スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王座戦&脳波

2012-07-21 18:52:28 | 将棋
 月初めまでの棋聖戦の再戦となった昨日の第60期王座戦挑戦者決定戦。対戦成績は羽生善治二冠の4戦全勝。
 振駒で羽生二冠の先手。こうなれば中村太地六段の横歩取り。△8四飛,中住い,金開きのクラシックな構え。並べていて中盤の折衝は,後手が少しずつ得をしているのではないかと感じました。羽生二冠はずっと悪いと思っていたようですが,中村六段も自信はなかったとのことで,僕が感じていたほどの開きはなかったのだろうと思います。
 この将棋は両者が持ち時間を残す中で,突然の終局となりました。
                          
 ここで△3六角と打てば,後手が有望か少なくとも難解でしたが,△8九歩成。このために▲1五桂と打たれ,いきなりの投了となりました。▲3一龍が受からないので指すとすれば△5九角▲同王△2六角ですが,▲4八角でも▲3七角でも勝ち目はないでしょうから投了は止むを得ません。▲1五桂をうっかりしたか,△8九歩成を詰めろと錯覚したかのどちらかとしか考えられないのですが,どちらも相当に考えにくく,すごく不思議に思っています。
                          
 羽生二冠が挑戦者に。前期と立場を入れ替えての渡辺明王座との五番勝負は来月29日の開幕です。

 翌週の火曜日,5月29日は,妹のこども医療センターへの通院がありました。これは前回の定期通院のとき,検査の依頼をしましたので,それを実施するためのもの。この日も妹を休ませ,母が連れていきました。
 遺伝科では様ざまな検査を行うのですが,このときに母が依頼していたのは脳波の検査です。脳波の検査というのはおおよそ1年に1度は行っていたようなのですが,このときはおよそ3年ぶり。前にもいったように,主治医の方から検査をすると言われなかったのは,おそらく癲癇の発作が出ていなかったからで,父の最期が今からおよそ3年前のことであり,そう考えれば確かにそれ以降は,妹は1度も発作を起こしていません。
 脳波のストロークを調べますと,確かに妹はたとえば僕などと比べれば相違があるようです。一般的にはこういうのを脳波に異常があるといういい方をするわけですが,僕はスピノザ主義者ですので,ここでは単に相違があるとだけいっておきます。というのは,スピノザの哲学においては第二部定義六により,事物の完全性というのはその事物の実在性に同義だからです。つまり僕の完全性は僕の実在性のことであり,妹の完全性とは妹の実在性のことですが,スピノザの哲学における実在性という概念は,その事物の本性というのを力という観点からみたものです。したがって,本性が異なればその分だけそれがなし得ること,つまり力もまた異なるのは当然ですから,本性が異なる分だけ完全性も異なるということになります。つまり僕の完全性と妹の完全性は異なった完全性であるということになります。しかるに,一般的に異常があるということは不完全であることを意味し,逆に異常がないということは完全であるということを意味しますので,僕はスピノザ主義者としてそのようないい方はしないということです。僕の脳波のストロークと妹の脳波のストロークが異なるということは,端的に僕の本性と妹の本性には相違があるということの証明なのであって,一方が他方に対してより完全であるとかより不完全であるという意味に僕は理解しないのです。
 この日は脳波を測定しただけ。詳しい検査結果は次回の定期通院のときに知らされることになっています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする