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2024年4月27日 弁理士試験 代々木塾 商標法4条1項15号

2024-04-27 04:40:04 | Weblog
2024年4月27日 弁理士試験 代々木塾 商標法4条1項15号


問題


 商標法第4条第1項第15号に規定する「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、当該商標をその指定商品又は指定役務に使用したときに、当該指定商品又は当該指定役務が当該他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係にある営業主の業務に係る商品又は役務であると誤信されるおそれがある商標が含まれる。


解答


 商標審査基準(商4条1項15号)には、下記の記載がある。
「1.「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」について
(1)その他人の業務に係る商品又は役務(以下「商品等」という。)であると誤認し、その商品等の需要者が商品等の出所について混同するおそれがある場合のみならず、その他人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品等であると誤認し、その商品等の需要者が商品等の出所について混同するおそれがある場合をもいう。」


 最高裁平成12年7月11日判決は、下記のとおり判示している。
「1 商標法四条一項一五号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、当該商標をその指定商品又は指定役務(以下「指定商品等」という。)に使用したときに、当該商品等が他人の商品又は役務(以下「商品等」という。)に係るものであると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該商品等が右他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(以下「広義の混同を生ずるおそれ」という。)がある商標を含むものと解するのが相当である。けだし、同号の規定は、周知表示又は著名表示へのただ乗り(いわゆるフリーライド)及び当該表示の希釈化(いわゆるダイリューション)を防止し、商標の自他識別機能を保護することによって、商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り、需要者の利益を保護することを目的とするものであるところ、その趣旨からすれば、企業経営の多角化、同一の表示による商品化事業を通して結束する企業グループの形成、有名ブランドの成立等、企業や市場の変化に応じて、周知又は著名な商品等の表示を使用する者の正当な利益を保護するためには、広義の混同を生ずるおそれがある商標をも商標登録を受けることができないものとすべきであるからである。」


 よって、本問の記載は、適切である。





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