詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

2014-10-18 01:39:49 | 


坂を子供が駆け降りる音を聞いた。
窓からのぞくと、加速した足が乱れている。
乱れた影が光っている、ふたりの。
空から透明な輝きが降ってきて、何も邪魔するものがない午後。

見上げなくても空の色がひとつだとわかる。
それはいつのことだったのか。
きょうは坂を軽快な自転車が走ってくるのを見た。
音は、風が入って丸くなった背中のシャツの中に閉じ込められている。

あの車輪のように丸いシャツに枯葉の影が映るとしたらどんな形だろう。
見てみたかったが、見えなかった。
自転車の向うに塀の色、下には坂の傾斜。

こんなとき古い本を読んで読み慣れたとことばのなかへ帰って行きたくなるが、
だんだん効果が薄れてきてしまった。
子どもの靴裏の波形を説明することばが見つからない。








*



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発売は限定20部。部数に達し次第締め切り。
なお「谷川俊太郎の『こころ』を読む」(思潮社、1800円)とセットの場合は2000円
「リッツッス詩選集」(作品社、4400円、中井久夫との共著)とセットの場合は4500円
「谷川俊太郎の『こころ』を読む」「リッツッス詩選集」「雨の降る映画を」三冊セットの場合は6000円
です。

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