セレンディピティ ダイアリー

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モンタナの目撃者

2021年09月28日 | 映画

アンジェリーナ・ジョリー主演の、アメリカ西部の森林地帯を舞台にしたクライムサスペンス。「ウィンド・リバー」のテイラー・シェリダンが監督を務めています。

モンタナの目撃者 (Those Who Wish Me Dead)

ウィンド・リバー (Wind River) がとても気に入ったので、本作も楽しみにしていました。前作と同じく、アメリカの広大な自然を舞台に展開する本作は、サスペンスとしてのスリルもさることながら、ヒューマンドラマとしても見応えがあって、引き込まれました。

アンジーの出演作を見るのは久しぶりでしたが、これまで見た彼女の出演作の中で本作のアンジーが一番好きです。これまでが女優としてのアンジーだとすると、本作のアンジーは、ありのままのアンジーのように感じたからです。

映画を見る前はなんとなく、山火事で活躍する勇敢な消防士の話なのかな~?と思っていましたが、冒頭フロリダでとある豪邸がガス爆発する場面から、いきなり意表を突かれました。

不正を暴こうとしていた父親は、自分が悪の組織から命を狙われていることを知り、幼い息子を連れて知人のいるモンタナへとたどり着きますが、父親は息子の目の前で殺されてしまいます。

隠れていた息子はなんとかその場は逃げおおせたものの、顔を見られた悪人2人によって執拗に追われることとなります。(これが原題につながります)

本作は、この少年コナーと、森林の中で偶然コナーと出会った森林消防隊員のハンナ (アンジェリーナ・ジョリー) の逃避行、ハンナをよく知る保安官とその妻、少年を追う2人の悪党を軸として物語が進みますが

ウィンド・リバー同様、モンタナの美しく、たくましくも過酷な大地とともに、この地にしっかりと足をつけて生きている人たちの姿が、力強く描かれています。ハンナ自身、過酷な山火事の現場で、救えなかった命があったことがトラウマとなっていて

自然の驚異、人間の命のはかなさを存分に知っているからこそ、少年コナーに安易に甘いことばをかけることはありません。でも、私はそこに彼女の誠実さと、信念を感じました。

最後に命が助かったものの、天涯孤独の身となったコナーは、ハンナに「この先、僕はどうなるの?」と問いかけます。その時、ハンナが「大丈夫よ」でも「私にまかせて」でもなく、「いっしょに考えましょう」(Figure out together.) といった言葉が心に残りました。

本作、アンジー演じるハンナと保安官の妻アリソン、強くてたくましくて勇気ある女性2人が登場するのもうれしかった。シェリダン監督作品に登場するヒロインはいつも魅力的です。

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Nature/Pizza TOSCANA (2021・盛夏)

2021年09月20日 | グルメ

前回、オープンしたばかりの時に息子と行った学芸大学駅高架下のイタリアン Nature/Pizza TOSCANA (ナチュールピッツァ トスカーナ) に、今度は夫と行ってきました。(前回の記事はコチラ

ランチセットは、メインとなるパスタかピッツァに、スープ、東京野菜ゴチソウサラダ、飲み物、食後のミニドルチェがつきます。

前菜代わりとなる東京野菜ゴチソウサラダは、6種類のトッピングから3種類を選ぶことができるので、前回同様、違うものを3種類ずつ選んでシェアしていただくことにしました。

といっても私は、前回と全く同じく、キャロットラペ、自家製スモークサーモン、バルサミコナッツの3種類にしました。ドレッシングも、前回と同じく有機人参ドレです。スープはミネストローネでした。

そして夫は、前回の息子と全く同じく、お肉系ばかりのセレクションで、切りたてふあふあ生ハム、自家製ポルケッタ、鶏肉のボリート にしました。ドレッシングも、前回の息子と同じく、有機焼き玉葱ドレです。

メインは、ピッツァとパスタをそれぞれ選んでシェアしていただきました。こちらは、自家製ポルケッタ (ローストポーク) とポロネギのピッツァです。見た目は少々地味ですが、焙られた豚肉の旨味がぎゅっとおいしい一品です。

お店のスタッフがりんごの甘煮を持ってきてくださったので、後から味変していただきます。りんごと豚肉は黄金の組合せですが、りんごはマスタードといっしょに煮込まれていて、それがまた豚肉によく合うのです。初めていただくお味でした。

パスタは、お店の名前を冠したTOSCANAのミートソースを大盛りで。ミートソースは家では野菜たっぷりトマト味で作りますが、これはお肉の旨味がぎゅっと凝縮した味わい深いお味でした。パスタはリングイネ風でスパゲティより若干幅広です。

食後のドルチェは、前回と同じく紅茶のプリンとマスカット、さらにブラウニーもついていました。この日 (先月です) は暑かったので、それぞれ冷たい紅茶とコーヒーとともにおいしくいただきました。

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チャーリーズ・エンジェル (2019)

2021年09月19日 | 映画

映画版「チャーリーズ・エンジェル」シリーズの3作目。新エンジェルズを、クリステン・スチュワート、ナオミ・スコット、エラ・バリンスカが演じ、エリザベス・バンクスが監督を務めています。

チャーリーズ・エンジェル (Charlie's Angels) 2019

公開時に見損ねてしまった本作を、Amazom Prime Video で見つけて鑑賞。かっこいい女性エージェントたちが活躍する本シリーズが大好きなので、今回もとっても楽しめました。

もとはTVドラマで、その後何度か映画化された本シリーズですが、時代とともにエンジェルたちのキャラクターも変遷し、その時代を映す鏡になっていると実感します。

前々作で初めてアジア系のルーシー・リューが抜擢された時には驚きましたが、今回はインド系、カリブ系とますます多彩な顔触れに。そしてクリステン・スチュワートにしても、マニッシュな魅力があって、従来のエンジェルとは全く違うタイプですよね。

監督がエリザベス・バンクスということもあり、若干フェミニズム寄りの視点で作られていますが、悪役の男性たちを華麗にぼこぼこにするエンジェルたちは、颯爽としてとってもかっこよかったです!

個人的な話になりますが、昨年は再就職して人間関係の難しさに苦労し「プラダを着た悪魔」に支えられた年でした。 (コチラの記事)  その後 思い切って組織内転職した今は、本作に共感し、勇気づけられました。

というのも本作は、エンジニアであるエレーナ (ナオミ・スコット) が、組織の不正を暴こうとして事件に巻き込まれ、やがてエンジェルズの一員として迎え入れられるまでを描いた作品でもあるからです。

プラダ...に続き、相変わらず図々しい妄想がさく裂していて恥ずかしい限りですが、私にとって、パワーを与えてくれる大切な作品になりました。

本作はノリのいい音楽も魅力のひとつですが、懐かしかったのはドナ・サマーの Bad Girls。

Charlie's Angels - Bad Girl (Gigamesh Remix) The Night Club Dance Scene

サビーナ (クリステン・スチュワート) とジェーン (エラ・バリンスカ) が、敵のいるパーティに乗り込むシーンは、予告映像にもありましたが、かっこいいだけでなく、ガーリィな一面 (なぜかパーティ会場にプリクラがあり、仲良しフォトを撮影) もあってすごく好きです。

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Fiesta del amigo & 田園調布倶楽部

2021年09月12日 | グルメ

2か月くらい前の写真ですが、今さらながらのアップです。

この日は前日、たまたまTVでステーキを見たこともあって、久しぶりに世田谷区・玉堤にある Fiesta del amigo (フィエスタ・デル・アミーゴ) にメキシカン・ステーキを食べに行こう、ということになりました。(前回訪れた時の記事はコチラ)

駅から離れた住宅街にある小さなお店ですが、アメリカの田舎町にあるメキシカン・レストランのような雰囲気があって、なぜか懐かしい気持ちになります。どうやらメキシコ人ではなく日本人の方が経営しているようですが

どういう経緯でここにお店を開いたのか気になります。その昔、メキシコかテキサス辺りに住んでいらしたことがあるのではないか、と想像しています。メキシコ料理のお店ですが、お昼はステーキが中心です。

私は前回と同じくプレミアムロースのステーキをいただきました。これにサルサ風のメキシカンサラダと、スープがつきます。夫も前回と同じくハラミステーキにしていました。

テーブルの上に調味料がずらり。自分の好みの味付けでいただきます。私はたまねぎのすりおろしの入った自家製ステーキソースに、お醤油とにんにく少々加えました。じゅ~っと焼かれたステーキに、お醤油の香ばしい風味がよく合い、おいしくいただきました。

***

これはまた別の日。この日は私がモデルナの1回目のワクチンでしたが、夫が半日休みをとって車で迎えに来てくれたので、帰りに田園調布倶楽部に寄ってお昼をいただきました。2階にイタリアンレストランがありますが、この日は1階のカフェに入りました。

自家製スモークサーモンとルッコラのピッツァ。

DENCULAナポリタンは、お店のオリジナルナポリタン。上に目玉焼きがのっています。

せっかくお休みを取ってくれたのに悪いですが、この日も翌日もほとんど副反応なく拍子抜けしました。モデルナの2回目はかなりつらいと各種情報で目にしていましたが、私は2回目もほとんど軽くすみました。

”副反応が軽い”という声はとかく届きにくいですし、ワクチンの種類によらず個人差があるとも感じていますが、これから受ける方には、必要以上に心配しないようお伝えしたいと思います。

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永遠に美しく...

2021年09月11日 | 映画

いつまでも若く美しくありたいと願うあまりに、禁断の秘薬に手を出してしまった愚かなる女性2人を、ブラックユーモアたっぷりに描いた1992年のコメディ映画です。

永遠に美しく (Death Becomes Her)

Amazon Prime Videoで見つけて、ロバート・ゼメキス監督、メリル・ストリープ主演というのに期待して見ましたが、予想外にとんでもない作品でした。^^; ひとことで言えば、ものすごく贅沢に作られたB級映画といったらよいでしょうか。 (褒めています)

メリル・ストリープ演じる女優のマデリーンと、ゴールディ・ホーン演じる作家のヘレンが、若さと美しさを競って激しいバトルを繰り広げます。2人の間で翻弄される美容外科医のアーネストをブルース・ウィリスが演じていますが

本作ではパワフルな2人の美女にはさまれて右往左往する気弱な役どころで、アクションシーンもないので、映画が終わるまでブルース・ウィリスだと気がつきませんでした。でも最終的に、アーネストが一番幸せな人生を送っていました。^^

私自身、健康と美容に今まで以上に気を配るようになってきましたが、最近つくづく思うのは、老化のスピードを遅らせることはできても、若さを取り戻すことはできないということ。

だったら、時の流れにさからうのではなく、上手に年を重ねることを考えた方がいいと思うのです。まあ、そういいながら、じたばたしてしまう自分もいるのですが。^^

いやー、それにしてもメリル・ストリープほどの才媛が、下品なセリフがぽんぽん飛び出す、こんなにおバカな女性を大真面目に演じるなんて。そのことにも衝撃を受けました。女優さんてすごいです。

ゼメキス監督らしく、VFXがふんだんに使われていて、ありえない特殊映像の数々が、ばかばかしくも見応えありました。^^

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Rainforest Cafe

2021年09月10日 | グルメ

映画を見た後、イクスピアリの Rainforest Cafe (レインフォレストカフェ・トーキョー) でお昼をいただきました。熱帯雨林をフィーチャーしたテーマ・レストランです。

映画館のすぐ斜め前、動物のぬいぐるみなど扱っているショップで受付し、地下に向かうとそこはアマゾンのような熱帯雨林の世界です。洞窟を模した広い店内に、フェイクの熱帯植物が茂り、ネオンを灯した水槽に熱帯魚がひらひらと泳いでいます。

Rainforest Cafe は、アメリカにいた頃、フロリダのディズニーワールドの他、ショッピングモールなどにもよく入っていたと記憶していますが、アメリカ版Wikiを見たら、今や知っているお店がほとんどクローズしていて驚きました。

舞浜のお店は現在日本では唯一ある店舗で、今となっては多少老朽化している感は否めないものの、よくも悪くもアメリカらしさが懐かしく、楽しい食事となりました。

私はペンネ・アラビアータをいただきました。トマトソース、なす、ベーコンをからめたペンネで、おいしかったのですが、アメリカンサイズで量がやや多く、最後の方はちょっと飽きてしまいました。

日本だったら、この半分のサイズにして、スープやミニサラダなどとセットにするところでしょうが、この半端ない量の感覚にアメリカを思い出し、懐かしくなりました。

こちらはRFCバーガー。お店の名前(イニシャル)を冠したシグネチャー・バーガーらしく、間違いのないおいしさでした。食べきれないほどたくさんのフレンチフライは、ハインツのケチャップをディップしながらいただきました。

ちょっとわかりにくいですが、奥のジャングルでゴリラの人形が、うほっうほっとしています。店内は時々雷鳴がとどろいて、スコール(音だけ)がやってきます。アトラクションのような感覚で楽しめるレストランです。

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オールド

2021年09月06日 | 映画

M・ナイト・シャラマン監督の最新作は、時の流れが異常に速い、謎のビーチを舞台にしたスリラーです。

オールド (Old)

なんだかおもしろそう!とイクスピアリまで遠征して見に行ってきました。映画が始まる前にシャラマン監督からのメッセージ。監督の Welcome back ということばには、映画の内容とも相まって、コロナ時代をサヴァイヴし、映画館に足を運んで見に来てくれた観客への

感謝と歓迎の気持ちが込められていると私は受け止めましたが、いかがでしょうか。非常事態をしばし忘れて、映画館の大きなスクリーンならではの映像体験、摩訶不思議な映画体験ができて、私はとっても楽しめました。

リゾートホテルに向かう送迎の車中のシーンからはじまる本作。いかにもニューヨーク郊外の住宅地に住んでいそうな家族の、いかにも いかにもな会話がシニカルでおもしろく、一気に映画の世界に引き込まれました。

ネットでこのリゾートを見つけたという妻は「ほら、カンクン(ニューヨーカーに人気のメキシコのリゾート地)よりいいでしょ!」と誇らしげに胸を張りますが、実は彼女がここを見つけたのではなく、ここが彼女を見つけたのでした。

この作品、大部分は非科学的な話なのですが、ところどころに現代科学の要素をブレンドしていて、その匙加減の絶妙さが、ストーリーに程よいリアリティと緊張感を与えていると感心しました。

後になってから、序盤にさまざまな伏線が散りばめられていたとわかりますが、映画を見ている時は謎解きをする気はなく、ただただストーリーの流れに身を任せて見ていました。そしておそらくそれが正しい鑑賞方法だと思います。^^

最後の方で場面がパパッと変わって、短時間で手際よく真相が明らかになる手法も鮮やかでした。お勧めの作品です。

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Restaurant Solfege & Comme'N

2021年09月02日 | グルメ

目黒通りにあるフィットネスクラブに併設されたレストラン Restaurant Solfege (レストラン ソルフェージュ) でお昼をいただきました。最近偶然知ったお店ですが、1年前にオープンしたそうです。

ソルフェージュといえば、昔ピアノで習っていた楽典や音楽理論を思い出します。私はピアノだけでなく、こういう理論も大好きでした。どこか数学に通じるおもしろさがあります。店内にはグランドピアノが置かれ、サロンのような雰囲気でした。

ランチは日替わりの他、お肉料理、お魚料理、パスタ等のセットがあります。

セットにつくスープとサラダ。スープは冷たいコーンスープですが、クリーミィでありながらさっぱりとした口当たり。サラダは野菜が瑞々しく、ドレッシングもおいしかったです。

こちらはお肉料理。この日は豚肉のローストでした

おいしそう! いつもは途中でお皿を交換するか、取り皿でシェアしていただくことが多いですが、テーブル中央でアクリル版に仕切られていたので、今回味見はさすがにがまん。

私はパスタのセットにしました。この日のパスタは真鯛を使ったオイルベースのスパゲティ。さっぱりとして私好みのお味でした。

食後に飲み物がつきます。私はハーブティをいただきました。

バーカウンターもあって、落ち着いた大人の雰囲気です。

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この後、九品仏にある人気のパン屋さん Comme'N (コム・ン) に行ってみました。以前はいつも行列ができていましたが、最近ようやく落ち着いてきたので、行ってみる気になりました。

バゲット、カンパーニュ、クロワッサンなどのフレンチブレッドがいろいろ。私はどちらかというこういうハード系のパンが好きなので、魅力的すぎて目移りしてしまいましたが、結局ベーシックなバゲットと、ベーグルのような食感のパンを買いました。

ガーリックブレッドにして、食事のおともにしたり、パンペルデュ (フレンチトースト) にしたり、とおいしくいただきました。

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本心

2021年09月01日 | 

平野啓一郎さんの最新作は、自由死が合法化された近未来の日本が舞台。シングルマザーに育てられた孤独な青年 朔也は、亡くなった母そっくりの VF (バーチャルフィギュア) を作り、自由死を望んだ母の本心を探ろうとします。

平野啓一郎「本心」

カズオ・イシグロ「クララとお日さま」に続き、こちらも AI が登場する小説です。とはいえ、未来を舞台にはしているものの、描かれているのはSFの世界ではなく、過去から現代、そして未来へと連なる人間の心の物語である、と私は思いました。

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今よりさらに格差が進んだ近未来。主人公の朔也はリアルアバターという仕事に就いています。ヘッドセットをつけて、依頼人に代わって思い出の地を訪れるなど、人の心に寄り添う仕事ですが、一方で依頼人から便利に使われることもしばしば。

朔也は、母の生前を探っていく中で、母と仲良くしていたという三好という若い女性と会い、その後三好が災害で行き場をなくしてからは、家に呼び寄せて母が使っていた部屋を貸し、いっしょに暮らすようになります。

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朔也と三好は、こっちの世界に住んでいて、あっちの世界に移り住むことは不可能だと半ばあきらめています。先の見えない閉塞感の中、読んでいて心が押しつぶされそうになることもありましたが、朔也があるきっかけでイフィーと出会って

アシスタントを務めるようになってからは、一気にエンタメ性が高まり、おもしろくなってきました。

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イフィーは、人々がバーチャルな世界で遊ぶ時に装うアバターのデザイナーで、巨万の富を築いていますが、いたって気さくで、こだわりのない、心の広い人物。(私の中では「ザ・ハッスル」に出てくるトーマスみたいなイメージ)

朔也と三好にとっては、あっちの世界に住むイフィーですが、彼には障害があって車椅子に乗っていて、人の手を借りなければ生活できないことにコンプレックスを抱いているのです。

朔也、三好、イフィーという3人の、微妙なバランスの上に成り立つ関係。私は、朔也が大切な人の幸せを願ってとった行動に、涙が止まらなくなってしまいました。

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この他、VFである母が介護施設でお話相手として仕事を始めるのも衝撃でした。人は亡くなってもなお、だれかの役に立てるというのは、ちょっとした希望を与えてくれました。(亡くなった後のことなんて知らんこっちゃないといってしまえばそれまでですが)

「クララのお日さま」との共通点もありました。AF、VFは、持ち主の心の穴を埋めてくれる存在ですが、持ち主がAF、VFなしに暮らせるようになることが、あるべき到達点なのだろうと思います。

今年一番のお勧めの小説です。(余談ですが、昨日 平野啓一郎さん原作の「ある男」の映画化が発表されましたね。原作がとてもよかったので、映画も見てみたいです!)

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