花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

ヱビスビール

2024-04-28 13:07:00 | Weblog
 G.Wの初日、ちょっとした集まりの後、4月3日にオープンした「YEBISU BREWERY TOKYO」へ行きました。オープン後間もないこと、G.W初日、そしてこの日は初夏の陽気だったことなどがあったのでしょう、かなり混んでいました。

 整理券をもらってから館内のミュージアムを見て回り、30分ほど経ってやっとビールにありつけました。最初はヱビスインフィニティ、ヱビスビールをやや濃くしたような味で、待った分美味しさも増しました。1時間のしばりがあったので、次の4種飲み比べのセットでフィニッシュ。4種の中で気に入ったのは、市販のビールにはない苦みとフルーティーさが同居した味のフォギーエール2024(Foggy ale 2024)でした。

 さて、山手線の恵比寿駅はヱビスビールを出荷する貨物駅としてスタートしたそうです。七福神の名前が駅名になっているのは、珍しいと言えば珍しいと、今さらながら思いました。それから、かつてサッポロビールが銀座にあった本社を恵比寿に移した時、華やかな銀座を離れるのが嫌だという社員が多かったそうです。住みたい街の上位常連でスタイリッシュな今の姿からすると隔世の感があります。この発展はゑびす様のご利益よるものかもしれません。恵比寿に行った折は、駅前にあるゑびす像をなでてみることにしましょうか。

少しだけ花の下にて酒飲まん

2024-04-14 20:51:01 | 季節/自然
 13日の土曜日、子どもと連れ立って山へ出掛けました。街の桜はだいぶ葉っぱが目立つようになってきましたが、山の上では見頃かと思って出掛けました。山道を1時間ほど歩いて、桜のポイントはそろそろといったあたりで、登山道にいくつか桜の花びらが落ちていました。いい感じに咲いているのではと期待して、もうひと踏ん張りすると、杉木立の緑に混ざって、薄桃色の桜が見事に咲いていました。

 ここらでお昼にしようと、棒ラーメンや野沢菜のお焼きを食べました。それから、桜にちなんで持ってきた出羽桜を飲みました。昔、とある大先輩に「明るいうちから酒を飲むようになったら人間はおしまいだ」と言われ、以来なるべく守るようにしてきたのですが、今日は勘弁してもらうことにし、子どもと二人でちょっとだけ飲みました。

 その大先輩は、10年以上前、会社を卒業してまだそんなに経っていないお歳でお亡くなりになりました。明るいうちからは飲んでいなくても、明るくなるまで飲まれていたのかもしれません。今日は、山の爽やかな風と、その風に舞う桜の花びらに心が乗せられ、昼酒をしてしまいましたが、大体においては大先輩の戒めに従おうと思いました。

 山を下り、駅に着いた時は夕方になっていて、多少日が陰ってきていました。電車に乗り、途中下車して、のれんをくぐり、焼き鳥やもつ焼きを食べながら、楽器正宗と名倉山「新(にゅう)」を一杯ずつ飲んで帰りました。

次は桜花無きにしも非ず

2024-04-08 22:38:00 | 季節/自然
 昨日の日曜日、山に出掛けました。街の桜は満開ですが、山の上はまだ固い蕾のままでした。「見ごろは次の週末あたりか」と思いつつ、どういう訳か太平記に出てくる児島高徳の話がふと頭に浮かびました。

 鎌倉幕府への謀反を企てた後醍醐天皇が隠岐の島へ流されるのを、児島高徳は救おうとしましたが、果たせませんでした。せめて自分の忠節を示そうと、後醍醐天皇が道中泊まった宿から見える桜の木に漢詩の一節を刻みます。

 その一節とは、
 天莫空勾践(天勾践を虚しうすること莫れ)
 時非無范蠡(時に范蠡無きにしも非ず)

 これは、中国の春秋戦国時代、呉に敗れた越王勾践を范蠡が助け、逆に呉を滅ぼした故事にならい、後醍醐天皇にも范蠡のような臣下が現れると励ましたものです。

 山で桜が咲いていなかったことと、児島高徳の話は全く関係ありませんが、「今日桜が見られなくても虚しく思うな、もうしばらくすれば見られないこともない」と読み替えてみたくなったのでしょう

 桜には少し早かったものの、足元に目をやればスミレの薄紫、ニリンソウの白い花々がちょうど盛りと咲いていました。