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「父が子に教える昭和史 あの戦争36のなぜ?」半藤一利ほか

2015年01月05日 23時57分12秒 | 読書(昭和史/平成史)


「父が子に教える昭和史 あの戦争36のなぜ?」半藤一利ほか

月刊文藝春秋2003.10月号、2004.1月号の記事を元にしている。
全体に右よりであるが、読むべき内容も多く参考になる。
著名人多数が寄稿されている。

満州について
P18
満州にいたツングースは、女真族と呼ばれ、17世紀に勃興して金国を建て、後に明朝が崩壊した時中国全土を支配下に置いた。これが清帝国で、つまり清は中国から見れば征服王朝ということになる。
辛亥革命で清朝が倒れた時、満州の帰属が問題になった。満州は漢民族の土地ではない。孫文は、清打倒に日本が手を貸してくれれば、満州を日本が領有するのを承認すると申し入れたことがあるくらいだ。

零戦の名前の由来
P102
昭和15年(紀元2600年)に正式採用された傑作は、その紀元号の末尾をとって「零戦」と命名される。

北方領土について
根室町長・安藤石典氏のGHQへの「陳情書」
P171-172
趣旨として、あの地域はペリー来航から2年目の1855年、伊豆・下田で日露通好条約を締結したときに、四島の外側に国境を引いて調印し互いに日本の領土として認めあったもので、日本の降伏後に攻撃、占領したのは不法だと明記してあった。

マッカーサー「御会見」の文献
P176-180
①「マッカーサー回想記」朝日新聞社
②「アチソン電」
③「侍従長の回想」藤田尚徳
④フェラーズ秘書から家族宛の手紙『昭和天皇二つの「独白録」』(東野真)に収録

巣鴨プリズンについて
P221-222
刑の執行は、絞首刑になった7人のA級戦犯を覗いて、驚くほど緩やかなものであった。
岸信介をはじめ19人の容疑者は不起訴処分で巣鴨プリズンから釈放され、残りのA級戦犯は巣鴨プリズンで刑に服することになった。
・・・昭和25年6月の朝鮮戦争以後は、自由に外出できたという。
・・・B、C級戦犯に至っては外に働きにでたり、会社づとめをしたりする者もいて、実質的に収容は意味をなさなくなる。
A級戦犯に限れば、昭和30年には荒木貞夫をはじめ多くの者が仮釈放となっている。そして昭和33年になって連合国はこれ以上の服役の必要なしとして、戦犯全員の釈放を日本政府に通告している。

【ネット上の紹介】
「日本はなぜ負ける戦争をしたの?」と子供に聞かれたら。あの戦争をめぐる問いに、日本を代表する知性がズバリ答える。満州事変から東京裁判まで、昭和史入門の決定版。
[目次]
第1部 戦前・戦中篇(昭和恐慌―なぜ起きたのか?
満州事変―日本の侵略なのか?
二・二六事件―昭和最大のクーデターか?
戦前暗黒史観―すべては暗かったのか? ほか)
第2部 戦後篇(無条件降伏―国体は護持されたのか?
引揚げ―満州からの帰途になにが?
シベリア抑留―六十万人抑留の真実は?
北方領土―無法者スターリンの暴挙は? ほか)

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