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「怖い橋の物語」中野京子

2019年06月03日 20時06分11秒 | 読書(エッセイ&コラム)
「怖い橋の物語」中野京子

2014年に「中野京子が語る橋をめぐる物語」として出版された作品の文庫版。
それだけだったら買わないんだけど、そのときは30話しか載っていなかった。
今回は55話、ということで買いなおした。

P72
そもそも現代でさえ、先進国で猿が身近に生息しているのは日本だけ、と言われる。この利口な動物がいかに我々になじみ深いかは、多くの昔話が証している。だが他の、とりわけヨーロッパ先進国にとって、猿は未開のアフリカと結びつき、一般には悪徳や狡さといった否定的なイメージで捉えられている(だからこそダーウィンの進化論は、彼の地で激しい抵抗にあい、日本では容易に受け入れられたのだ)。(そう言えば、嵯峨野・岩田山山頂モンキーパークに登ったら外人だらけだ・・・猿が珍しかったのか?)

P167
(前略)橋のたもとの道祖神は橋それ自体を守る神ではない。そうではなくて、その橋を渡り来たる邪悪なるものを監視し、食い止め、はね返すための結界として置かれている。

【参考リンク】

【ネット上の紹介】
橋は二つの異なる世界―日常と非日常、此岸と彼岸を結ぶものであり、出会いと別れの場、ドラマの生まれる舞台でもある。奇妙な橋、歴史的に大きな意味を持った橋、空想の橋、折れた橋、血なまぐさい橋、絵画に描かれた橋…そんな橋たちをめぐる、とっておきの物語を五十五話収録。
奇(悪魔の橋
犬の飛び込み橋 ほか)
驚(人間、渡るべからず
水面下の橋 ほか)
史(アントワネットは渡れない
ロンドン橋、落ちた ほか)
情(愛妾の城と橋
ゴッホの橋 ほか)