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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

レハール 喜歌劇「メリーウィドウ」/カラヤン&BPO他

2006年01月02日 23時41分07秒 | クラシック(一般)
 今夜聴いているのは「メリー・ウィドウ」です。オペレッタの世界では、ヨハン・シュトラウスが活躍した19世紀後半を俗に「金の時代」といい、それからやや下って、20世紀初頭頃ハールやカールマンといった人達が、当時やや盛り下がっていたオペレッタの魅力を再び開花させた時期を先の「金の時代」と並べて「銀の時代」といったりしますが、この「メリー・ウィドウ」は、銀の時代最大の名作です。おそらくシュトラウスの「こうもり」の次くらいに有名なオペレッタになるんじゃないでしょうか。

 ただ「銀の時代」の音楽はある意味で、その後のハリウッドのミュージカルや映画音楽などのルーツになっているだけあって、その甘美さといい、旋律といい、音楽的にはほぼ完全なポピュラー・ミュージックの範疇と捉える向きも多く、シュトラウスまでは振るが、レハール、ましてはカールマンとなると、とたんに見向きもしない指揮者が多くなるのは、そういう理由もあるんでしょう。このアルバムの凄いところは、「大指揮者が振るにはちと相応しくない....かもしれない作品」をカラヤンが振っていて、それこそ究極といっていいくらいに素晴らしい演奏を展開していることです。

 さて、この作品でもっとも有名な部分は、第1幕の終盤近くで奏でられる俗に「メリー・ウィドウ・ワルツ」と呼ばれるところでしょう。「とろけてしまいそう....」としか形容詞が思いつかない甘美な旋律は絶品で、正月のような浮かれた気分で酒でも飲みながら聴くと、ほとんど陶酔的な気分になってしまいます。銀の時代はほぼ新ウィーン楽派の時期と一致していますから(金の時代はブラームスの頃)、音楽的にはワーグナーをルーツとする半音階的手法なども多用しているようで、そのあたり私の好みに合うのかもしれませんが....。カラヤンはこうした側面をある意味で強調した格調高いロマン派の作品として演奏しているかのようです。例によってレガートを多用したエレガントな演奏ですが、これがなんともレハール的の世界にマッチするんですね。もう最高。
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ニュー・イヤー・コンサート2006/ヤンソンス&ウィーン・フィル

2006年01月02日 00時55分31秒 | クラシック(一般)
 ニュー・イヤー・コンサートの中継をみるのは何年ぶりになるかよく覚えてないですが、熱心に観ていたのは80年代後半から90年代くらいの、アバド、カラヤン、メータ、ムーティ、そしてクライバーといった人達が初登場した時期で、メータ、ムーティ、マゼールあたりが度々リピートするあたりからあまり観なくなってしまい、先ほども書いたようにアーノンクールも小澤も観逃してますから、ひょっとすると10年振りなのかも....。今年はマリス・ヤンソンス初登場ということで、久しぶりに観てみました。

 演出は相変わらずブライアン・ララージで遠景と近景ほどよくスイッチし、聴き所となるとクローズ・アップを多用するというスタンダードかつ非常に音楽的なもので、途中バレーが登場するのも昔と同じ趣向で、ずいぶん久しぶりなのに、なんかホームグラウンドにでも戻ったような気分で、例の「豪華なくつろぎ」を堪能しましたが、初登場ヤンソンスについて私はなんにも知らないので、ひょっとした的はずれな印象かもしれませんが、音楽に推進力があって、作りはけっこう大柄でシンフォニックというあたり特徴らしきものを感じました。近年のこのコンサートの指揮者ではメータあたりの重量級のサウンドに、思い切り褒めて書くとクライバー的なドライブ感、スピード感プラスしたような印象といったらいいですかね(ついでに、エドゥワルドの「電話ポルカ」の携帯電話を使った小技も熱演。いいぞ、ヤンソンス!)。

 なので、どちらかという早いポルカ系の作品の方が良かったかな。ワルツの方は無理にドライブさせないで、ウィーン・フィルのリズムにまるごと体を任せてしまっているようなところがなきにしもあらずでしたから、普通に良い演奏という感じ。初登場の「フィガロの結婚」序曲もけっこう骨太で壮麗な演奏でしたし、「こうもり」から主題をとったワルツ「お前同志」もクラウスやボスコフスキーの軽快な演奏に比べると、実にゴージャズでグラマスな演奏でした。
 総体的に演奏曲目はけっこう渋くて「外交官のポルカ」とか同「女性への賛美」とか、けっこう知らない曲ありました。」同「入れ江のワルツ」や既成曲のメドレーで演奏した「芸術家のカドリール」なんてところは多分初めて聴いた曲だったと思います。

 しかし、ウィーン・フィルのメンバーかわりましたねぇ。そんなに克明に覚えている訳でもないですが、10年前とは相当数入れ替わっているようなで、若い人が多いのも驚きでした。打楽器の人なんてまるで違っているし、女性メンバーも観たことない人ばかりでした。
 という訳で来年は誰なんでしょうね。ヤンソンスが出てくるのだから、ラトル、シャイーあたりは出てもおかしくないと思うんだがなぁ。やっぱメータあたりかなぁ。個人的にはフランツ・ヴェルザー=メストとかティーレンマンあたり登場してもらいたいんですが....ちと華がないか。


<第一部>
01. ねらいをつけろ(射撃者同盟行進曲)op.478
02. ワルツ「春の声」op.410
03. 外交官のポルカ op.448
04. ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ「ことずて」op.240
05. ポルカ「女性への賛美」op.315
06. ワルツ「芸術家の生涯」op.316
07. ポルカ「憂いもなく」op.271(ヨーゼフ・シュトラウス)

<第二部>
01. ジブシー男爵の入場行進曲
02. 「フィガロの結婚」序曲(モーツァルト)
03. ワルツ「モーツァルト党」op.196(ヨーゼフ・ランナー)
04. ガロップ「愛のメッセージ」
05. 新ピチカート・ポルカ op.449
06. 芸術家のカドリール op.201
07. スペイン行進曲 op.433
08. ワルツ「お前同志」 op.367
09. ポルカ「クラップフェンの森にて」 op.336
10. 狂乱のポルカ op.260
11. 電話ポルカ op.165(エドゥアルド・シュトラウス)
12. 入り江のワルツ op.411
13. ポルカ「ハンガリー万歳」op.332

アンコール
01. 山賊ギャロップ op.378
02. ワルツ「美しく青きドナウ」 op.314
03. ラデツキー行進曲 op.228(ヨハン・シュトラウスⅠ世)
コメント (3)
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