気の向くままに

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スター・デーリー

2009年11月05日 | スター・デーリー

谷口雅春先生の『愛は刑よりも強し』を読まれた方は多いと思う。
この本は、先生が『愛は刑務所の扉を開く』とい本をスター・デーリーから贈呈され、その原書を読まれて書かれた本とのことです。

わたしも若い頃に、『愛は刑よりも強し』を読んだのですが、当時の私にはあまり面白く感じなくて、1回読んだだけでした。多分、その頃の私は愛国心に溢れて(かぶれて)いたので、アメリカ人のデーリーに興味を感じなかったからだろうと思います。

しかし最近、古い「生長の家」誌に徳久先生がそのスター・デーリーについて10回にわたって連載されている記事を読み、感動しました。

その記事は、昭和29年3月にスター・デーリーが来日し、徳久先生と3ヶ月にわたって日本の各地、刑務所などを講演してまわり、その移動の車中、宿泊地、講演などでデーリーが語った言葉を徳久先生がメモした、云わば『スター・デーリー語録』です。

スター・デーリーが来日した経緯は、昭和27年、ロスアンゼルスでの徳久先生の講演会場へ、スター・デーリーと親しくしていた日本人の生長の家の信徒、横田次男さんという方がスター・デーリーを連れて来て、そこで徳久先生ははじめてデーリーと会い、「是非日本に来て講演してもらいたい」と頼み実現したとのことです。

『愛は刑よりも強し』を読んで非常に感動していた徳久先生は、逢った瞬間、旧知の人に逢ったような親しさと、凄い迫力を感じられたとのこと。また、スター・デーリーもいつか日本へ行けるのを夢に見、「ぜひ、谷口先生にお会いしたい」と願っていたとのことです。

以下はその記事を元にしたスター・デーリーの話です。

スター・デーリーの母は彼を生んだ3週間後に産褥熱で他界します。そして、少し大きくなった幼いころ、継母に教会へ連れて行かれるようになり、そこで、罪と地獄の話をたくさん聞かされます。

○私は自分が罪を犯しているなどということは知らずに教会へ行ったが、帰るときには犯罪者になっていた。

教会で罪と地獄について教えられた幼いスター・デーリーは罪の観念に取りつかれ、死の恐怖に襲われるようになり、8歳になったとき教師を殺したいと思うほど恨むようになり、10歳の時に最初の犯罪を犯し、少年院に入れられ、やがては刑務所へ入ります。

○牧師の予言した「逃げることのできないところへぶち込まれて、監禁されるのだ」ということが、刑務所へ入ることによって実現した。それは、「お前は罪人だ!罪から逃れることはできないのだ!」と教えられて、社会的な罪を犯した結果だった。

と、スター・デーリーは言っています。

「生命の実相」には、生長の家が「人間、本来罪なし」と説くと、「罪があるからこそ宗教が必要なのに、それを罪がないなどと教えるのはけしからん」と言って怒る人あるが、「罪がないからこそ、その罪のないことを教えるのが本当の宗教である」と書いてあるところがありましたが、いや、ほんと、幼いころに罪や地獄、神の罰などと教えると、大変なことになりますね。

徳久先生自身も、小さいときに道端で小便したら、親戚のおばさんだったかに「そんなところで小便すると、罰が当ってアソコが腫れて来るぞ」といわれ、本当に腫れて来てエライ目にあいました」という話が講演テープにあったのを思い出します。

○罪を犯して私が刑務所に入ることになった時、父は一夜にして10年も年をとってしまった。父はげっそりして、苦しみと悲しみとを現し、目が苦しみ悲しみの涙で光っていた。私は完全に父を殺した。しかし、その時には、それをなんとも思わなかった。私自身が、魂の世界において死んでいたからである。

スター・デーリーはこう言っているのですが、ここを読んだとき、私も父のことを思い出さずにいられませんでした。
停学3回目で、無期停学をくらって父が学校へ呼び出されときの顔。そして名古屋に着いたとき、わたしが突然雲隠れして失踪し、名古屋港で働いていたのを同窓の先輩に見つけられ、10日ぶりに父と対面したときの顔など。

いやはや、あの頃は、ほんとうに私もほとんど反省してなかったなあと思う。
親には悪いと思っても、どうにもならんのだから仕方がないと思っていました。
後で母に聞いたところによれば、私が雲隠れして行方不明になっているとき、寒い冬の夜中に、風で物音がすると、その辺に私が隠れているのではないかと私の名を呼びながら「帰ってきたか?帰ってきたか?」と外へ出て探し回っていたという。

その頃わたしは、両親のことなど心配しないで、誰かに見つけられはしないかということだけを心配していました。無事でいた私の姿を見て、人前はばからず涙で顔を濡らしていた父を思うと、今頃になって胸が痛みます。

スター・デーリーの話が、自分の話になってしまいました。
続きはまたにします。




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