セレンディピティ ダイアリー

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シュリンプトースト & バルサミコナッツ

2021年08月29日 | 料理

コロナの感染拡大を受けて、今月に入ってから在宅勤務が中心となっています。時間に余裕ができるかというと決してそんなことはなくて、無駄が少なくなった分、かえって仕事の密度は高くなっているような気がします。

コロナ後も、社会全体でこの傾向は続いていくかもしれませんね。

さて、久しぶりにお料理の話題です。お店で食べたお料理にヒントを得て作ったアペタイザーなど、いろいろです。

シュリンプトースト。イクスピアリのモンスーンカフェでいただいたのがおいしかったので、ちょうど冷凍庫に凍らせた卵白があるし、自分で作ってみたくなりました。こちらのレシピを参考にしました。

香菜は入っていませんが、長ねぎの代わりに九条ねぎを使ったので、グリーンがアクセントになりました。食パンが油を吸って油っぽくなるかと心配でしたが、かりっとおいしく仕上がりました。

バルサミコナッツ。学芸大学の Nature/Pizza TOSCANA さんでいただいたサラダのトッピングにあったものをヒントにしました。作り方は適当に想像して、ミックスナッツをスキレットで乾煎りして、バルサミコ酢とはちみつをからめ、上にローズマリーの枝をのせました。

ふだんはクミンとメイプルシロップで作ることが多いのですが、こちらの方がさっぱりとした仕上がりです。このままでもおいしいですが、サラダや肉料理のトッピングにも合いそうです。

チーズといぶりがっこのカナッペ。チーズといぶりがっこが合うとよく聞いていたので、一度試してみたいと思っていました。クラッカーの上にブルサン (boursin) のペッパーをぬって、その上に薄切りにしたいぶりがっこをのせました。

いぶりがっこの燻製の風味がブルサンによく合い、思いがけないおいしさです。手が止まらなくなるのでご注意を。

この夏はフルーツサンドにはまっていて、ランチにもよく持っていってました。いちご、ブルーベリー、桃、メロンといろいろ作りましたが、一番気に入ったのは桃です。

生クリームの代わりにマスカルポーネを薄くぬってはさんでいるので、"萌え断” とはいきませんが、カロリー控えめ、甘さも控えめで、フルーツのおいしさがストレートに味わえます。黙食のささやかな楽しみとなっていました。^^

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ブルーベリー狩り2021 & cafe Felice @GARDEN SQUARE

2021年08月22日 | おでかけ

毎年恒例、練馬区の観光農園にブルーベリー狩りに行ってきました。練馬区には、約30か所のブルーベリー観光農園があり、7~8月頃にかけて摘み取りを楽しむことができます。

ブルーベリー観光農園(練馬区公式サイト)

ここ数年は ”ファーム大泉学園” さんのお世話になっていましたが、今年は気分を変えて ”内堀農園” さんに行ってみることにしました。ここは2010年に初めてブルーベリー狩りに行った記念すべき第1号のブルーベリー農園です。その時の記事はコチラ

今読んでも、その時の興奮が伝わってくるようです。^^ 当時と同じく、ちゃきちゃきしたおかみさん、優しいよくできたお嫁さん、電話応対してくれたおじいちゃんが、力を合わせて切り盛りされていました。農園は大賑わいで忙しそうでした。

受付の時、はっきりもの言うおかみさんに「その格好で大丈夫? 蚊に刺されるわよ」とダメ出しされてしまいましたが、それを見てブルーベリー狩りに来ていた優しい小学生の女の子が、蚊よけスプレーを貸してくれました。^^;

ここの農園は1本の木についているブルーベリーの数がとにかく多いという印象。それほど動かないうちに、みるみる摘み取り用のバケツがブルーベリーでいっぱいになっていきました。午前の閉園まで1時間と少しだったので、黙々とひたすらに摘み続けました。

今年は約3.0kg摘みました。当座の分だけ冷蔵庫に入れ、あとは冷凍庫に入れておきます。秋ぐらいまでヨーグルトやスムージー、アイスクリームのトッピングと存分に楽しみたいと思います。

***

帰りは何度か行ったことのある、練馬区・中村南の GARDEN SQUARE に寄って、1階の cafe Felice (カフェ・フェリーチェ) でお昼にしました。ここは1階がカフェ、2階がイタリアンとなっていて、どちらも窓から見る緑の景色がすばらしいです。

1階の cafe Felice の過去記事はコチラ
2階のイタリアン La Ventura の過去記事はコチラ

この日はショートパスタのグラタンと、ピッツァをとって、シェアしていただきました。

ゴルゴンゾーラ、くるみ、はちみつのピッツァ。ゴルゴンゾーラのわずかなクセと塩味、蜂蜜の甘さの組合せが絶妙で、私の大好きなピッツァです。最初に考えた人を尊敬します。

ショートパスタのグラタン。以前にもいただいたお料理ですが、具材の組合せは違っていたように思います。そしてレモンの風味がありました。

暑い中でブルーベリー狩りに夢中になって、ちょっとふらふらしていたので、冷えたアイスティに人心地つきました。

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東京ひつじ食堂

2021年08月16日 | グルメ

帰省していた息子と、学芸大学の「東京ひつじ食堂」にお昼を食べに行きました。

ここは今年4月にオープンしたばかりの ”ラム肉を使った中華料理” というめずらしいコンセプトのお店です。メニューは担々麵、中華そば、炒飯、餃子などですが、叉焼も肉味噌もどれもラム肉というのがおもしろい。排骨麺にはラムチョップが使われています。

ラムのお店は、時にディープで入りにくかったりしますが (あくまで主観)、ここはこざっぱりとしていて以前から気になっていました。”女性がひとりでも気軽に食事やお酒を楽しめる”飲食店を目指して誕生した (PRTIMES) というのに納得です。

ナチュラルテイストのカフェ風インテリアですが、お料理はしっかり本格的でおいしかったです。

私はお店のおすすめ、黒ひつじ担々麵に香菜トッピングを追加していただきました。香菜もりもりで見えませんが、下にはラム挽肉がたっぷり隠れています。練胡麻を使ったねっとりコクのあるスープ、全粒粉?のようなオリジナル麺もおいしかった。

ラム挽肉は主張しすぎず、ほのかにエスニック風味。香菜がよく合いました。

息子は夏のおすすめ、冷やしひつじ担々つけ麵にしました。彼も香菜トッピングを増し増しで。こちらは替え玉が1個無料でつきます。レトロなやかんに入っているのはスープで、最後につけ汁に、蕎麦湯のように薄めて飲んでいました。

この日迷った、ひつじ肉味噌の麻辣まぜ麺も絶対に食べてみたいし、きっとまた足を運んでしまうと思います。

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イン・ザ・ハイツ

2021年08月15日 | 映画

ミュージカル「ハミルトン」のリン=マヌエル・ミランダが、ハミルトンの前に手掛けた名作ブロードウェイ・ミュージカルの映画化です。

イン・ザ・ハイツ (In The Heights)

ミュージカルが好きなので楽しみにしていました。「クレイジー・リッチ!」(Crazy Rich Asians)のジョン・M・チュウが監督を務め、原作者であるリン=マヌエル・ミランダが製作を務めています。(ちょこっと出演も)

舞台となるのは、ラテン系移民が多く住む街、ワシントンハイツ。マンハッタンのハーレムよりもさらに北のエリアで、私にはほとんどなじみがないのですが、映画の中でランドマークとして登場するジョージ・ワシントン・ブリッジは

ニューヨークからニュージャージー、さらにその先まで出かける時に高速道路で必ず通る橋なので、とても懐かしかったです。この映画は、ドミニカやプエルトリコ等から移り住んだラテン系移民たちの物語。序盤から彼らのパワフルなラップや音楽、情熱的なダンス

カラフルで少々露出多めのファッションに圧倒されました。音響のいいシアターで見たので、迫力満点でした! 美容院に集まる女性たちのかまびすしいおしゃべりや、れんが造りのビルの鉄製の非常階段で語り合う恋人たちのシーンなど

ウエストサイドストーリーへのオマージュを感じさせる場面もありました。プールを俯瞰した大勢によるダンスや、れんがの壁をバーティカルに使ったニーナとベニーのダンス、ビルの上から布地が垂れ幕のように下りてくるシーンなど、映像表現も印象的でした。

私が涙ぐんでしまったのは、街一番の秀才だったニーナがスタンフォード大学に進学するも、差別と孤独、親の経済的負担への申し訳なさから、大学を辞めることを思い悩むシーン。

Breathe - In The Heights Motion Picture Soundtrack (Official Audio)

でも、ニーナの周りに同じような人がいないだけで、こういう努力や苦労は、アジア系にとっては結構当たり前だったりするのですよね。それに親の立場としても彼女にこんなことであきらめて欲しくない、と思っていたので、彼女の決断にほっとしました。

私は、ウスナビの店で毎日のようにLOTOを買う彼らの、棚からぼたもちを期待する考えに共感できなかったりもするのですが、ソニーたちが平等と機会を求めて社会運動に参加する姿、そして停電の夜に

街のお母さん的存在であるアブエラが、これまでの人生を振り返り、苦難への思いのたけをぶつける歌に頭をガツンとなぐられたような衝撃を覚えました。

Paciencia Y Fe - In The Heights Motion Picture Soundtrack (Official Audio)

アブエラがアメリカに渡ってきたのは、ちょうどウエストサイドストーリーの時代でしょうか。その苦難の道は現代とは比べ物にならなかったことでしょう。そして彼女たちを支えたのが信仰であり、幸運に与ることだったのでしょうね。

冒頭のドミニカのビーチの場面から、どういう結末になるのかと思いましたが、なるほどこれなら納得、というすてきなエンディングでした。

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Brooklyn Parlor &新宿の猫

2021年08月13日 | グルメ

新宿のバルト9で映画を見た後、同じビルの地下に入っているアメリカンダイナー、Brooklyn Parlor (ブルックリンパーラー) でお昼をいただきました。

煉瓦の壁に本棚が埋め込まれた広々とした空間に、テーブル席やソファ席がさりげないバランスで配されています。甘すぎず、整いすぎず、適度に崩した温かみのあるインテリアが心地よい。

ウィークエンドランチは、ハンバーガーを中心としたメニューでした。

ベーシックなハンバーガー。パティがお肉のうまみがあってクセがなく、とてもおいしかった。

うずだかいハンバーガーは、チリビーンズ&チェダーチーズハンバーグに、アボカドをトッピング。ボリュームたっぷりです。

私は、コーンビーフとゴーダチーズのパニーニにしました。手前はコルニッション (小さなきゅうり) のピクルス。コーンビーフは久しぶりでしたが、とけたゴーダチーズがからまって最高においしかったです。トマトなどもはさまっていて、複雑な味わいでした。

ちょっと甘いものが飲みたくなって、グアバジュースといただきました。

***

この日はお天気も今ひとつだったし、特に買い物もなかったのでそのまま帰ってしまったのですが、後から「そうだ、せっかくだから新宿の猫を見ていけばよかった」と思い返しました。

そうしたら後日、新宿に出かけた息子が動画を撮って送ってくれました。

動画からワンショットを切り取りました。ビルから立体的に飛び出す巨大猫ちゃんですが、実はこれ、3D広告なんです。場所はJR新宿東口スクランブル交差点に面したクロス新宿ビルです。詳細はこちらの記事をどうぞ。(動画あり)

新宿のビルの屋上に巨大猫が出現!3D屋外広告「クロス新宿ビジョン」が運用開始 (TECTURE MAG 2021-07-12)

以前から、中国や韓国でも同様の3D屋外広告が話題になっていましたね。私は特に、韓国の「Wave」がアーティスティックで気に入っています。こちらもよかったら、こちらの記事をご覧ください。(動画あり)

中国と韓国のデジタルサイネージで放映中のコロナ禍でも話題となった3Dコンテンツ (GASKET 2020-10-10)

追記:ニューヨークの SoHo にある ZARA のショウウィンドウ。こちらもすごい!

This is a computer-generated digital art installation inside a Zara store in NYC's Soho district

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ワイルド・スピード ジェットブレイク

2021年08月12日 | 映画

カーアクション「ワイルド・スピード」シリーズの最新作です。

ワイルド・スピード ジェットブレイク (F9 / F9: The First Saga / Fast & Furious 9)

帰省した息子を交えて、楽しみにしていた本作を早速見に行ってきました。

本作に関しては、説明はいらないですよね。^^ 物理の法則をことごとく無視したなんでもありのカーアクションを、つっこみを入れつつ堪能しました。

これまでにも、高層ビルから高層ビルに車で飛び移ったり、上空の飛行機から車で地上に飛び降りてそのまま全速力で走り出したり、さまざまな離れ業で 笑わせて 魅了してくれた本作ですが、今回は崩れ落ちる木製の吊り橋の上を走り抜けたかと思うと

なんと車がロケットに搭載されて宇宙ステーションまで行ってしまう、というイーロン・マスクも驚きの展開が待っています。さすがにやりすぎでしょ、と思いますが、これこそがワイルドスピードの醍醐味。

これからも、世の科学者やエンジニアを刺激し?未来に夢を与えてくれるアイデアを提供しつづけて欲しいです。

ドラマのパートでは、ファミリーのリーダー ドム (ヴィン・ディーゼル) に、父の事故死をめぐって長年確執の関係にあったという弟ジェイコブが初登場。カインとアベルの激しいバトルが繰り広げられますが、最後はあっけなく仲直りします。

さらには TOKYO DRIFT で謎の事故死を遂げたハンが実は東京でひっそりと生きていた、というまさかの復活劇。渋谷の街が戦後の闇市か、はたまたブレードランナーかという描写で、これまたつっこみどころ満載で楽しかったです。

何はともあれ、最後はいつものようにファミリーが勢ぞろいしてBBQで大団円を迎え、ほっと胸をなでおろしました。

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OUTBACK STEAKHOUSE

2021年08月08日 | グルメ

映画を見た後に、イクスピアリに入っている OUTBACK STEAKHOUSE (アウトバックステーキハウス) でお昼をいただきました。

アウトバックはアメリカでポピュラーなステーキハウスのチェーン。ニューヨークでは他に行きつけのステーキハウスがあって、アウトバックに行く機会はありませんでしたが、最初に住んだバージニアで、何度となく訪れた懐かしいお店です。

創業はアメリカ・フロリダで、店内はオーストラリアをテーマにしたワイルドな雰囲気です。無骨でシンプル、どかんと大きいアメリカンなステーキをメインに、菊の花が咲いたような大きなオニオンフライ、ブルーミン・オニオンが名物料理となっています。

最初に運ばれてきたハニーブレッドとホイップバターはお代わり自由。アメリカと同じお味で懐かしくなりました。ナイフが無造作に刺さっているところがアメリカ流?それともオーストラリア流でしょうか。

めずらしくノンアルコールのカクテルをいただきました。奥は、フローズン・ミント・レモネード。私は手前の、ポメグラネイト・ブルーベリー・ティ (ざくろとブルーベリーのアイスティ) をいただきました。

シーザーサラダ。チーズの入った濃厚なドレッシングでいただくロメインレタスのサラダは、これぞアメリカンというお味。

ブルーミン・オニオン。大きなたまねぎに切れ目を入れて、お花が咲いたように仕上げるオニオン・フライ。サウザンドアイランドソースが添えてあります。食べきれなかった分はパックに入れてもらい、家に持ち帰りました。

こちらは夫がメインに選んだ、オーストラリア産リブアイ・ステーキ。付け合わせが2つ選べますが、マッシュドポテトとライスで、どちらも白いのが写真的にはちょっと残念。ソースはデミグラスです。

私はホリデーランチから、アウトバック・スペシャル&グリル・シュリンプにしました。オーストラリア産ランプ肉のステーキと、海老のグリルのコンボです。付け合わせは、スティームした野菜と、マッシュドポテトとなっています。ソースはデミソース。

ホリデーランチにステーキだけというメニューがなくて、こちらにしましたが、シュリンプが思いのほかおいしかったので、これで正解でした。ステーキの焼き加減も希望通りでパーフェクトでした。

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ジャングル・クルーズ

2021年08月07日 | 映画

ディズニーランドの人気アトラクション「ジャングル・クルーズ」を実写映画化したアドベンチャー映画です。

ジャングル・クルーズ (Jungle Cruise)

初めてディズニーランドでジャングル・クルーズに乗った時のわくわくした気持ちを、今でも鮮明に覚えています。次に何が起こるんだろうという期待感、そして乗客を盛り上げるキャプテンの話術も、当時は新鮮だったと記憶しています。

そういえば、西表島でマングローブツアーに参加した時も、リアルなジャングル・クルーズといった感じで、すごく楽しかったことを思い出します。きっと、豪華客船とはひと味違う、冒険心を駆り立ててくれるからなのでしょうね。

エミリー・ブラントとドウェイン・ジョンソンが主演ということで、本作の公開を楽しみにしていました。Disney+で配信されることから、TOHOのような大きな劇場での公開が見送られたため、ディズニーリゾートのイクスピアリまで遠征して見てきました。

アマゾンの奥地にあり、永遠の命を与えられるという ”奇跡の花” を手に入れるため、イギリスから赴いた植物学者リリー (エミリー・ブラント) と、リリーが現地で雇ったキャプテン、フランク (ドウェイン・ジョンソン) が冒険に出発します。

荒唐無稽といってしまえばそれまでですが、アドベンチャーとアクション、そして最初は何かと衝突してばかりいたリリーとフランクが、いっしょに危険を乗り越えていくうちに、いつしかロマンスへと発展していきます。

王道といっていいストーリーですが、主演の2人の魅力で安心して楽しめました。特に、この時代背景において、自立していて自分の意見を持っている、今の時代にふさわしい強くてクールなヒロインにエミリー・ブラントはぴったりのキャスティングでした。

リリーのおしゃれで気弱な弟マクレガーや、フランクが飼っているジャガー^^、ジャングルの奥地に住む原住民の女性酋長や、にくめない悪役ヨアヒム王子など、脇を固める面々もそれぞれいい味を出していました。

そして忘れてはならないのは、VFXのすばらしさ。このコロナ下で、アマゾンに行かなくても (撮影はハワイで行ったそうですが) これだけリアルな映像が撮れてしまうテクノロジーに感動しました。エンドロールに延々続くエンジニアたちのリストにも納得でした。

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Nature/Pizza TOSCANA

2021年08月02日 | グルメ

先月の連休に帰省した息子と、学芸大学駅の高架下にオープンしたばかりのイタリアン、Nature/Pizza TOSCANA (ナチュールピッツァ トスカーナ) でお昼をいただきました。座席数わずか 18 席。カウンターのみのこじんまりとした細長いお店です。

細長いキッチンに何人ものスタッフが働いていましたが、よく動いていらっしゃるのにぶつからないのが不思議でした。DEAN & DELUCA 風の色味を抑えたシックでシンプルなインテリアがすてきでした。

ランチセットは、メインとなるパスタかピッツァに、東京野菜ゴチソウサラダ、飲み物、食後のミニドルチェがつきます。

前菜代わりとなる東京野菜ゴチソウサラダは、6種類のトッピングから3種類を選ぶことができるので、違うものを3種類ずつ選んでシェアしていただくことにしました。

私は、キャロットラペ、自家製スモークサーモン、バルサミコナッツの3種類にしました。ドレッシングは有機人参ドレです。

息子のは肉系ばっかり。切りたてふあふあ生ハム、自家製ポルケッタ (ローストポーク)、鶏肉のボリート (煮込む料理)。ドレッシングは有機焼き玉葱ドレです。

メインもパスタとピッツァをそれぞれ選んで、シェアしていただきました。パスタは、東京野菜と生ハムのペペロンチーノにしました。リングイネ状のパスタにオイルソースがよくからみます。

ピッツァは、サルデッラというしらすと唐辛子とトマトソースのピッツァにしました。なかなかボリュームがあって、ひとりで食べるのはたいへんだと思うので、シェアして正解でした。

しらすがトマトソースのお味に隠れてわかりにくかったですが、もちもちと弾力のあるおいしいピッツァでした。

食後のドルチェは、紅茶のプリンとうかがいましたが、プリンというよりはムースといった感じ。マスカットもそのままではなく、シロップ漬けになっていました。

そして私はこの器が気に入ってしまいました。長さ18㎝くらいの小さいお皿ですが、アンティークのような味わいがあってすてきでした。

飲み物は私たちはアイスティにしましたが、モクテル (ノンアルコールのカクテル) もありました。気軽にぶらりと立ち寄りたくなるすてきなお店でした。

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クララとお日さま

2021年08月01日 | 

カズオ・イシグロの最新作は、病弱な少女ジョジーの幸せを願い、命を救おうと奮闘する AI の少女クララの物語です。

カズオ・イシグロ 土屋政雄・訳「クララとお日さま」 (Klara and the Sun)

出版を心待ちにしていた3冊の小説、本作、平野啓一郎さんの ”本心”、イアン・マキューアンの ”恋するアダム” と、偶然なことに3作とも AI を題材にした小説でした。今3冊目を読んでいるところですが、三者三様におもしろいです。

さて、本作の舞台は近未来で、AFであるクララの視点から物語が語られていきます。AF というのは artificial friend の略と解釈しましたが、時に A は associate、assistant、F は fellow であると感じる場面もありました。

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お店のショウウィンドウに立ち、気に入って買ってくれる子どもが現れるを待つクララは、鋭い観察眼を持ち、賢く、奥ゆかしい AF。ある日、クララを気に入ってくれる ジョジーという少女が現れますが、子どもというのは気まぐれなもの。クララは喜びを心に秘めながらも

自分が型落ちのAFであることに引け目を感じ、ジョジーに期待するまいとする健気が姿が愛おしく、私はクララが自分の分身のように思えてきました。ジョジーが再び母親とともに現れ、クララをジョジーの AF として迎えてくれたことに心から安堵しました。

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本作を読みながら、私がずっと考えていたこと。それは、AI は学習を重ねていくことによって知識や知能を高めていくことはできるけれど、はたして感情を育てていくことはできるのだろうか、ということです。相手の反応を学習していくことで、相手を怒らせない言い方や

適切な答え方を学習することはできるけれど、それは感情とは別のものだと思うのです。クララがジョジーをどこまでも献身的に支え、守り、自分の命に代えてまでもクララを助けようとすること、それは愛に他ならないものだと思います。

クララはお日さまを神様のように崇め、感謝し、祈りを捧げます。それは信仰といえるのではないでしょうか。AI をプログラミングするのは人間ですが、感情を高め、育て、豊かにしていくその先に、愛や信仰を芽生えさせることはできるのでしょうか。

そもそもそれを愛、信仰とよんでよいのだろうか。そんなことを考えながら読みました。

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ちなみにクララがお日さまに対して特別な感情を抱いているのは、クララがおそらく太陽光をエネルギー源としていて、すべての命の源であると理解しているからだと思われますが、自然崇拝っぽいところが日本的だなーと感じました。

そしてもうひとつ日本的だと感じたのが、本作が起承転結の形式になっていた(と私は感じた)ことです。起、承ときて、転のところで「私を離さないで」(Never Let Me Go) を思い出しました。そして「結」では「トイストーリー3」を思い出しました。

ご両親が日本人とはいえ、イギリスで育ち、イギリスの教育を受けたイギリス人であるカズオ・イシグロの作品の中に、日本人のアイデンティティが垣間見えたように思えて、興味深かったです。

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