ってしまう恐れがある。相場予測の当否はともかく、いろいろと考えるヒントを与えてくれる本である。


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今日の日銀は、10兆円緩和増加という程度で、焦点のインフレターゲットは先送りとなった。しかし、やはり、安倍政権の金融政策は、2パーセント程度のインフレターゲットを設定し、日銀とアコードを結んで金融緩和を推進するということになりそうだ。これに対しては反対意見も多いが、安倍氏は、イェール大学名誉教授の浜田宏一氏を経済担当の内閣官房参与として起用し、そのアドバイスを受けるという報道がされている。

ということで浜田氏の意見は今後を占う上で極めて重要なのであるが、幸い、浜田氏が一般向けにわかりやすく氏の金融政策の理論を解説した本が出版された。中身は、氏の旧著(『伝説の教授に学べ』)の内容と実質的には大差はないが、より激烈に日銀批判がしてあって、何が問題なのかはよくわかる。どういう方法で安倍政権が金融緩和を行っていくかについての大概を知ることができるという点で、おもしろい本である。やや内容には繰り返しなどが多く冗長な部分もあるが、このような大家がこういう本を出すこと自体、日本的には珍しいことだ。それも含めて一読しておくのもいいだろう。

下にまたリンクを張っておくのでご参考までに。

アメリカは日本経済の復活を知っている
浜田宏一
講談社


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米国景気の指標のひとつである10年債の利回りが急上昇してきた(価格は下落)。買われすぎと言われつつ、なかなか上昇しなかった利回りが上がってきた理由は、財政の崖の解決に希望が出てきたためであろう。

まだもう少しの紆余曲折はありそうだが、相場は先取りがその本質、基本的には米国が上向いてきたという認識は持っておきたいと思う。財政赤字の大きさや、QEの連続によるドルの希薄化の懸念で、大きな危機を想定するむきもあるが、現状、回復へ向かうという可能性のほうがかなり高くなってきたと見ざるを得ない。

10年債利回り上昇はダイレクトにドル円の上昇につながるのであり、ドル円も今日の夜まで前回高値を上回った状態が続けば、さらにもうすこし上を狙うだろう。P&Fで見ると、86円あたりに非常に強いレジスタンスがある。90円に向かう前にここで止められる可能性が高いが、85円台は1月までには届きそうな按配だと感じる。次の大きな下げはいったん85円台に達してからと見ておきたい。



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安倍政権期待で株が上昇しているが、来年は株もよい年になりそうだ。相変わらず欧州は不安定だろうが、米国がそろそろ立ち上がろうとしてるため、世界的に影響を及ぼす巨大リスク要因が発生することはないだろう。日本は円安が進むため、徐々に経済の活力が復活してくる、そんな年になると思われる。

そのあたりを詳述した、このブログで一押しの為替評論家の若林栄四氏の新刊が出るようだ。コメントでご紹介いただいたので、早速、下にアフィリエイトリンクを張っておく。
 
今年もおかげさまでそこそこamazonのアフィリエイトをご利用いただき、このブログのサーバー利用料金程度は十分にまかなうことができた。来年もよろしくお願いします。^^


不連続の日本経済
日本実業出版社


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選挙の結果は事前予想どおり自民党圧勝に終わった。この選挙の、歴史上における位置についてはすでに書いたので繰り返さないが、相場用語を使っていえば、まさにテクニカル上の転換点に、ファンダメンタルがついてくるという感じだ。相場の転換点はしばしばボラティリティが高くなる。前回の民主圧勝、今回の自民圧勝という、ハイボラティリティを見ていると、今がまさに歴史の転換点なのだと実感する。

さて、噂で買って事実で売るという通り相場で言えば、選挙が終わって、同時に円安相場もそろそろ終わりということになるが、今回ばかりはもう一息ありそうな気がしてきた。やはり先週末のドル円が83円半ばで下げ止まっていることが気になる。年末の相場が薄くなったところでさらに一儲けという投機筋の動きがもうしばらく続くのではないか。今年一年は、相当に難しい相場で、いろいろなヘッジファンドもかなり苦戦しているようだ。クリスマス休暇に入る前に一動きがあると見ておきたい。

とはいえ、ここからの円売りは完全にチキンレースとなる。ストップを切り上げて、どこでも逃げられるようにしておくのがよいだろう。早めに逃げて、ゆっくりと年末を過ごすのもよし、早めのお年玉を狙うのもよし、このダイナミックな相場を見ながら、年末の仕事納めまで乗り切りたいと思う。


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相変わらずの円売り相場になっている。日足でトレードしている方の多くは、それなりの益が出たポジションを保有しているはずである。長期はともかく、当面、どこで利確するかむずかしい判断を迫られることになっている。

値では前回高値の84円あたりがまずはメドになると思われ、そこまで行けば、まずは利食うトレーダーが多いはずだ。時期で言えば、総選挙結果を待つかどうかが最大の問題だ。自民圧勝でさらに円売り加速というパターンも考えられるし、とりあえず選挙前でポジション調整もあり得る。あとは、クリスマス休暇のポジション調整も考慮しなくてはならない。

悩ましいところだが、各自算定した確率に応じて、分割トレードしていくしかないだろう。自分としては、この後、来年中に、ドル円90円は超える、ただし、そこまでの間で80円ぎりぎりをうかがうという大きなシナリオで、あとは時期を考えながら、適宜、駒を置いていきたいと思う。当該ペアの値が底なしでなければ、そして、むやみにポジションを増やさなければ、(株と違って倒産のない)FXは理論的に必勝のトレードである。


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前から噂のあった米国系金融ブローカの廃業であるが、3日になって米国GFTの廃業が発表された。国内でもGFT系のシステムを使っていたFXやCFDの業者が軒並み撤退を迫られることとなっている。


http://www.gftforex.co.jp/announcements/default.aspx

 
ネット上で分かった有力なところでは、ドットコモディティ・SBIのCFD、efx.comのFXとCFDが間違いなく撤退のようで、GFTを使っているインヴァストのCFDなどもまだ発表がないが、撤退の可能性が出てきた。今後も証券系のFX業者でも撤退するところが増えると思うので、GFTのそれぞれの業者のサイトには気をつけておくことである。

米国における金融規制の影響であろうが、今後も外資系のブローカーの撤退は考えられる。十分に注意しておきたい。


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総選挙、ミサイル発射、米雇用統計とイベントが先にあるために膠着した相場となっている。まだどちらもあり得るが、前にも書いたように7/3くらいで、もうしばらくドル円上昇ではないかと考えている。やはり選挙・クリスマス前までは引っ張って、例のごとく、正月で円高という動きを第一シナリオとしている。

シカゴIMMは8万枚以上の円ショートでここしばらくの最大値に至っているが、過去の円売りが盛んだった当時は10万枚以上で推移していたのであるから、相場が本気になればレジスタンスを越えることはあるだろう。Abeの名前はすでに外国の市場では有名になっているそうであるし、投機的円売りの勢いがもうしばらく続くことを予測したい。

それともうひとつ面白い話題があった。国内個人の客は、この円安で、過去につかんだ塩漬けの外貨預金を円転しているというのだ(つまり円買いに働く)。以下、ロイター記事より抜粋。

「この大手信託銀行の関係者によれば、個人の外貨売り(円転)ニーズが強いという。「外貨預金を保有している個人が今般の円安局面で外しに来ている。個人の顧客なので1つ1つの金額は大きくないが、それなりに数は増えてきている」と話している。」

過去につかんだ外貨預金が円高で大きく元本割れしている人が多いはずだが、その人達がこの円安で少しは損が減るということで、解約しているということになる。「安倍バブル」などというマスコミの報道にだまされているとすれば、罪深い話だ。我々、これから円安になると考えているFX投資家からすればなんとももったいないことだが、これが実情のようだ。ましてや、この冬のボーナスで、外貨預金をしようという人はまだまだ少ないと思う。

ということで、現状、海外のファンドの投機資金による円売りが中心の相場であり、まだまだ波があるだろう。しかし、本格的に国内勢(企業・個人)が動き出せば、急速に円安になると考えられる。





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週末の読書で、ヒトラーの『わが闘争』(上・下・角川文庫)を読んでみた。名前だけは知っているが読んだことのない書物というものは多くあるが、これも初めて読んでみたものだ。今の日本の政治情勢の中で、誰かをヒトラーに例えるような言説もあり、この有名な本は本当はいったいどういうものか興味があったからである。
 
結論的には、これはやはり恐るべき本であった。よく言われるように、政治宣伝のたくみな方法のあり方、国家における教育の意義、当時のドイツおよび欧州の分析など、随所に興味深い内容があり、現代に通じる問題意識がある。また、私が特に興味を持ったのは、現代のいわゆる陰謀論の祖形がここにあったことだ。シオンの議定書、フリーメイスンなどのキーワードをもとに、ユダヤ人の陰謀を論じていくスタイルには興味深いものがある。ある程度は知識として知ってはいたが、実際に読んでみると生々しい。
 
アーリア人種の絶対的優越性を述べる世界観、ユダヤ人に対する徹底的な悪罵の姿勢など、現代ではまったく認められないものが多いことは言うまでもないが、政治に関わる人間には、必読書であると断言したい。マキャベリの『君主論』、ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』などと並んで、絶対権力者とはどういうものかということを知るための有力な教材だろう。小党分立の状態だった当時のワイマール共和国の情勢と現代日本の政治状況には確かに共通性がある。これからの日本を考察する上でも、欠かせない書物であろう。

さて、本題の、為替については、ドル円、上下どちらもあると思う。可能性はここから、上が7で、下が3というところか。自分はここでは積極的円買いはしないで、ドル円が、下に落ちたら買う、上げたら売るの繰り返しとしたい。


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