アミナ・クローディン・マイヤーズ『The Circle of Time』(Black Saint、1983年)を聴く。
Amina Claudine Myers (p, org, vo, harmonica)
Don Pate (b)
Thurman Barker (perc)
シカゴAACMのイメージが強いものだから、アミナはシカゴ出身だと思い込んでいたのだが、実は、アーカンサスで生まれ、小さいころからテキサスのダラスやフォートワースの教会でピアノやオルガンを弾いていたのだという。南部からシカゴに出て行ったのは、大学を卒業したあとのことである。ゴスペルやブルースをコアに置く彼女のスタイルも、それで納得できようというものだ。
アミナの音楽が独特なのは、ルーツを大切にしながら、AACMの前衛において活動を展開していったことに違いない。この盤でも、もろにゴスペル(「Do You Wanna Be Saved」などで)を提示しつつ、単音とブロックコードでアグレッシブに攻めまくる。マイラ・メルフォードにも似たようなアプローチがあったが、影響はあったのだろうか。
そしてアミナの声は、可愛くて少しハスキー。タイトル曲の「The Circle of Time」における奇妙な掛け声なんて痺れる。
●参照
ヘンリー・スレッギル(8) ラップ/ヴォイス(リュウ・ソラ『Blues in the East』(1993年)にアミナ参加)
アート・アンサンブル・オブ・シカゴの映像『LUGANO 1993』(1993年)(アミナ参加)
アミナ・クローディン・マイヤーズ『Jumping in the Sugar Bowl』(1984年)
アミナ・クローディン・マイヤーズのベッシー・スミス集(1980年)
ヘンリー・スレッギル(7) ズォイドの新作と、X-75(『X-75 / Volume 1』(1979年)にアミナ参加)