スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

デイリー盃大井記念&第三部定理九備考

2024-05-16 19:05:29 | 地方競馬
 昨晩の第69回大井記念。ナンセイホワイトは腹痛のために出走取消となり9頭。
 ヒーローコールは発馬してすぐに控えました。逃げたのはバーデンヴァイラーで2番手にランリョウオー。3番手にサヨノネイチヤとキタノオクトパスで5番手にミヤギザオウとマースインディ。3馬身差でヒーローコールとセイカメテオポリスとキャッスルトップの3頭で発馬後の正面を通過。前半の1000mは64秒4のミドルペース。
 向正面でバーデンヴァイラーのリードが一時的に3馬身ほどになりましたが,3コーナーに掛けてまた差が詰まっていき,ランリョウオー,キタノオクトパス,マースインディの3頭が雁行でコーナーへ。サヨノネイチヤはこの3頭の後ろのインに控えました。コーナーで再びバーデンヴァイラーが追ってきた3頭との差を広げていき,内を回ったサヨノネイチヤが2番手に浮上して直線へ。直線ではバーデンヴァイラーの外に出して追い上げ,差し切ってサヨノネイチヤが優勝。逃げ粘ったバーデンヴァイラーが半馬身差で2着。道中の進みが悪く苦し紛れに内を回ってきたセイカメテオポリスが,それでも直線はじわじわと伸びて内からランリョウオーを差して2馬身差の3着。ランリョウオーが1馬身4分の1差の4着。ランリョウオーの外から並んで追ってきた2頭はミヤギザオウがクビ差の5着でヒーローコールがハナ差の6着。
 優勝したサヨノネイチヤはここがブリリアントカップ以来のレース。連勝を7まで伸ばし,南関東重賞3連勝。ここまで勝っていた勝島王冠,ブリリアントカップに比べると大井記念は同じ南関東重賞でも格式が高く,メンバーも強化されていましたし,これまでの2戦より距離も伸びていました。そうした点を突破しての優勝で,それだけの価値があるといえるでしょう。ペースの関係もあり,タイムが平凡なのですぐに重賞で通用というわけにはいかないと思いますが,まだ底を見せていないのも事実で,そういう可能性を秘めた馬なのは間違いないでしょう。父はダノンレジェンド。母の父はオレハマッテルゼ。祖母の13歳上の半兄が1991年に小倉記念と京都新聞杯と鳴尾記念,1994年に高松宮杯を勝ったナイスネイチャ
 騎乗した大井の西啓太騎手はブリリアントカップ以来の南関東重賞4勝目。その翌日に東京スプリントも勝っています。大井記念は初勝利。管理している大井の坂井英光調教師は南関東重賞5勝目。大井記念は初勝利。

 スピノザが衝動appetitusを人間の本性natura humanaとみていることは,第三部定理九備考から明白であるといわなければなりません。この備考Scholiumの冒頭で衝動とは何かを示した後で,スピノザは次のようにいっているからです。
                                   
 「したがって衝動とは人間の本質そのもの,ー自己の維持に役立つすべてのことがそれから必然的に出て来て結局人間にそれを行なわせるようにさせる人間の本質そのもの,にほかならない」。
 このことは第三部定理六から帰結していると考えられます。備考では自己の維持に役立つといわれていて,第三部定理六では自己の有に固執するsuo esse perseverareといわれていますが,このふたつは同じことを意味していると考えられるからです。前もっていっておいたように,第三部定理六は現実的に存在するすべての個物res singularisに妥当する本性ですが,人間もまた現実的に存在する個物なのですから,それが人間にも適用されるのです。ただ備考の冒頭でいわれているように,衝動は精神mensと身体corpusの両方に関係するといわれていて,これは当然ながら人間の身体humanum corpus,ほかの個物とは異なった人間の身体と,同じようにほかのものの精神とは異なった人間の精神mens humanaを意味しますから,それを踏まえて人間の本性といわれているのです。
 一方,この備考でいわれていることは,第三部諸感情の定義一でいわれていることと内容が一致するといえます。備考ではそれを人間に行うようにさせるといわれていて,第三部諸感情の定義一ではあることをなすように決定されるといわれていますが,これらは両方とも現実的に存在する人間が働きを受けるpatiことを示しているといえるからです。要するにこれらは両方とも人間の受動passioについての言及なのです。いい換えれば備考でいわれている衝動および諸感情の定義でいわれている欲望cupiditasは,受動状態における人間の本性を示しているといえると僕は考えます。よって,第三部定理九備考でスピノザが主眼としていることは,人間を突き動かすような力potentiaのことであるよりは,人間が働きを受けることについてであると僕は解します。この備考が付せられている第三部定理九は,人間は混乱した観念idea inadaequataを有する限りにおいても自己の有に固執し,それを意識するといわれているのです。

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