市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

千葉県こども病院 視察

2012-09-05 | 健康・医療
今日から9月議会定例会が始まりました。

実は議会棟は7月から耐震工事が行われていたのですが、その際、つり天井の不具合が発見されました。
万が一地震の際に天井が落下する危険性が高いということで、議場に入るときはヘルメットの携行、さらに傍聴者の入場は原則禁止となりました。
そこで今日、災害に関する特別委員会の後に委員皆で議場の屋根裏に入ってみたのですが、つり天井をつってある金具が何か所も外れていました。

トップの写真は傍聴席から見た本会議場です。
いつも入場する度に、「こんなに立派じゃなくてもいいのに・・・」と思ってしまいます。



さて、今日は昨日訪れた視察先、
午前中の消防学校に引き続き午後にお邪魔した千葉県こども病院の報告です。



場所は消防学校から車で5分ほど。すぐ隣にはリハビリセンターがあります。

院長の伊達先生から説明を受け、院内を案内していただきました。

県立こども病院は昭和63年に県が開設した、独立型の小児専門病院です。
このような形態の病院は全国に16か所あるのだそうです。
診療部門は計24科、平成24年4月から新たに周産期センターを開設し、合計224病床です。

子どもの人数は減っても小児医療のニーズは高まる傾向にあるのですが、県内の小児科標榜医師数は15歳未満人口10万対71.0人と、全国平均88.7人を大きく下回っているというお寒い状況です。
ちなみに市原市の小児科医は23人です。
小児科を希望する医学生は増える傾向にあるのですが、その一方で激務と不採算性が原因で小児科を標榜する病院は減っているため、小児科医は一極集中化の傾向にあるのだそうです。

虐待の事例も毎年25~30例扱っています。
病院では、虐待に対応するためのチームを作って体制を強化しています。
近年は、身体的虐待よりも精神的虐待が増える傾向にあるそうです。


こちらは、新しくできた周産期センター内のデイルーム。


周産期とは、出産前後の期間のことを言います。
妊婦健診などで胎児に重篤な疾患が見つかった場合、こちらのセンターにあらかじめ入院して分娩を行うことで、出生直後から高度な医療を受けることができます。
これで、妊婦さんも安心して出産に臨むことができますね。


こちらのベッドは、いざ出産という時にすぐに分娩用のベッドに早変わりするそうです。

他にも、NICU(新生児集中治療室)や入院病棟などを案内していただきました。

トトロの猫バスの移動用ベッドがカワイイ!(^^)




伊達院長のお話の中で印象に残ったことはたくさんあったのですが、

まずは、看取りの問題。
亡くなる前のお子さんとご家族が最後に一緒に過ごす場所をどこかに確保してあげたいのだが、構造上の問題でそれが叶わず、いつもジレンマを抱えているのだそうです。
そもそも日本の病院は、その多くがこの視点で設計されていません。
病院である以上、回復する一方で必ず亡くなるケースがあるということは、誰しもわかっていることなのですが・・・。

それから、成育医療について。
これは比較的新しい概念だと思います。
胎児から成人して次の世代へ繋ぐまで、そして高度医療の提供だけでなく、家庭への支援、障がい支援、地域への支援など、子どもの生育を包括的に支援するというものです。
子ども病院は基本的に小児に対する医療を提供するところなのですが、赤ちゃんの頃からずっとかかわってきた子供が成長したからと言って、そう簡単に別の医療機関には移れないというのが常なのだそうです。
本当は小児専門病院よりも、総合病院として大人になってもずっとフォローできる体制が理想であるし、できれば成育医療の概念がもっと広がってほしいと伊達院長はおっしゃっていました。
日々成長する子どもと向き合っていると、その子から医療の部分だけを切り離して関わるということに、限界を感じることが多いからなのでしょう。


実は、子ども病院へは16年ほど前に長男の障がいの診断のために訪れて以来でした。
重い病や障害を背負った子供を抱えてこの病院に通う親の気持ちを、思い出しながらの視察でした。


県議会・市社無会派の皆さま、いつも同行させていただいてありがとうございます!

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