治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

高校教育無償化

2009-09-03 09:55:00 | 日記
「国民皆保険なんかやったら社会主義国になっちゃう」という共和党支持者の跋扈するアメリカ。
そんな遠い国の話ではなく、わが国にも
「富める者はそれなりの努力をしてきたのだからトクをしてもいたしかたない」くらいの気持ちを持つ格差容認層っていうのはいるもんである。とくに富裕層にね。

そういう人に「高校を無償化して貧困層にも教育の機会を」と言っても、
ピンときてくれないかもね。
何しろそういうお金持ちたちは、税金をいっぱい払っている上に
わざわざお金をかけて、小学校から有名校に送り込んだりしてるしね。
ていうか、有名小学校に送り込むために「どの産院で産むか」からが勝負だと準備している人たちもいるみたいですよ。

困っていない人は困っている人の気持ちがわかりにくい。

それを「思慮がない」とか怒っても仕方ない。
お金持ちもお金持ちで大変なんだろうが(産院までブランドに縛られたりね)、そういう大変さがそもそも選択肢のない人たちにはわかんないのと一緒。
だから道徳論ではなく
「経済格差が教育格差に結びつかないほうがみんながトクなんですよ」という言い方をしたほうがいいんじゃないだろうか。

そういうときには「国益」っていう言葉の使い勝手がいいんだな~。

貧しい子にも充実した教育を受けるチャンスを与えたほうが国益にかなう。
もしかしたらその子が、画期的な研究開発につながる才能を秘めているかもしれないし
新しい産業を生み出す創意を備えているかもしれない。
その子に教育機会が与えられることによって
何万人も、ことによっては何百万人も食べさせてくれるようになるかもしれないのだ。

私自身は高校を無償化して、勉強が嫌いな子を18歳まで机に縛り付けておかなくていいと思う。

それより学歴がなくてもがんばれば尊敬される社会、食べられる社会を実現したほうがいいと思う。そのほうがそれぞれ適性を活かせると思う。

偏りのある子でも活躍できる職場がもっとできないもんだろうか。

現に、特殊な社会で努力して
それをかなえている人たちだっている。

北の湖親方は中卒だ。
でも不祥事を文科省に謝りに行ったら、謝られる大臣のほうが思わず頭を下げてしまった。
「大臣が頭を下げるなんて」って批判もあったけど
私は仕方ないと思うよ。だって相手は大横綱だった人だもの。
厳しい稽古に耐えて最高位を保った人なんだ。「憎まれるほど強い」横綱だったんだよ。
選挙のときだけぺこぺこする政治家とは迫力が違うのではないだろうか。

間違いないのは、どの分野でも「稽古は裏切らない」っていうことだ。
それは自閉っ子だって同じ。定型発達の子だって同じ。

その稽古が勉強であっても、別のどこかであっても、かまわないと思う。
だから財源をさらに痛めつけてまで高校を無償化して、行きたくない人まで行かなくてもいいと思います。
本当に勉強がしたくて、でも家の事情から進学がきつい子に支援すればいいと思う。
勉強が苦手な子は、なんか他に道を見つけてあげましょうよ。

身体が大きくて身体能力が高い子には、相撲部屋に行くという手もありますよ。
早くまた、強い日本人横綱が見たいよ。
貧乏であることが、有利に働く世界もあるよ。

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