山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

日本株式会社を暴く稲垣えみ子さん

2016-08-25 18:03:38 | 読書
 『魂の退社』で稲垣えみ子さんの軽やかなフットワークが続く。(画像はweb<AERA meeting>から)
 「会社が生き残ろうと頑張れば頑張るほど、不幸になる人間が増えていく。… つまり、会社は完全に行き詰まっている。そして、これこそが日本社会の行き詰まりの正体なのでは」と稲垣えみ子さんは、日本は会社組織依存社会であることを暴露する。

 「経済成長に巻き込まれた人間は、どんどんモノに依存しないと生きられない体になっていく。つまり経済成長は、日本人の自立ではなく、依存を生んでしまったのではないか。」との指摘は新鮮だ。

                            
 稲垣さんは、会社生活を旅に例えて、「旅に出ることを通じて、人は初めて大人になるのです。大人になるとは、…前へ進んで行く力を身につけるということです。…で、肝心なのは<旅を終える>ことなのではないでしょうか。旅はいつかは終わる。…会社は修業の場であって依存の場じゃない。」と喝破する。

                              
 そしてその日のために、「<会社を卒業していける自分を作り上げる>こと、それはすごく大事なんじゃないか」と、やんわり問いかける。
 しかし、「人は自然に、同期できる相手をいつも探している。ただし集団の中にいるとそのセンサーはにぶくなり、電波も弱ってくる」と。

    
 最後にこう結ぶ。
 「<つながり>がこれからの社会のキーワードだと言う人がいるし、私もそう思うけど、つながるためにはまず一人になることが必要なんだ。
 みんな知ってた? 私は初めて知ったよ。」

 人とつながるとは一人になってみること、一人になるとは人とつながるということ、か。
 なーるほど。まったくもって、オイラがつねづね痛感してきたことを代弁してくれている。
 ひとりになってこそ、人のありがたさや優しさに敏感になれる。
 
コメント
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