かわずの呟き

ヒキガエルになるかアマガエルなるか、それは定かでないが、日々思いついたことを、書きつけてみようと思う

映画「かぐや姫」を見てきました。

2013-12-14 | 気ままなる日々の記録

 野次馬根性がうずき、チョット迷いましたが「スタジオジブリ」作品の「かぐや姫」を見てきました。迷ったのは、私の世代はアニメが苦手で、有名な宮崎作品も、実はどれも、あまり面白くなかった、という経験があるからです。監督は高畑勲さんで、宮崎さんの弟子だったそうですが、作品は全然違ったものを作られるそうで、絵が実に美しいとか。じゃあチョット覗いてみるか、いつまでもアニメは苦手と云っていても、世の中に置いてきぼりを食うけだから、と思ったわけです。

                     

 日本最古の物語と云われている「竹取物語」を下敷きにして、竹の中から生まれ、大きくなって高貴な五人の男から熱烈に求婚されても断り、帝の求婚にも応じず、月へ帰っていったというあらすじ。

 山里の美しい自然と、まさに自然の中で生き、心温かい人々の生活が描かれていました。ああ~、金属とコンクリートで塗り固められた都会生活者の憧れを、かぐや姫になぞらえて描きたかったんだ、と得心。可愛いかぐや姫を抱いていると、おばあちゃんの乳房がポコポコと大きくなって、お乳が出るようになるところは、微笑ましい。

                     

 「竹取の翁」は姫を可愛がっているが、「夕鶴」と同じようにお金と名誉に憧れ、都(みやこ)暮らしをはじめる。求婚してくる男たちの描き方も、まあこんなものかという感じ。月の世界で〝「美保の松原」の天女″と〝かぐや姫″の出会いがあった、という想定は意表をついていて面白い。

 私が一番感動したのは、この作品を完成させるまでに8年の歳月が流れ、途中でスポンサーが亡くなり、あわや中止となるところを、次の支援者が現れて、スタッフ一同、猛烈な情熱をそそぎ込んでこの作品が完成させた、というところです。30人ほどの書き手が一か月かけて上映時間2分完成、という手間のかかる作業に、めげることなくそそぎ込んだ、ものすごいエネルギーに圧倒されました。監督がイメージしている「かぐや姫」を、絵コンテを書く技術者たちがリアルにイメージできない点に悩まされ、ついに、声優がシナリオを読み、その声と読み方から登場人物をイメージして、動画を描いた、というところも感動しました。