治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

もし名大病院・吉川徹医師が大地君の主治医だったら

2011-05-12 09:14:00 | 日記
という議題で考察してみました。
その場合「いいところを伸ばす」という治療が可能かどうか。
で、結論は二つ。

1 「いいところを伸ばす」治療は不可能
2 「いいところを伸ばす」治療は可能

予めお伝えしておくとこれは連続記事でして
今日はその一回目です。

今日は1の線について考えてみます。

吉川医師は「修行反対派」らしく
大地君の療育方針にも色々ちょっかいだしていました。
「頑張る子」っていうのが心配(あるいは好みではない?)らしい。
大地君の育てられ方には懐疑的です。

もちろん大地君にも弱いところがある。
たとえば、かけっこ不得意らしいですよ。
「僕たちは発達しているよ」でもマンガになってますけど、去年の運動会でもビリだったらしい。
でも大地君は完走できた自分に満足していたよ。
だって前はまっすぐ走れなかったんだもの。身体のバランス悪くて転んでいたんだもの。
そのときに比べれば着実に修行の成果が出てます。

でも今年はなんとかグレードアップしたい。
ビリ脱出を狙っているみたい。
去年は満足した結果より上を狙いたい。
そういう大地君が私は大好きです。
そして今年もたとえ残念な結果に終わったとしても
それでもダメな子なんて思わない。「ビリ脱出」を目指して特訓しただけでも素晴らしい。

身体のバランスはいいにこしたことはないけど(将来働ける大人になるためにも)
大地君はたぶん、プロスポーツ選手にはならないだろうから
足が遅くても将来は困らない。
でも「目標のために頑張った」「その結果ちょっとは進歩した」という経験は
どんな職業についても役に立ちます。
そっちのほうがずっと大事。

かけっこが遅いというのが大地君の弱点だとすると
「頑張れる」「どんどん目標をアップグレードできる」というのは「いいところ」であり
そこを「無理をしている」「精神的によくない」と決め付け
伸ばそうとしない治療方針の医師とは合うわけがありません。
大地君が名古屋の子ではなくてよかったわけです。
もっとも読者の方からの情報によると
名古屋にもいい先生いるみたいですけどね。
主治医に勧められて大地君の本読みました、という名大関係の保護者がいらっしゃいました。
名大病院じゃない病院でいいお医者さんに出会ったそうです。

白くま母さんは昨日の私のブログを読んでこう言った。

「あの医師なら大地は通うのをやめたでしょう。
あるいは『やりたいんです。がんばらせてください』と言ったでしょう。
それよりその前に、栗林先生が『あの先生でいいのかい?』って言うかも」

なるほど。

というわけで第一の結論は

もしも吉川が大地君の主治医だったら
「いいところを伸ばす治療」はできない。
だって大地君のいいところが、吉川的にはいいところじゃないんだもの。

でも、こう決め付けることはできないんですよね~。

もしかしたらそんなことないかも、と思わないでもない。

次回は二つ目の結論について書きます。

栃木のイチゴキティちゃんです。

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