次は、前川國男邸です。
日本の近代建築の発展に貢献した建築家、前川國男(1905~1986)の自邸として、品川区上大崎に、1942(昭和17)年に建てられた住宅です。
戦時中資材が不足している中、また、延床面積100平方メートル以上の住宅の建築が法律によって規制されるという困難な状況の中で建てられたものでした。
1945年からは、空襲によって焼かれた前川國男建築設計事務所の事務所を兼ねて、1954年まで使われました。1973年には解体されて、軽井沢の別荘に部材として保存されていましたが、1996年に復元してここに建てられました。
外観は切妻屋根の和風、内部は中央に二階までの吹き抜けがある広い居間を取り、その両側に寝室と書斎が配置され、他に、台所、女中部屋のみのシンプルな間取りです。
玄関は建物の裏側にあります。
居間の南面は格子と障子の明るい開口部になっています。
居間の家具。
こちらも。
居間から木製の階段を上がると、ロフト風の二階があります。
寝室の作り付けのベッド。
台所。
バス・トイレ・洗面がワンルームになっています。
前川國男の作品は、東京文化会館(1961)、東京都美術館(1975)など、たくさんありますが、京都における作品、京都会館は2016年に建て替えられて壊されてしまいました。