ダニエル書 5章1−16節
日本は春の嵐の後、場所によっては真夏のような気温になったと報じられていました。当地は晴れのち雨のち晴れのち雨…と一日のうちにめまぐるしく変わる天気でした。「…心と秋の空」などとよく言われますが、当地では「…心と春の空」なのだそうです。そのような中、30キロほど南にある「マリヤ福音姉妹会」を訪ねました。お話を伺いながら、主イエスの前に自分の姿を照らされる歩みについて思い巡らす、すばらしい訪問でした。
「みことばの光」が書くように、ベルシャツァルはネブカデネザルの孫に当たります。この時バビロンはベルシャツァルの父ナボニドスが王で、長男ベルシャツァルは摂政という立場にありました。ネブカデネザルを父と呼んでいるのですが、「父」とは広く父祖を指して用いられているのです。
国が存亡の危機にある時、ベルシャツァルは大宴会を催します。しかも、彼はエルサレムの宮から祖父が取ってきた金や銀の器で酒を飲むという愚行に走るのです。自分が神よりも力があることをそのようなふるまいによって取り巻きたちに示したかったのかもしれません。そのような彼をおびえさせたのが、指が壁に文字を書いたという事件。神の介入です。これによって、王の高ぶりはあっという間に大きなおびえに変質してしまいます。
そのような中、王母の進言によってダニエルが連れて来られます。ベルシャツァルは、ダニエルに文字の意味を説き明かすならば、ほうびを取らせようと約束します。「国の第三の権力」とは、ダニエルを、ナボニドス王、摂政である自分の次の位に就けようというのです。ここにも権力者の高ぶりを見ます。自分の力で何でもできると錯覚するのです。けれども、その権力を賜るお方を覚えることはしません。
これが彼のもろさであり、危うさです。そして私たちの…。