和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

権力と信頼。

2011-06-21 | 短文紹介
猪瀬直樹著「言葉の力」(中公新書ラクレ)を読み、この興味から、
月刊雑誌「潮」7月号を購入。ここに六ページほどの猪瀬氏の文があるのでした。
そういえば、潮出版社から猪瀬直樹氏の本が出たらしい。
さて、雑誌での猪瀬氏の文を追ってみます。

「昨年秋、僕は小泉純一郎・元総理に会った。小泉元総理は次にように語っていた。『野党の人は、権力をもてば何でもできると勘違いしてしまう。権力半分、信頼半分だ』。菅総理をはじめとする民主党の面々は、上から命令すれば何でもできると勘違いしているのではないだろうか。・・・プロジェクトチームを作って官僚と議論したり、安全保障会議で自衛隊の幹部とじっくり話し合う。議論を重ねて納得してもらったうえで命令を出さなければ、組織は動かない。」(p76)


この「信頼半分」の欠如。
信頼がなくとも、総理が続けられる現実。
安全保障会議については、文の先にでてきます。
はじまりは、こうでした。


「3月11日、東日本大震災が起きた。震災後の菅直人総理と民主党政権の対応を見ていると、あまりのリーダーシップの欠如に愕然とする。・・・政府が安全保障会議を開き、きちんとした議論を経て決定しているわけではない。文民統制が機能していない。というか知らない。・・・総理が幹部と話し合い、自衛隊の実情を確認する。いざというときには、安全保障会議を開いて自衛隊に指示を出す。こうした手続きを踏まえるのは文民統制の基本なのに、菅総理は文民統制の入り口にも立てていない。・・まず真っ先に自衛隊の幹部を呼び、安全保障会議を開くべきだった。そうした手続きを無視した結果、菅政権がやることはことごとく後手後手に回っている。」(p74~75)

福島第一原発の事故処理に対する記述も引用してゆきたいのですが、
ここでは、とばして、

「震災直後からの電力不足対策でも、民主党政権は右往左往した。・・・政権がリーダーシップを発揮して電力のピークカットを行わなければならない。石原知事が震災直後から『政令を出せ』と言っていたのに、民主党政権は全く意味がわかっていなかった。
蓮ホウ・節電啓発等担当大臣は、電力の使用制限を実施するための政令・省令が存在することをまったく知らなかった。・・・特定業種規制について、具体的に記されている。政令・省令に基づいて規制を実施するためには、経済産業大臣が政令を運用する告示に日付を入れるだけでいい。こうした法的手続きについて、『節電啓発等担当大臣』がまったく知らなかったというのだ・・・」(p76)

ちなみに、この文章の最後は

「多くの日本人が、震災をきっかけに『国家』を意識し始めた。日本人が『新しい公共性』を培い、優れた政治リーダーを生み出すことが『国難』の克服の道である。」


潮出版社から出たという猪瀬直樹氏の本を、つづいて読みたくなりました。

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