Sightsong

自縄自縛日記

アーチー・シェップ『Tomorrow Will Be Another Day』

2016-08-13 09:10:16 | アヴァンギャルド・ジャズ

アーチー・シェップ『Tomorrow Will Be Another Day』(Pao Records、2000年)を聴く。

Archie Shepp (ts, ss, vo)
Amina Claudine Myers (p, vo)
Cameron Brown (b)
Ronnie Burrage (ds, wave drum)

『NYC5』、『Live in San Francisco』、『Mama Too Tight』、『The Way Ahead』、『Attica Blues』、『Steam』など、1960~70年代に残した作品がことごとく素晴らしすぎるため、またその後バイアスがかかった日本制作盤にも参加してしまったため、シェップが突破者でなくなった40歳頃よりあとの作品は、いまひとつ評価が低い。

たぶんその後のシェップは、シェップ自身を模倣する再生産の段階に入り、いまに至る。ヨアヒム・キューンとのデュオ『WO! MAN』(2011年)とか、ヨアヒム・キューン『Voodoo Sense』(2012年)とかを聴いたら、ちょっと哀しくなってしまった。

しかし、である。シェップのテナーの音は誰にも似ていないのであり、フォロワーもシェップにはなることができなかった。すばらしく味があるブルースを吹く人だと思って聴けば、やはりいいのだ。本盤録音の前年の1999年に、赤坂で、かぶりつきの席でシェップを2回観た。涎が頭に降り注ぐような場所だった。うっとりした。そういうことである。(ベースの水橋孝さんが飛び入りで参加し、シェップが「幸せな再会だ」と言っていた記憶がある。)

ここでは、アミナ・クローディン・マイヤーズがピアノを弾き、シェップとともに歌う。ゴスペルやブルースという彼女のルーツが存分に発揮されていて、甘い歌声にもやられてしまう。シェップもそうだが、この人も再来日してほしい。

●アーチー・シェップ
ヨアヒム・キューン『Voodoo Sense』(2012年)
アーチー・シェップ+ヨアヒム・キューン『WO! MAN』(2011年)
アーチー・シェップの映像『I am Jazz ... It's My Life』(1984年)
イマジン・ザ・サウンド(1981年)
アーチー・シェップ『The Way Ahead』(1968年)
サニー・マレイのレコード(1966、69、77年)
ロヴァ・サクソフォン・カルテットとジョン・コルトレーンの『Ascension』(1965、95年)
『Jazz in Denmark』 1960年代のバド・パウエル、NYC5、ダラー・ブランド(1962、63、65年)
セシル・テイラー初期作品群(1950年代後半~60年代初頭)

●アミナ・クローディン・マイヤーズ
ヘンリー・スレッギル(8) ラップ/ヴォイス(リュウ・ソラ『Blues in the East』(1993年)にアミナ参加)
アート・アンサンブル・オブ・シカゴの映像『LUGANO 1993』(1993年)(アミナ参加)
アミナ・クローディン・マイヤーズ『Country Girl』(1986年)
アミナ・クローディン・マイヤーズ『Jumping in the Sugar Bowl』(1984年)
アミナ・クローディン・マイヤーズ『The Circle of Time』(1983年)
アミナ・クローディン・マイヤーズのベッシー・スミス集(1980年)
ヘンリー・スレッギル(7) ズォイドの新作と、X-75(『X-75 / Volume 1』(1979年)にアミナ参加)


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