ジッタン・メモ

ジッタンは子供や孫からの呼び名。
雑読本の読後感、生活の雑感、昭和家庭史などを織り交ぜて、ぼちぼちと書いて見たい。

2010 暮らし雑感  【キュウリのトゲはなぜ消えたのか】 藤田 智 学研新書

2010年07月20日 | 2010 暮らし雑感
【キュウリのトゲはなぜ消えたのか】藤田 智 学研新書 

 毎週日曜の朝、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」で野菜作りのノウハウを細かく教えている小太り丸顔の先生がいる。
この人がこの本の著者なので一読してみた。
藤田さんは恵泉女学園大学園芸文化研究所准教授。

● 出回りの野菜の数は100種類
スーパーに出回っている野菜は100~110種類だそうだ これが実もの(果菜) 葉物(葉菜)根もの(根菜類)に分かれる

 ● 碁もやればキュウリもかじった少納言
琴棋書画は中国貴人の嗜みとして唐以後に日本に伝わったことば。
この棋とは、碁や将棋を指している。
以前読んだ「囲碁心理の謎を解く」(林 道義 文春新書)によれば 紫式部と清少納言の碁の棋力を推定し清少納言は初段以上の腕前としている。 ポリポリと胡瓜を齧りながら気ままに練習対局している宮廷女人の光景がふと浮かんだ。 
ナス、ササゲ、ラッキョウ、キュウリはこの時代以前からあったとのこと。

 ● 大航海 野菜ひろめた功績力
1492年、コロンブスは西インド諸島に到着。
ヨーロッパとアメリカ大陸を結ぶ"航海路を発見したことから、アメリカ原産のジャガイモ、トウモロコシ、トマト、カボチャ、ピーマン、唐辛子、ヤーコン、インゲンが欧州をはじめ世界各地に広まった。
ジャガイモの原産は標高3000~4000メートルのアンデス高地であるそうな。
トマトもこれら高山の崖っ淵にあったということをなにかで読んだことがある。

● ちゅらさんが苦味の味を紹介し
2001年、NHK朝の連続ドラマ「ちゅらさん」から誕生したゴーヤーマンの人気が今でも続く。
我が家もその例に漏れず。
菜園でもゴーヤはどんどん採れているので、近所や親友の家にも運んでいる 。

 今年の苗は種から育ててみた。 完熟ゴーヤの種を乾燥させて使うのだが、この種は堅い。
その突先を爪きりでカットする。
水につけておけば数日で出芽。これを蒔いて全部成功した。
沖縄ではゴーヤではなくゴーヤー、九州の一部ではニガゴリと呼ぶところもあるそうだ

★ 駒込は一富士、二鷹、三茄子(ナスビ)/古川柳
本書に因らないが、古川柳にあった。
江戸時代に最も古い富士講組織の一つが駒込富士神社。
その周辺に鷹匠屋敷があって、この周りの茄子が名産物であった事からこの川柳が生まれたそうだ。
富士は不二で「無事」、鷹は「高い」、なすは「成す」という掛け言葉も含んでいる。
これらは初夢に見ると縁起が良いものとして「一富士、二鷹、三茄子」の諺は歓迎されている。
 著者紹介の説は、家康がいた駿河の国での高い順番。
富士山、愛鷹山、初物のナスビの値となる。
また家康が好きだったものとして富士山に鷹狩り、そして茄子の説。


★トマトが赤くなると医者が青くなる
イタリアでのトマト料理はまず加熱だそうだ。
終戦後の我が家の貧しき食卓で時折、完熟トマトとタマネギと少しの豚肉を煮たものをハヤシライスとして食していた。
これは実においしく、父母からの伝来は平成の御世でもレシピとして娘や嫁に引き継いである。

 今年はゲリラ梅雨のあおりで心配していた我が菜園のトマトも順調に育った。
 トマトのわき芽欠きは欠かせないが、このわき芽は実は芽ではなくて根。
原産地では背丈が高くなってドサッと倒れるが、わき芽が地中に潜るとそこから芽がでてくる。  

● ピーマンのピリッとくるのがトウガラシ
なぜ空洞か。なかの種が押しつぶされないための空気バネと著者は解説。
トウガラシはピーマンの1種。
パプリカはハンガリー語。トウガラシ全体を指す。

● シシトウは水不足には辛くなり
同じシシトウでも辛いのと甘いのがあるのはなぜか。
水不足と栄養の偏りから辛くなるそうだ。
ストレスからピリッと怒って辛口になるのであれば、苗は分けて少し虐めて肴用にしてみるか。

 ● 胡瓜とはヒマラヤ山麓原産地
キュウリの胡を見てほしい。
中国での胡は西方、インド北西部をさす。
ヒマラヤ山麓辺りが原産地ではなかったと著者。

● 瓜二つ 切ってみても瓜ふたつ
左右ほぼ同型だからこのことばが生まれたと。
なるほど。

 寿司屋にて 胡瓜河童で茶はあがり
寿司屋での符牒だ。
こどもは意外にかっぱ巻きが好きだ。 河童寿司も人気がある。
胡瓜にはビタミンCを破壊するアスコルピナーゼという酵素があって、この酵素の働きを抑えるのが「酢」。 
だから若布とかを組み合わせて三杯酢にするとおいしいだけではなく、健康上の効果も望める。
 


● スイカ頭をたたいてみても 甘いかどうかはわからない
たたいてスイカの糖度がわかることはない。
 維新のザンギリ頭と同様に、たたいてみると文明開化の音はしないが中空部分の多少はわかる。
だから、実がしまっているかどうかの判定確率は高い。

われわれ翁の頭をたたくとやはり中空部分に相当する脳萎縮はあるそうだ。
ただ、使い方次第では日野原さんとか、三浦さんとかのものに近いものになることはありえるという本を最近読んだ。

菜園にスイカが今、5個実をつけている。
ほどよい大きさになっているので、明日にでも叩いてみよう。


● モロコシは毛深いほどに実も多く
五年前、地元の市民農大で教わったことがある。
トウモロコシは最低でも6株、それも2条にして植えつけろ。
わき芽をとって一株にひとつ、実がつけことで満足せい。欲張るな。
茶色の毛が多くなるほど実もよくついている。  

6株くらいなければ受粉はスムーズにはいかない。
3~5年ごとにモロコシを育てれば地中の余計な栄養分を吸収して畑の掃除ができるとは著者の説。
インゲンはモロコシを支柱がわりにして混作ができるというは面白い。
来年、やってみたい。

 ラッカセイ 花散る里の身の始末
花が咲いて子房柄と呼ばれる部分が地中にもぐりこむと、そこにあの実をつける。
私も以前、これを教わった。
だから花が咲くと土を篩にかけ、上から細かな土を注ぐ。
花後の地中案内を楽にさせるため。
関東でいえば千葉で落花生が名産なのはその土質が砂地だからとのこと。

● 吉宗のお墨付きなり小松菜は
大奥の改革、目安箱、上野や飛鳥山の桜樹の植え付けなど庶民にとっては吉宗という将軍は歴代の中では、なかなかによい人だ。(注)

● キャベツには親のかたきの紋白蝶
熟成したキャベツにひらひらと蝶が舞う。捕虫網をもってしても捕らえる確率は低く、たとえ捕らえても既にあとの祭り。
蝶は確実に産卵し、ほどなく青虫が育ってくる。
このアオムシが食欲旺盛、キャベツの葉脈辺りを齧るので葉はレース状態になってしまい恨めしい。
アオムシを池の金魚に与えてもミミズとは違い、かれらもありがた迷惑の表情。 これを金魚迷惑という。(オソマツ!)
 
この本でBT剤 という薬品を知った。
アオムシの消化管をやっつけて人には無害とのこと。 試してみたい。

● ニンジンは芽だし八割時を待ち
名画とされる映画のほとんどはシナリオのできで8割が決まったと言われる。
 ニンジンも芽を出すまでがことの成否を決める。

今朝、整地した場所へ私も播種。
上に不織布をかけて水をたっぷりやった。
明日からの早朝巡回でこの湿り気に気を配りたい。
ニンジンの葉の栄養価は本体よりも高く、食べ続けて花粉症が治ったという人がいると著者。
この葉の天ぷらはともかく美味い。
お試しあれ。


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注)





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