セレンディピティ ダイアリー

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あしかがフラワーパーク ふじのはな物語 2024

2024年04月21日 | おでかけ

昨年、亀戸天神に藤の花を見に行ったら、もう花がすっかり終わっていたので、夫が今年は亀戸もいいけど、あしかがフラワーパーク まで藤の花を見に行ってみる?と誘ってくれました。

【過去記事】亀戸天神の藤 (2023-05-13)

あしかがフラワーパークは、栃木県足利市にあった早川農園の250畳の大藤を移植して1997年に開園。以降、藤の花を柱として、さまざまな花と木を園内に配し、1年を8つのテーマに分けて、一年を通して季節感あふれる庭を楽しめるように作られています。

そして4月中旬~5月中旬のテーマは「ふじのはな物語」。うす紅藤~むらさき藤~白藤~きばな藤と、開花の時期を少しずつずらして、さまざまな藤の花が楽しめます。私たちが訪れた時は、藤棚に作られた大藤や、白藤がまだほとんど開花していなかったのが残念でしたが

うす紅藤とむらさき藤がちょうど見頃を迎えていました。藤の他にも、つつじがちょうど満開で、広い園内を散策しながら春の花々を満喫しました。


西ゲートから園内に入って最初に目に留まった藤の花。これだけで、わ~っと感動しましたが、これはまだほんの序章でした。


藤の花と、八重桜の競演。八重桜もちょうど見頃を迎えていました。


藤と、つつじと、八重桜。夢の世界のようです。


めずらしいきばな藤。まだ若い木でした。後で調べたところによると、きばな藤は正確にはキングサリといって、藤とは別種とのことです。キングサリはヨーロッパ原産で、日本では栽培が難しいのだそうですよ。


八重桜も最近は種類が増えていますね。ソメイヨシノより色が濃く、華やかで愛らしく、花期も長くてお気に入りです。


めずらしいルピナスの花壇がありました。カナダの (赤毛のアンの舞台で知られる) プリンスエドワード島で、ルピナスが一面に咲いていたのを思い出します。藤の花に似ているので、昇り藤との別名があるとか。藤にあわせた、遊び心のある花壇ですね。


淡い紫色がきれい。藤の花はとても香りが華やかで、そのことにも驚きました。


うす紅藤の大木。淡い色が幻想的でした。


うす紅藤の藤棚が作られていました。ちょうど見頃を迎えていて、弧を描いて続く藤棚はそれはそれは見事でした。


背景の新緑と、藤の紫とのコントラストがきれい!


水辺の風景にうっとり。


近くでパチリ。


バラのアーチの足元に咲いていたチューリップ。花はまだですがバラ園もありました。来月はきっとバラもきれいでしょうね。



藤のソフトクリームでひと休み。

この後、まだ少々続きます。

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灯台からの響き

2024年04月19日 | 

久しぶりに本の感想です。

宮本輝「灯台からの響き」

夫から「読む?」と渡された本です。彼は宮本輝さんがわりと好きみたいですが、私はこれまで何となくご縁がなくて、実は読むのは初めて。読んだことはないものの「青が散る」「ドナウの旅人」など、洒脱で都会的な文学というイメージがありました。

夫は宮本輝さんのことを、人の心の機微がわかる小説家だと言うので、楽しみに読みはじめました。が、最初はなかなか物語の世界に入っていけなくて...。

東京・板橋の商店街の中華そば屋のご主人が、妻を亡くして意気消沈し、店をたたんでぼうっとしていたところ、妻が本の間に、ある大学生からのはがきをはさんでいたのを見つけます。

妻はかつて、その大学生からはがきが届いた時「こんな人は知らない。何かの間違いだ」と返事を書き送ったのですが...

妻はなぜ、その間違えて届いたはがきを、大事に本の間にはさんで取っておいたのか。疑問に思ったご主人は、謎を解き明かす旅に出ます。

***

最初は中華そばの作り方も、灯台めぐりの旅も、あまり興味がもてなくて、やや退屈に感じながら読んでいたのですが、最後の最後に妻が一生をかけて守り抜いた秘密が明らかになる場面で、がつんと衝撃を受けました。

ごく平凡な中華そば屋のおかみさん(もちろん家族にとってはかけがえのない存在ですが)が聖女のように思えてきました。この読後感にデジャヴを覚えて、なんだったっけ...と記憶を手繰り寄せれば

ジュディ・デンチの「あなたを抱きしめる日まで」だ!と思い出しました。ストーリーはまったく違うのですが、どちらの女性も、類まれな強さと気高さを持っていると思いました。宮本輝さんは、ひょっとしたらクリスチャンなのかな?と思いながら読みました。

それから退屈と書きましたが、途中で主人公の亡くなった幼馴染に隠し子がいることが発覚するあたりから、おもしろくなりました。その隠し子の青年がきっかけで、主人公がいろいろな新しいことにチャレンジするようになるのです。

宮本輝さんの他の小説も読んでみたくなりました。

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とらわれて夏 / 愛しい人からの最後の手紙 / 灰

2024年04月13日 | 映画

最近すっかり劇場に足が遠のいてしまって... NETFLIXで見た恋愛映画3作品の感想です。

とらわれて夏 (Labor Day) 2013

ケイト・ウィンスレットとジョシュ・ブローリン主演。ロマンスあり人間ドラマあり、スリリングな展開もあってとてもおもしろかったです。主演の2人の演技はさすがの一言で、息子役の少年のデリケートな演技もすばらしく、心に残る作品でした。

離婚してシングルマザーとなったアデル (ケイト) は、無気力に毎日をすごしていましたが、優しい息子のヘンリーは、いつも母を気遣い、寄り添っていました。そこに、逃亡中の脱獄犯フランク (ジョシュ) が入り込み、ひょんなことから匿うことになってしまいます。

最初は恐怖に震えるアデルでしたが、フランクが料理を作ったり、荒れ放題の家を見かねて修繕したりしていく中で、いつしか3人の間に疑似家族のような関係が生まれます。アデルは愛を求めていたし、年頃のヘンリーにはよき父親が必要でした。

そしてフランクもまた、過失から家族を殺めた過去を悔い、アデルたちと人生をやり直したいという希望が芽生えたのだと思います。夏休みが終わり、新学期が始まる日に、フランクとアデルは国境を越えカナダに逃亡する計画を立てますが...。

***

料理を作ってみんなで食べる。住居をきちんと整える。そういう当たり前のことがいかに大切か、ということに気づかされました。フランクが作るチリビーンズやピーチパイのなんておいしそうなこと! 作りながらアデルと手が触れるシーンは、なんだかとても官能的でした。

ヘンリーはアデルの幸せを願っていたけれど、逃亡する時に自分は置いていかれると思ったのでしょうね。だから自分も連れていってもらえると知った時はどれほどうれしかったことでしょう。

原題のレイバーデイは9月の第1月曜日で、アメリカではこの日が夏休み最後の日で次の日から新学年がはじまります。フランクが作ってくれたピーチパイが、後日譚に生かされていたのも心憎かったです。

愛しい人からの最後の手紙 (The Last Letter from Your Lover) 2021

記者のエリー (フェリシティ・ジョーンズ) は、資料の中から偶然見つけた古いラブレターに興味を持ち、その後の結末を調べ始めます。そこには50年前の若き貴夫人ジェニファー (シェイリーン・ウッドリー) と、新聞記者アンソニーとの禁断の恋がつづられていました...。

フェリシティ・ジョーンズと、シェイリーン・ウッドリーが好きなので、楽しみにしていました。ジェニファーはいわゆる良家の奥様ですが、しょせんは夫のお飾りで、社交の場で自分の意見を言うことさえ許されない。

自由な思想をもったジャーナリストのアンソニーに惹かれたジェニファーは、彼と逢瀬を重ね、やがて彼とともにニューヨークに逃げようとしたところ、自動車事故に遭って記憶喪失になってしまう、という物語。

ありがちなストーリーですし、しょせんは不倫と思ってしまって、あまり共感はできなかったのですが、映画を彩る60年代?頃の雰囲気と、シェイリーン・ウッドリーのゴージャスでクラシックなファッションの数々が楽しめました。

 (Kül / Ashes) 2024

トルコといえば、イスタンブールのマーケットがよくアクション映画の舞台になりますが、トルコでふつうに暮らす人たちの映画は、そういえば見たことがないかも、と思って見てみたくなりました。出版社を経営する夫と何不自由のない暮らしをしている妻が

自宅に送られてきた小説の原稿を読んでいくうちに、小説のモデルと思わしき男性を見つけて、彼にのめりこんでしまう...という、これまた不倫の物語でした。正直、彼の魅力がよくわからなかったし、ヒロインの心情にも共感できませんでした。

ただ、トルコの格差社会を垣間見たり、街の様子がわかったり、ロマンスと思って見ていたら実はサスペンスだったりという意外性があって、まあまあ楽しめました。

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アークヒルズの休日 桜と音楽とビストロランチ

2024年04月06日 | おでかけ

久しぶりにアークヒルズで週末開催しているマルシェにお買い物に行ったら、いつになくたくさんの人たちが集まっていてびっくり。何事かと思ったら、サントリーホールのオープンハウスが開催されていました。

コンサートの前のひととき。モーツアルトさん^^と司会の方の軽妙なやり取りが楽しい。

サントリーホールのオープンハウスは毎年桜の時期に開催されているイベントで、無料でミニコンサートやガイドツアーなどが楽しめます。前回は2019年 (コロナ前ですね) に訪れて記事にしているので、詳細はそちらをご覧いただけたら幸いです。

サントリーホール オープンハウス2019 (2019-04-07)

ガイドツアーは前回参加したので今回は参加せず、大ホールでオーケストラの演奏と、小ホールで声楽家の方の歌を聴きましたが、やはり生で聴くプロの演奏はすばらしいの一言。選曲も親しみやすく長すぎず、小さい子でも楽しめるよう配慮されていました。

<オーケストラコンサート>指揮:小林雄太 演奏:横浜シンフォニエッタ
曲目:グリーグ:組曲『ホルベアの時代から』より「前奏曲」
   モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番 イ長調 より 第1楽章 ピアノ:永吉友亮
   ドヴォルジャーク:スラブ舞曲第10番 ホ短調
   モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調「ジュピター」より 第4楽章

オープンハウスで音楽を堪能した後は、アークヒルズにあるビストロ BRASSERIE LE VIN (ブラッセリー ルヴァン) でランチを楽しみました。写真は通路に面したカウンター席ですが、奥のテーブル席でいただきました。

前菜のサラダがとてもおいしかった。生ハムの下にキャロットラペやキャベツのマリネが隠れていてボリュームたっぷり。ほかほか焼きたてのパンもおいしかったです。

ハンバーグの黒いデミグラスソース ポーチドエッグ添え。黒いデミグラスソースはインパクトがありますが、ワインの酸味が感じられ、意外とさっぱりとしています。ポーチドエッグは一見モッツァレラだと思った... こんなに美しいポーチドエッグは初めて見ました。

私は小エビのクリームソース タリアテッレにしました。緑の野菜はブロッコリーでしょうか。ソースはさらりとしていてスープパスタのよう。小エビの風味によく合いました。

食後のコーヒーでゆったりとくつろいでから、桜を見に行きました。

アークヒルズは桜の名所でもあります。

桜は満開を少し過ぎたところで、もうはらはらと散りはじめていました。

そろそろ葉っぱが出てきていました。今年は3月になかなか気温が上がらず、開花が例年より2週間ほど遅れた上に、ようやく咲いたと思ったら連日の雨と桜にとって受難の年でしたが、薄曇りの下、最後の力を振り絞るように咲く桜のはかない美しさに心を動かされました。

帰りは、六本木ヒルズのけやき坂、明治通りの天現寺から渋谷橋交差点と、桜のきれいな並木道を通って、車の中からお花見を楽しみました。

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