治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

無から有を生み出す(盛岡こねこプロジェクトご報告) その1

2019-06-10 10:27:39 | 日記



さて、昨晩遅く盛岡から帰ってきました。
関東は雨が降っていましたが、盛岡は晴天に恵まれ、素晴らしい講演会を行うことができました。
皆さんのご協力の賜物です。
ありがとうございました。

この講演会については、寄付をいただいた方にレポートを送るのでブログで取り上げるのはやめようかとも思ったのですが(このブログももうすぐ閉じますし)、とにかくあまりに素晴らしい体験だったので、栗本さんの講演部分を除いて詳しくご報告することにします。
栗本さんの講演部分は皆さんが一番知りたいところでしょうから、これは寄付金を送ってくださった方への限定情報とします。

まず出発の前日。
私は久しぶりにパーソナルトレーニングを受けに行きました。
奄美大島→富士山五合目→西表島
と旅続きで行く暇がなかったんですね。
ちなみにこの先生は本もたくさん出していらっしゃるので、私も最初から黄色本を差し上げて「私はこういう仕事をしています」とお知らせしています。
私が発達障害の仕事をしていると言ったときに先生がきいたのは「発達障害って、増えてるってきいてますが、治るんですか?」です。
これが一般人のごく普通の興味だと思いますよ。

ともかく旅のお土産話などをしながらトレーニングし、先生も沖縄の離島に奥様といらっしゃる計画が近々あるのを知りました。
成功している自由業の人は、お金と時間が自由になります。
島に行きたければひょいと行くことができます。
こういう人が身近にごろごろいるのが私のいる環境。そしてこういうライフスタイルを知らないと医者とか公務員とか教員がえらいと思っちゃうんですよね。だから医療従事者ガーとネットで匿名で威張っているのはだいたい(地域性にかかわらず)もっと自由でお金にも不自由しない人の存在を知らない田舎者だと思って間違いありません。
そしておそらく、こういう「成功した自由業者」を間近に見られる環境かどうかで、「社会性」の捉え方は違ってくるし、教育も変わってくると思います。
「成功した自由業者」のモデルを親や教師が知っていると、凸凹ちゃんたちは変なSSTを強いられず、能力を開発することに集中できて、生きやすくなると思います。

ともかく楽しくレッスンを受け、帰りました。
それから電話会議。
ウェブ屋さんと、「治そう発達障害どっとこむ」のデザインについてです。
フォローアップのメールを送り、夕飯をとりました。

次の朝。
6時起きでジムへ。
午後から盛岡に出発ですがその前に、前日トレーナーの先生に習ったことを身体で覚えておきたかったのです。
早朝のジムではすでにたくさんの人がトレーニングしていました。
仕事前に運動する人がいる。その方が仕事がはかどるから。医学的な裏付けがあろうとなかろうと、自発的に運動している人は世の中多いのです。
先生に習ったストレッチを復習し、四キロ汗を流して戻り、10時から東大の自閉症マウスのニュースを見ました。


以前から自閉症の人は「脳みその無駄遣いするなあ」と思ってたのですが
脳みその無駄な部分が刈り取られないんですね。
それで出ると思われる常道行動なんかが自発的な運動でとれていく。
知ってた。
私たちはとっくに知ってた。
だけど基礎研究も頑張れ。
出てきた先生が「社会貢献」と言っていました。
治る情報を探るのは社会貢献。
ギョーカイにはない発想だけど、基礎研究にはそういう志持っている人もいるわけですね。

さて、お昼を食べて出発。
なんですけど、私がとった安いツアーは安い切符がついていたらしく、やたらちょくちょく止まる東北新幹線です。
前は大宮の次が仙台みたいな感じだったのに、郡山とかも止まる。
つまりこだまみたいなのに乗ったみたいで、三時間半かかってようやく盛岡に。
でも車窓の美しい景色は楽しみました。
田植えの終わった田んぼ。つい先日稲刈りの終わった西表にいたのが信じられない。
っていうかこの距離をいつも横浜まで鈍行で来てくれてるみるさんすごい。
そういう人を「要介助」とかする地元の医療や福祉はやっぱり腐ってますね。
そこに殴り込みをかけにいくのです。
こうやって東北新幹線に乗っていられること自体が全国からの応援の賜物だとよく理解しておかなくてはなりません。

盛岡駅では四人が待っているはず。
みるさん、栗本さん、沖縄からわざわざやってきてくれるIMUAの山城健児さん、そして山城さんの仕事仲間で私も旧知のY氏。ハイビスカスのポロシャツでどう見ても沖縄から来た人としか見えない出で立ちで盛岡駅で待っていてくれました。

ところが、山城さんがいない。
なんか忘れ物とりにホテルに戻ったらしい。
私たちはしばらくそこで山城さんを待ちました。みるさんには「遅れるってお店に電話して」と言いました。そして説明しました。お店は五人で取ってあるから時間に来ないと心配して私たちの予約した席に別のお客を入れちゃうかもしれないから、と。お店も売り上げ損失は避けたいから。みるさんは納得して電話していました。このように仕事をして初めてわかるソーシャルスキルもあると思うんですよね。だからやはり、仕事をするって大事なのです。

お店についたらまず地ビールで乾杯。
そして肉を頼みます。おっさんずもいるからとりあえず一キロくらい。
そうしたら最初に来たのが豆腐サラダとチヂミでした。
「あれ、これ頼んでいないから間違いでは?」と言ったら、なんとみるさんのお母様からの差し入れでした。前もって支払いも済ませておいてくださったそうです。
早速みるさんがお母様にお電話し、私たちはみんなでお礼を言いました。
娘が計画したことに全国から応援が寄せられ、講師を二人呼んで講演会を主催する。それはきっと親御さんにとってもうれしいことなのだろうなと思いました。

農業の盛んな岩手では肉も野菜もおいしく、お酒もおいしい。
山城さんは最近日本酒ブームみたいなんですが、もちろん本土の方がいい日本酒が手に入ります。
岩手の銘酒と肉を思い切り楽しんで、冷麺までたどりつかなかった高タンパク低糖質花風社クラスタだったのですが・・・

山城さんが何を持ってきたかというと、朝那覇空港で買ったBLUE SEALのアイスクリーム。
どうしてもみんなに食べさせたかったというのです。
「っていうかここお店じゃん。持ち込みだめじゃん」という私。
「頼んでみましょうよ。沖縄から今朝来て、ぜひみんなに食べさせたいので許してくださいって」
「え?! なんて恥ずかしいことを。私、お化粧室行ってきます」
と交渉の場から逃げた私が戻ると、山城氏とお店との交渉が成立していました。
山城さんはお店のお姉さんにも一つ、紅芋アイスを渡していました。お姉さんは中でみんなでいただきますとニコニコされてました。
というわけで心置きなく塩ちんすこうアイスを楽しんだ私。
みるさんはマンゴーアイスでした。
美味しい、美味しいって言ってました。
盛岡の焼き肉屋で、沖縄の人二人、神奈川の人二人、そしてジモティ一人で美味しく焼き肉とアイスクリームを食べられる。
こうやって全国に仲間ができるのも出版やってたおかげだなあ、とありがたく思いながら夜は更けていきました。

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