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2024年5月12日 弁理士試験 代々木塾 特許法 代理

2024-05-12 02:00:41 | Weblog
2024年5月12日 弁理士試験 代々木塾 特許法 代理


問題


 出願人が委任した代理人が複数存在し、当該複数の代理人の共同代理によってのみ代理されるべき旨の定めをしても、特許庁に対する手続上、その効力を生じない。


解答


(代理人の個別代理)第十二条
 手続をする者の代理人が二人以上あるときは、特許庁に対しては、各人が本人を代理する。


 青本(特12条)
 本条は、手続をする者の代理人が二人以上あるときは、特許庁に対しては各人が本人を代理する権限を有する旨を定めたものである。したがって、出願人、請求人等が特許庁に対して手続をする場合二人以上の代理人のうち一人がすれば本人がしたと同じような効果が生ずるわけであるが、逆に特許庁からする手続についても二人以上の代理人のうちの一人に対してすれば本人に対してしたと同じような効果を生ずることになる。
 民事訴訟法五六条一項は本条と同趣旨の規定をしているが、同法はさらに二項として「当事者が前項の規定と異なる定めをしても、その効力を生じない」と規定し一項の規定が強行規定であることを明らかにしている。特許法においてはこの二項のような規定は設けられていないが、本条は民事訴訟法の場合と同様強行規定と解すべきものである。したがって、本人が二人以上の代理人の共同代理によってのみ代理されるべき旨の定めをしても手続上無効である。ただし、このような定めも本人と代理人との間の内部関係としての意義を有することはいうまでもない。


 特許法12条の解釈により、出願人が委任した代理人が複数存在し、当該複数の代理人の共同代理によってのみ代理されるべき旨の定めをしても、特許庁に対する手続上、その効力を生じない。


 よって、本問の記載は、適切である。




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