(※朝日新聞朝刊連載「折々のことば」風に)
「理念は『意味』の世界において『妥当』する。」
私たちの日々の活動には目的や意思がある。それらから私的な利害関心を取り除き、価値あるものへと客観化していくと理念になる。例えば、公共の福祉、社会の秩序、平和などである。理念はどこかから勝手に降ってくるものではなく、人々が生み出すものであるが、一方で人々の行動に影響を与える矩ともなる。理念が我々の現実意識や現実意欲と結びつき、ある意味を持った時、それは社会を動かす力となり、政治の原動力となる。そして政治は理念に基づいて法を創造し、運用していく。法の窮極に在るものは政治であるが、政治に恣意を許さないのは理念の力であると、戦前、戦中、戦後を生きた法学者は語る。
尾高朝雄著「法の窮極に在るもの」(有斐閣刊)から
「理念は『意味』の世界において『妥当』する。」
私たちの日々の活動には目的や意思がある。それらから私的な利害関心を取り除き、価値あるものへと客観化していくと理念になる。例えば、公共の福祉、社会の秩序、平和などである。理念はどこかから勝手に降ってくるものではなく、人々が生み出すものであるが、一方で人々の行動に影響を与える矩ともなる。理念が我々の現実意識や現実意欲と結びつき、ある意味を持った時、それは社会を動かす力となり、政治の原動力となる。そして政治は理念に基づいて法を創造し、運用していく。法の窮極に在るものは政治であるが、政治に恣意を許さないのは理念の力であると、戦前、戦中、戦後を生きた法学者は語る。
尾高朝雄著「法の窮極に在るもの」(有斐閣刊)から