治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

治らないという考えは治りませんか?

2010-04-21 08:51:51 | 日記
さてさて、昨日小暮画伯のブログにも書いてあったように
ちゅん平の立ち直り方は、近くでみているおじさんおばさんとしては本当に「涙が出るほどうれしい」ものがあります。

一時は感覚過敏がひどく、世界観も混乱し、食事もとれず、家で倒れていました。
数ヶ月に一回の講演会だってキャンセルしたことも。とうてい社会参加できる状況じゃなかった。
真剣に、死んじゃうのではないかと思っていた。

それが今は週に五日通勤し、目標を持って作業をこなしている。
一人暮らしも成功している。
週五日通勤しながら、沖縄まで講演に出かける。
彼氏ができて、焼肉デートに出かけている。

街中で煙にぶっ倒れていたことなどウソのようです。
目の前で肉焼いて食べるんですから。しかもその肉を昔と違ってちゃんと消化できる。
そして、一緒においしく食事できるパートナーもいる。

そして、ちょっとは空気が読めるようになった。
スルーすべきことは脳がスルーできるようにもなった。

「自閉っ子的心身安定生活!」にもちゅん平の成長の数々は書いてありますが
彼女の身に起こった変化を大大大博士は「本質的改善、すなわち一次障害の改善だと僕は思う」とおっしゃっています。
ただ二次障害が治ったというものではなさそうです。たしかに。

「発達障害者は発達します」というのはそういう意味なのです。

そしてそれはちゅん平の身の上だけに起きることではない。
他の人にも再現可能なのだと。
事実博士のもとを訪れ、劇的によくなっている人は多いのだと。
だったらどこにいてもそれが可能なようにする方向を考えなきゃいかんだろう、というのが今度の本のテーマです。

本当にそんなことできるんですか? といぶかしがった私たちに大大大博士が発した言葉。それが
「治らないという考えは治りませんか?」です。

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