INSIDE SORAMAME

私の頭の中のキオクを綴っていくつもりです・・

趣に赴く(21)

2009年06月23日 |    ┣ ひっそりと趣に赴く
(つづき)
福岡県筑紫郡那珂川町の「道善(どうぜん)二丁目」のバス停。

「道善」とは、かつてこの地区にあった「道善寺」という寺に由来しているそうだ。
岩戸、安徳、不入道、埋金、現人橋、軍誉橋…などなど、那珂川町では、即製ではない長期熟成した感じの地名に出会うことが多い。

右奥に見えるバスが止まっているところは「道善」バス停であり、二つのバス停間の距離がかなり短いが、これらは別々の停留所である。
二つのバス停がある道路が交差する交差点には「道善バス停前」という名前が付けられている。
この交差点から、国道385号を北へ約450m行ったところにある交差点には「道善交差点」という名前が付けられており、こちらの交差点のそばには「道善四角」のバス停がある(ちなみに、「道善バス停前」交差点と「道善交差点」交差点間には西鉄バスの那珂川営業所がある)。

交差点とバス停で、名称を分け合っているというかお互い譲り合っているような感じだが、「道善バス停前」「道善交差点」という名称は、この付近が「道善○丁目」と「丁目」が付く以前の「大字道善」だった頃、交差点の名前を付けるのに苦労した跡なのではないだろうか。
「大字道善字○○」の「○○」の部分、いわゆる「小字(こあざ)」名を付けてもよいのだけど、それだとマイナー過ぎて伝わらないという判断があったのかもしれない(←あくまで想像)。

一方で、「シタカ」「曲り」「貝田」「横枕」…など、交差点名に「小字」名と思われる名称が「全開」のところもある。
交差点ピンポイントでみると、地元の人間でなければいったいここはどこなのかが全くわからないが、「趣」という観点では非常にポイントが高いと思う。

バス停の名称にも、「○丁目」の施行や町名変更によって消えてしまった小字名や旧町名が残っている場合が多い。
「箱崎駅東口」は「前川町」、「大楠」は「永田町」、「東比恵一丁目」は「新町二丁目」、「重留新町」は「新村」、「松島一丁目」は「宮内」…など、一世代前の停留所名を思い出してみて、かつての地名に思いを馳せるのもよいかもしれない。
また、「月見町」「網屋町」「巴町」「瑞穂」「春住町」「扇町」「駄ケ原」「福陵町」「井開」「柿の内」…などなど、バス停名として現役の旧町名や小字名については、なるべく「保存」してもらいたいし、以前書いたような「天神一丁目」のように広いエリアを指すバス停名の弊害を解消する際には、むしろ「活用」してもらいたいものである。
(つづく)

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4 コメント

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Unknown (ちょんびん)
2009-06-22 13:38:10
すいませんが本日は負け惜しみを。

最近、訪問してネタにしようとしたバス停を、soramameさんに先を越されることが多いです。
蛍を見に行って思い出した西神の原とか、
唐梨バス停から派生したこの道善バス停とか。
悔しいです。。。

旧町名とは違いますが、
早良口、脇山口、中津口、朝倉街道なんてのも
残してほしいバス停に加えたいです。
こちらは小字名よりはずっと認知度が高いので、
そうそう改称されることはないでしょうが。
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昔の路線図を見ると・・・ (yaku)
2009-06-22 16:55:39
SORAMAMEさん、こんにちは
手元にある古い路線図(昭和59年6月)を見ると、今とは違う面白い名前のバス停が沢山あります。バス停改称で、○○何丁目になったりすると、少し寂しいものがありますね。
私の自宅近くの607号線沿いのバス停、吉塚駅東口・吉塚二丁目・東吉塚小学校前は以前はそれぞれ吉塚三丁目・吉塚五丁目・吉塚七丁目でした。住居表示で地名とバス停名が合わなくなって改称されましたが、妙見と道頓堀はそのまま残されました。
古い地名が今でも残され、しかも交差点名にまでなっています。
ところで、早良区の防塁前バス停の所の交差点が防塁になっていて、かなりインパクトを感じています。
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柿の内は・・・ ()
2009-06-23 03:17:14
「柿の内」ですが、確か「97」が新設された時に「野方(壱岐営業所)」経由しない西山、四箇田団地行のバスを停車させる事を目的としてできたと記憶しております。
それまでは「204」が藤ヶ丘団地まで走っておりましたが、あそこにはバス停は無かったです。
当初は藤崎~姪浜~下山門経由で拾六町団地に入らない路線でしたが、今は藤崎始発も無くなり、橋本駅までの路線も無くなり、ちょっと個性に欠けますね。

バス停の変更と言えば、地名の変更で変わるケースも多いですね。
「竹の山6丁目」→「姪浜2丁目」、「古小烏」→「動物園入口」、「馬場新町」→「祇園町」などなど。
返信する
Unknown (soramame)
2009-06-24 12:35:02
ちょんびんさん、こんにちは。
>最近、訪問してネタにしようとしたバス停を、soramameさんに先を越されることが多いです。
長いこと同じ対象物を観察していると、ちょっとした変化の感じ方とか視点が似てくる面が少なからずあるのかもしれませんね。
>旧町名とは違いますが、
>早良口、脇山口、中津口、朝倉街道なんてのも
>残してほしいバス停に加えたいです。
名称を残してほしいバス停はたくさんありますね。
多分変わらないだろうと踏んでいても、西鉄の一存であっという間に変えられてしまうこともあるので、けっこう危ういですよね。

yakuさん、こんにちは。
>私の自宅近くの607号線沿いのバス停、吉塚駅東口・吉塚二丁目・東吉塚小学校前は以前はそれぞれ吉塚三丁目・吉塚五丁目・吉塚七丁目でした。住居表示で地名とバス停名が合わなくなって改称されましたが、妙見と道頓堀はそのまま残されました。
妙見に関しては、通りの名前にもなっていますね。
住居表示で地名とバス停名が合わなくなっても、南区では「神田町一丁目」というバス停が残っています。
周辺のバス停は「野間新町○丁目」が「野間○丁目」に変わるなどしていますが、なぜかここだけは変わらずです。
まあ、何でもかんでもルールに従って名前を変えるのではなく、こういう例外が残っているのも面白いのですが…。

Mさん、こんにちは。
>「柿の内」ですが、確か「97」が新設された時に「野方(壱岐営業所)」経由しない西山、四箇田団地行のバスを停車させる事を目的としてできたと記憶しております。
たしかに私もそんな気がします。
おっしゃる通り、97番は以前と比べるとかなりこぢんまりとしてしまいましたね。
「1-3番」など、「1番」の一部でも全然おかしくないルートなのに、独立した「97」を付けているところは、存在感ありますけどね。
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