スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

アグネスフローラ&衝動と欲望

2024-05-17 19:12:51 | 名馬
 東京プリンセス賞を勝ったフェルディナンドの4代母はアグネスフローラです。
 3代母がヘザーランズ。母は1979年のJRA賞の最優秀3歳牝馬に選出されたアグネスレディー
 デビューは2歳の12月。このレースを勝つと年明けの特別戦も勝利。さらにエルフィンステークス,当時はオープン特別だったチューリップ賞も勝って4連勝。この成績で桜花賞に出走すると見事に勝利。初の重賞制覇を大レースで達成しました。オークスはエイシンサニーの2着。しかしこの後で故障を発症して発症してしまったために,そのまま現役を退くことになりました。秋は走れなかったもののJRA賞の最優秀3歳牝馬に選出されています。
 繁殖牝馬となって大きな結果を残しています。3頭目の産駒が牝馬で,この馬の子孫からは2019年にラジオNIKKEI賞を勝ったブレイキングドーンが出ています。フェルディナンドもこの牝馬の子孫です。
 4頭目の産駒はアグネスフライト。2000年に京都新聞杯を勝って出走した日本ダービーを勝っています。
 アグネスフライトのひとつ下の全弟はアグネスタキオンです。
 自身が大レースを勝った上で,産駒が2頭も大レースを制しました。日本を代表する名牝の1頭といっていいと思います。

 これでみれば分かるように,國分が衝動appetitusは人間の本性natura humanaではないと解しているのであれば,その点は明確に誤りerrorであると僕は解します。一方で,スピノザが衝動も欲望cupiditasも同じように人間の本性としていることについては,矛盾があるとは思いません。というのは,第三部定理九備考でスピノザが欲望は意識される限りでの衝動であるというとき,スピノザはこの意識conscientiaを無意識との対比で解しているわけではなく,認識される限りでの衝動であるというのと同じ意味でいっていると僕は考えるからです。したがってスピノザは,意識されない衝動,あるいは同じことですが認識されない衝動があるということは認めていると思われるのですが,この点はここでは注目しなくても構いません。欲望が認識される限りでの衝動であるというのは,欲望とは衝動の観念ideaであるというのと同じです。つまり衝動がXであるなら,欲望はXの観念なのです。
                                   
 第二部定理七によれば,観念と観念対象ideatumの原因causaと結果effectusの連結と秩序ordo, et connexioは一致します。すなわちXとXの観念は同一個体です。つまり衝動と欲望は同一個体なのです。スピノザは衝動を人間の身体humanum corpusとも人間の精神mens humanaとも関連付けているわけですが,欲望が認識される限りでの衝動とされているのであれば,このことは衝動が身体的な衝動であろうと精神的な衝動であろうと同じことです。だからスピノザは第三部定理九備考で衝動についていっていることを,第三部諸感情の定義一では欲望についていうことができたのです。Xが人間の受動的な現実的本性actualis essentiaを構成するのであれば,当然ながらXの観念も人間の受動的な現実的本性を構成するからです。
 僕は平行論を採用しますからこのように説明します。しかしもしも同一説を採用するなら,このように考える必要すらないといえるでしょう。人間の現実的本性が衝動で衝動の観念が欲望とみなされるのであれば,単に衝動と欲望は同じことのふたつの側面であって,それがある場合には衝動といわれ,別の場合には欲望といわれるというだけの差異があることになるからです。
 次に,スピノザが人間の本性を意識と関連付けていることについては,たとえ衝動が人間の本性でも僕は否定しません。

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