Sightsong

自縄自縛日記

ハミエット・ブリューイット+ムハール・リチャード・エイブラムス『Saying Something for All』

2016-01-08 08:48:41 | アヴァンギャルド・ジャズ

ハミエット・ブリューイット+ムハール・リチャード・エイブラムス『Saying Something for All』(Just a Memory Records、1977、79年)を聴く。

Hamiet Bluiett (bs, fl, s-cl)
Muhal Richard Abrams (p)

ニューヨークにおけるロフト・ムーヴメントの時代。かれらがどれだけナマナマしく輝いていたのか、想像するだけでクラクラとしてしまう。

ムハール・リチャード・エイブラムスは、その都度、1秒前までの過去を忘れ去ったかのように、川向うの彼岸から音楽を呼び寄せては、鍵盤を触り叩く。この人のつかみどころのなさが魅力の根源なのだと感じる。

ハミエット・ブリューイットのバリサクは、吹き始めるやオレオレ世界に入る。ブルースがむせかえるほど漂い、音域がとても広く、また駆動力が激しい。ムハールとのデュオも良いが、79年のソロはとどめる者のないハミエット世界。キーを叩いたり、口笛のような音を出したり、極低音でひた走ったり、循環呼吸を使ったり、よくわからない倍音を提示したり。数年前にワールド・サキソフォン・カルテットの一員として来日したときに駆けつけられなかったことを今だに後悔している。

●参照
ワールド・サキソフォン・カルテット『Yes We Can』(2009年)


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