スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

NHKマイルカップ&観念と身体

2010-05-09 19:03:41 | 中央競馬
 3歳マイル王決定戦にして,ダービーへのステップという趣も濃厚になりつつある第15回NHKマイルカップ
 先手を奪ったのはエーシンダックマン。この馬が3馬身ほどのリードをとって,コスモセンサー,サンライズプリンス,キングレオポルドの3頭が並ぶように追い掛けました。前半の800mは44秒8でこれはハイペース。
 サンライズプリンスとしてもかなり厳しい競馬だったと思うのですが,それでも残り300mでは先頭に立ち,一旦は抜け出しました。好位の内を追走していたダイワバーバリアンとその直後にいたリルダヴァルが並んでこれに迫るところ,後方3番手でがっちりと控え,直線は大外に持ち出したダノンシャンティが強襲。あっさりと内の3頭を捕まえ最後は1馬身半の差をつけて優勝。ダイワバーバリアンが2着でリルダヴァルが3着。
 優勝したダノンシャンティは前走の毎日杯でかなり強い勝ち方。皐月賞はパスしてここに回ってきました。展開的に嵌った部分もありますが,その強さを再度見せ付けた形。1分31秒4という途轍もないレコードタイムで走った反動は怖いですが,無事なら一流馬として走り続けられるでしょう。父はフジキセキで,祖母の弟にDevil's BagとSaint Ballado,祖母の産駒にはSingspiel,Rahy,グランドオペラがいる世界的な名牝一族です。シャンティはフランスの地名で,フランスダービーが行われる競馬場があるところ。
 鞍上は安藤勝己騎手。昨年のオークス以来の大レース制覇で,2004年のキングカメハメハ以来のNHKマイルカップ2勝目。管理しているのは松田国英調教師。一昨年の有馬記念以来となる大レース制覇で,2001年クロフネ,2004年キングカメハメハに続くこのレース3勝目。

 意志と身体,もっと具体的にいえば,ある人間の精神mens humanaのうちに生じる何らかの意志作用volitioと,この人間の身体corpusの何らかの運動motusの状態が,平行論における同一個体であるということは,論理的には次のような仕方で説明することができます。このとき注意しておくべきことを最初にひとつだけ挙げておけば,ここでいっている我慢の観念ideaというのが,その人間の身体の状態に関する知覚であるということだけです。
 第二部定理一九というのは,人間が自分の身体を知覚する際の,唯一の方式を示しています。つまりこれ以外の仕方で人間は自分の身体を知覚しません。そしてそれによれば,人間による自分の身体の知覚とは,その身体が外部の物体corpusによって刺激を受ける様式の観念なのです。このことから,この刺激状態,すなわち延長作用としてのある運動と,この運動の様式の観念というのが同一個体であるということが帰結します。
 次に,第二部定理四九は,観念は観念であるかぎりにおいて何らかの肯定,すなわち意志作用を含んでいるということを示しています。したがって,この刺激状態の様式の観念と,この観念を肯定する意志作用は同一のものです。よって,ある刺激状態とこの刺激状態の様式の観念が同一個体であるのなら,当然のごとくこの刺激状態の様式の観念を肯定する意志作用と,その刺激状態自体も同一個体であるということが帰結するでしょう。
 このようにして,排尿という運動を我慢することを肯定するような意志作用は,実際にある運動として排尿を我慢している自分の身体と同一個体であるということになります。なぜなら,思惟の様態cogitandi modiとして排尿を我慢する意志作用が肯定するのは,排尿を我慢している自分自身の身体の観念にほかなりませんが,この観念は,実際にある運動として排尿を我慢している自分自身の身体の知覚にほかならないからです。また,この説明により,なぜ僕たちの精神のうちに排尿を我慢する意志作用が生じるのが,実際に自分の身体が排尿を我慢する運動をしているときのみであり,それ以外のときではないのかということも明らかになったといえると思います。
コメント
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