治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

そらパパなる人物の代理人への回答

2010-06-05 00:46:33 | 日記
2010年6月3日

前略

 私あての通知書を受け取りました。

1 ここ数カ月、そらパパなる人物による出版物への被害妄想ともとれる曲解に基づく被害を受けてまいりました。こちらが氏名・住所を明らかにして経済活動している主体として攻撃を受けている一方、そらパパなる人物はどこの誰とも素性がわからず、いざというときに訴状の送達先もわからないという大変不利な状況に立たされておりました。

2 出版社ですから、批判されることは仕事のうちだと思っております。そらパパなる人物が、大きな誤解をなさることも仕方がないでしょう。いろいろな読者がいるという前提で出版活動を行っております。

3 しかしながら、明らかな誤解に基づくレビューを書くだけならまだしも、公の場に出てきて説明せよと受け取らざるをえない文体の数々が私に大変な精神的苦痛をもたらしました。もちろん会社にいただいた読者からの質問メールには、ていねいにお答えすることもあります。あきらかに曲解と思われるメールには、お返事をしないこともあります。

4 私たちの仕事は本を作ってその対価としてお金をいただいていますが、その対価の中には「カウンセリング代」や「説明代」は入っておりません。それにもかかわらずそらパパは連夜「経済的に自立できないことは恥ずかしいのでしょうか?」と曲解に基づく持論を繰り広げ、仲間ともども、こたえようとしない私を罵倒していました。また、私のブログのエントリーを勝手に自分への答えと受け取って自分のブログに貼っていました。

4 そらパパなる人物がどのような権利で私にこのような屈辱を強いるのか考えてみましたが、どうやら大変アクセス数の多い人気ブログであるがゆえに、悪評判→売上減少という企業にとって一番痛い人質を取り、私にパワーハラスメントを行っているということがわかってきました。

5 神田橋條治氏による新刊に至っては、どのような内容か、タイトルも目次も発表されないうちから、自分の権力を笠に着た行動をとりました。

6 私は企業防衛上、この人物を放っておけないと思いました。けれども素性もわかりません。そこで版元であるぶどう社にお電話してみました。

7 ぶどう社の社長さんは私とは著者に関する方針が違うようでした。(中略)藤居氏とは出版以降一切かかわりがなく、ブログも見ていない。自分には責任がないというお考えでした。

8 私がもし同じような立場に立たされたら、本にしたブログはずっとチェックし続けるでしょう。そしてこういう問題が起きたらまず、両者が話し合う必要がある状況であるかどうか判断し、著者側に情報開示していいかという質問をまずするでしょう。そしてそのときに、開示しないと版元が訴訟を起こされる可能性があることも触れます。なぜなら私は昨年、著者の情報を開示せよと不当に迫ってきた人物と開示の是非を裁判で争った経緯があるからです。貴職によるとそれは不当なことでしょうが、私自身実際にそう裁判で要求された経験があるのです。

9 そもそも企業を経営している以上、それほど訴訟が特別なこととは思えません。けれどもぶどう社の方針は違ったようで、こちらがびっくりするほど狼狽されました。

10 この状況を見た私は、たまりかねて大地君の手紙を転送を頼みたいという大地君のご両親に、「ぶどう社は転送の労をとってくれないと思う」と忠告しました。けれども大地君のご両親は、著者と版元はどこも花風社と著者のように運命共同体であるべきだと考え、一応転送をお願いしてみてくださいと私に手紙を託されました。「人気ブログを本にしたのに、あのように誹謗中傷ブログに堕しても版元は平気なのか」というのが市井の人としての大地君ご両親の意見でした。

11 そのときに救世主があらわれました。(後略)

12 その結果貴職からのご連絡があり、私としてはいざというときの送達先がはっきりして大変安堵しております。ぶどう社さんは少々驚かせてしまいましたが、それはそのうちお詫びしようと思います。こうして送達先が手に入った以上、今後ぶどう社さんにこの問題で接触することは一切ありません。

13 私のブログの記事ですが、削除する意図は一切ございません。また私のほうからも、そらパパなる人物のブログの削除は今のところ要求いたしません。(後略)

14 そらパパなる人物はどこの誰ともわからず、そらパパという名前で経済活動を行っているわけでもありません。そらパパの名誉を棄損すると、どれくらいの損害が生じるのかその算定基準も私にはわかりません。そらパパが自分のHPで花風社の本は役に立たないと批判する権利を有するように、私にはそらパパのHPをうのみにしたがために療育が遅れてしまったと嘆く読者の意見を貼りつける権利があります。そうした権利はお互いに担保すべきだと私は考えています。それでこそそらパパのお好きな「言論の自由」なのではないでしょうか。そらパパは花風社を批判し、花風社がそらパパを批判することが日常の風景になれば混乱も収まるでしょう。もともと主張の違うもの同士が仲良くする必要などまったくありません。

15 (略)当然原稿の段階でリーガル・チェックは入れます。けれども今回保護者と大地君の双方からお手紙を出しながら大地君への返事が一切ないということがそらパパの人権意識の多くを語っているのではないでしょうか。

16 大地君の意図としては「そらパパさんはもう大地の本は読まないでください」ということですが、貴職におかれましてお気持ちがあるのならどこかでご購入の上お読みいただき名誉を棄損しているかどうかご判断なさればいいのではないでしょうか。(中略)「修行修行と言われ、社会に適応することばかりを強いられることがかわいそう」という言葉は、大地君にとっては差別なのです。大地君に返事もしないそらパパには、その理論がわかりにくいかもしれませんが。

17 そらパパなる人物にお伝えいただきたいのは、批判はこれからも続けて構わない。こちらも批判する。ただし私に答えてほしければ自分のブログやついったーで吠えたてるのではなくメールを送ってくるか貴職を通じて書面で送ってこい、ということです。お仲間の眼前で私に答えをしろと迫るのは、人気ブログを笠に着たパワーハラスメントと解釈しております。おそらく批判だけなら私は放っておいたと思います。私にとってそらパパは批判されても痛くもかゆくもないし、ご本人が「立ち読み」と明言している以上、中田大地君にとっては「お客」ですらありません。批判はこれからもいくらでもして構いませんが、答えろ答えろと言われるのが大変に苦痛でした。(後略)

18 HPの削除については今のところ要求しませんが、私はこれをきっかけに、著作権に詳しい複数の弁護士の法律相談を受け、「著作物の人格権」について勉強するつもりでおります。ネットでハンドルネームなら何をやってもいい、何を言っても訴えられないという風潮に私は危惧を覚えておりますし、一人の編集者としても本にまとめる企画につなげられるのではないかと興味を覚えますので、しばらく相談料をほうぼうに投資してでもたくさんの弁護士の方とお会いしようと思っています。その結果そらパパのHPが弊社の著者または私の人格権を侵害していると判断いたしました暁には、貴職に内容証明あるいは訴状を送ることとします。

19 そらパパが大規模に妨害活動を広げてくださった神田橋先生の本は、おかげさまで大ヒットしております。この本の注文をいただく際に、「そらパパは誤っている。花風社を応援している」という声をたくさんいただいたことをお伝えしておきます。

20 (略)

21 そらパパにはこの文章を自分のHPに引用する権利がないことをお伝えください。私は必要に応じて公開するかもしれません。その際、貴職の身元は伏せます。

以上



草々

最新の画像もっと見る