(※朝日新聞朝刊連載「折々のことば」風に)
「たとえあなたが人を殺しても、〝殺人犯〟があなたのすべてじゃない」
厳罰主義は性急に犯人のレッテルを貼り、存在を自分の目の届かないところへ消し去ろうとする。その結果、刑務所に収監される人の数は増える一方となっている。死刑囚の支援活動を行う著者は、思いやりや理解しようとする気持ちが、人を殺そうとは思わないこころにつながると考える。
公平な裁判を受けられないまま、ある死刑囚が刑を執行された日、車のラジオで牧師が「キリストの力がわたしの内に宿るように、おおいに喜んで自分の弱さを誇りましょう。なぜなら弱いときにこそ強いからです」と語るのを聞く。その時、「慈悲には差別や権力の横暴を止める強い力がある」と思うに至る。
ブライアン・スティーヴンソン著 「黒い司法」(亜紀書房刊)から
「たとえあなたが人を殺しても、〝殺人犯〟があなたのすべてじゃない」
厳罰主義は性急に犯人のレッテルを貼り、存在を自分の目の届かないところへ消し去ろうとする。その結果、刑務所に収監される人の数は増える一方となっている。死刑囚の支援活動を行う著者は、思いやりや理解しようとする気持ちが、人を殺そうとは思わないこころにつながると考える。
公平な裁判を受けられないまま、ある死刑囚が刑を執行された日、車のラジオで牧師が「キリストの力がわたしの内に宿るように、おおいに喜んで自分の弱さを誇りましょう。なぜなら弱いときにこそ強いからです」と語るのを聞く。その時、「慈悲には差別や権力の横暴を止める強い力がある」と思うに至る。
ブライアン・スティーヴンソン著 「黒い司法」(亜紀書房刊)から