治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

SSTと発達援助

2010-07-09 08:03:38 | 日記
オシム氏のついーとを読みながらW杯を見ている。
これが本当に深い。
スカイパーフェクTVに感謝である。

考えてみれば「発達障害は治りますか?」にもオシム氏の名前がたびたび出てきた。
脳梗塞で脳機能の一部を失ったオシム氏がリハビリに成功し、またサッカーの解説をしている。
こういう機能改善を発達障害の人にも起こせるのではないか、と神田橋先生は考えられた。

先日「身体という環境を整えることには他人を巻き込まずにすむ」というエントリーを書いたとき、何人かの方から賛同のツイートが送られてきたが
神田橋先生の提唱される方法は、自分で今すぐ始められるのが特徴。

最初、岩永先生のお仕事に興味をもたれてうちにアプローチしてくださった理由を本の中でも詳しく訊いている。

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神田橋 バラエティに富んだ発達障害の人を、いくつかの機能部分に分けて記述できる人が、今のところ他に見当たりませんので、岩永先生のお仕事は貴重だと思ったのです。
浅見 それは、生活場面に応じた能力カテゴリー分けですか?
神田橋 もうちょっと脳神経の機能レベルで。オシムさんやら長島さんのリハビリテーションのレベルで。生活場面の水準なら他にやっている人もいますよ。
愛甲 でも、生活場面だと場面が変わると使えないことが多いんです。

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このときの神田橋先生と愛甲さんの言葉を聞いて、私は神田橋先生が目指されているものが「機能改善」なのだとはっきり理解した。
SSTが無効なわけではない。必要だろう。でも一般化が苦手な自閉圏の人にとって、SSTは膨大な学習量を必要とする。これはつねづね感じてきたこと。

SSTが無効ではないこと、必要であり、ある一定の効果を持つこと。このことに疑問を持つ人はいないと思う。

でも発達援助については、「そんなことできるの?」と疑問を持つ人もいれば、「やってみよう」と思う人もいる。

そして「やってみよう」と思った人の中に、効果が上がり始めている。それが先日からこのブログでお伝えしていること。

休みの過ごし方一つをとってみても、「SST優先」か「発達援助優先」か、それによって方針が違ってくるのは当たり前だと思う。

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