治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

民主的な教育の場(笑)

2009-10-29 08:55:47 | 日記
昨日東京都の教員採用試験不人気について書いたが
27日朝日新聞「声」にこんな投書があるのを発見。

「教員採用試験不人気 都教委も原因」

投書の主は東京都在住の80歳。
もしかして元教員?

主旨は「石原都政下での締め付けのもと、教育現場が民主的ではなくなり、若者にとって魅力を感じられない職場になっているから教員希望者が少なくなった」みたいな内容ね。

ふーん。

「民主的な教育の場」って何?
いつ存在したの?

ていうか、職場が民主的である必要があるの?

ていうか、右に寄ると民主的じゃなくて、左に寄ると民主的なの?
それがこの人の考え?

ていうか、石原都知事は民主的な手続きのもとに選ばれたんじゃなかったっけ?
圧倒的な都民の支持を得て。

私が小学校の頃(もしかしたらこの投書の主が教師だった頃?)
センセイ方は「政治の季節」だった。
今はなき某政党のポスターが堂々と学校内にぺたぺたと貼られ
「お父さんお母さんはどの政党に投票した?」みたいな質問を平気で教師が小学生にしていた時代ね。手を挙げさせられたな。なんだったんだろう、あれ。

我が家は「不毛地帯」みたいな血筋で
戦前は軍事で、戦後は商業で、世界と戦った一家だったので
私の出自がセンセイ方のお気に召さず
ずいぶん社会科の時間につるし上げにあったもんである。「おまえの家族が日本をだめにした!」とかね。
子どもだから、言い返せなかった。悔しかった。
たぶん私の教師への不信感は、このへんから始まったと思う。

民主的であるはずのセンセイ方が、親や祖父の職業で子どもを差別する。
そういうことを堂々とやっておられた時代だったのである。

実を言うと、同じ被害にあっている人がうちの著者さんたちの中にもいる。
森口奈緒美さんだ。
だから私は「変光星」を読んだとき、「他人ごとじゃない」と思った。

きっと今はマシになっているんだろう。うん。そう信じたい。
きっと学校は、もはやあんなにひどい場所じゃないだろう。
「変光星」を再刊させていただいたとき、森口さんにそう言ったんだ。
「二度と学校をああいう場にしないためにこれを出しましょう」って。

今のセンセイ方も災難だと思う。
ああいう学校で育った世代が親になると
教師という人種を「アプリオリに」信用してないからね。

モンペの発生にはこういう歴史の事情もありそうな気がする。
センセイ性悪説を、子ども時代に刷り込まれちゃったかもよ。

それと、学校と政治。

センセイたちが個人としてどういう政治信条を持とうと、どこの政党に投票しようともちろん自由だが
自分の政治信条で、仕事場である学校で子どもを差別しないでほしいな。

それと、センセイ個人が主義として国旗国歌を敬わないという現象につける薬はないとしても
自分の国の国旗国歌に忠誠を誓わないのは
日本の外に出ると「ありえない」こと、とても恥ずかしい行為だということだけは、
子どもたちに誰かが教えておいたほうがいいかもね。

日本は自由な国で、あまりに自由な国で、国旗国歌に忠誠を誓わない自由さえある。
でもよその国はそこまで自由じゃない。
自由の国アメリカでさえ、そこまで自由じゃない。

国際的な場で活躍するようになる子も中にはいるだろうし
恥をかくとかわいそうだ。
国によっては刑事罰だからね。懲戒じゃすまない。

もちろん素晴らしい教員の方々ともこの仕事をしていていっぱい出会いました。
それで子どものときのいやな思いが癒された部分もあります。
写真は因幡の白兎キティちゃん。心ある先生方に山陰に呼んでいただいたときに見つけました。

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