セレンディピティ ダイアリー

映画とアートの感想、食のあれこれ、旅とおでかけ。お探しの記事は、上の検索窓か、カテゴリーの各INDEXをご利用ください。

IL PACIOCCONE CASEIFICIO

2023年04月22日 | グルメ

六本木通り沿いにあって、いつも車で前を通るたびに気になっていた南青山のイタリアンレストラン IL PACCIOCCONE CASEIFICIO (イル・パチョッコーネ・カゼイフィーチョ) にお昼を食べに行きました。

いかにもイタリアの街角にありそうな本格的な佇まいが気になっていました。最寄り駅は表参道ですが、この日は六本木ヒルズに車を停めて、うらうらとした陽気の中、六本木通りを歩いて行きました。

外観も目を引きますが、内部もいかにもイタリア食堂といった雰囲気で、厨房ではイタリア語が飛び交っていて、シェフやスタッフたちのイタリア愛が伝わってくるお店でした。

自家製のモッツァレラと生ハムの盛り合わせ。こんなにおいしいモッツァレラをいただいたのははじめてです。よくあるゴムのような食感ではなく、ふわふわにとろけるよう。生ハムも塩気が絶妙で最高においしかったです。

たっぷり有機野菜の具沢山なサラダ。野菜が新鮮でもりもりといただけます。生ハムやゆでたまごが入っているので、適度なボリュームもあって、おいしくいただきました。

手作りのフォカッチャも、思わず手がのびるおいしさでした。

イチジク・ブッラータとゴルゴンゾーラのピッツァ。お好みではちみつをかけていただきます。イチジク&チーズの甘塩っぽさと、ゴルゴンゾーラの風味がやみつきになるおいしさ。途中ではちみつをかけて、味変させていただくと、これまた最高においしい。

生ハムとグリーンピースのクリームソーススパゲティ。ふだんはクリームソースのあまりいただなかいのですが、これはおいしそうな予感が的中しました。春の味わいです。

食後のドルチェは詳細は失念してしまいましたが、私の大好きな焼き菓子でした。上にムースがのっています。

イタリアンコーヒーといっしょにおいしくいただきました。

***

ランチでいただいた自家製モッツァレラがあまりにおいしかったので、お会計の時にモッツァレラも買い求めました。オンラインショップでも購入できるようです。

糖度の高いプチトマトとバジルとあわせて、上からオリーブオイルをたら~り。シンプルにカプレーゼでいただきました。ランチの時にも感動しましたが、ふわとろのモッツァレラがとにかくおいしい。また絶対に買いに行こうと心に決めました。

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1990年代の映画(セント・オブ・ウーマン / スリーパーズ 他)

2023年04月16日 | 映画

1990年代後半は、慣れない子育てと慣れない海外生活、当時大学にも通っていたので、なかなか映画を見る時間がありませんでした。(フォレスト・ガンプやタイタニック等の大作は一応見ているし、子ども向け映画はたくさん見ましたが)

最近NETFLIXで、偶然この時代の映画を見ることが続いたのですが、これが実におもしろい。CG、VFXなどの映像技術に頼りすぎず、今でいうLBGTやSDGsへの過度の配慮もない。娯楽性にもすぐれ、私的映画黄金時代とよびたくなりました。

前置きが長くなりましたが、ここ数か月NETFLIXで見た1990年代映画をまとめて7作品、感想を書き残しておきます。(各映画にWIkiページをリンクしています)

セント・オブ・ウーマン 夢の香り (Scent of a woman) 1992

ボストンの名門高校に籍を置く苦学生のチャーリーは、サンクスギビングの休暇に、気難しい盲目の退役軍人フランク(アル・パチーノ)の世話をするアルバイトを引受けます。フランクのニューヨーク旅行につきあわされることになったチャーリーですが

フランクのわがままにふりまわされつつ、彼の孤独な魂にふれ、彼を通じて人生の何たるかを学んでいきます。そして厭世的になっていたフランクもまた、チャーリーとのかかわりの中で、生きる希望を見出していきます。

盲目役のパチーノが、レストランで出会った若く美しい女性を伴い踊るタンゴのシーンがすばらしい。自分の将来に関わる大きな決断を迫られていたチャーリーの勇気ある行動。チャーリーの危機を愛ある言葉で救ったフランク。見た後に温かい余韻の残る作品でした。

スリーパーズ (Sleepers) 1996

ちょっとしたいたずらが大ごとになり、少年院に入れられた4人の少年たち。そこは看守たちによる暴力と性的虐待が横行していて、少年たちは心と体に深い傷を負います。出所し、成長した4人はある殺人事件をきっかけに、4人の看守たちへの復讐を決意します。

全体として陰惨で重苦しい作品ではありますが、それを上回る深い人間ドラマがあって、心に残る作品でした。後半の法廷ドラマは緊張感があって引き込まれました。神父役のロバート・デ・ニーロをはじめ、俳優陣の演技がすばらしく、見応えがありました。

ダイヤルM (A Perfect Murder) 1998

ヒッチコックの 「ダイヤルMを廻せ!」 (Dial M for Murder) のリメイクです。妻エミリー(グウィネス・パルトロウ)が、駆出しの芸術家デイヴィッド(ヴィゴ・モーテンセン)と不倫していることを知った資産家スティーヴン(マイケル・ダグラス)が

こともあろうにデイヴィッドに、妻の殺人を依頼したことから、事件が思わぬ方向に発展していきます。ヴィゴ演じる芸術家がなかなかの曲者で、ダグラスやパルトロウとの駆引きが見応えありました。事件に巻き込まれたエミリーですが、最後は女は強しを実感しました。^^

ダブル・ジョパディー (Double Jeopardy) 1999

実業家の夫を殺した罪で刑務所に収監されたリビー(アシュレイ・ジャッド)は、実は夫は生きていて、保険金のためにだまされたことを知り、仮出所中に夫への復讐を決意する、というサスペンス映画です。

仮出所中のリビーを監視する保護観察官のレーマン(トミー・リー・ジョーンズ)は、リビーを追ううちに彼女の無実を確信し、最後は2人で反撃します。つっこみどころは満載ですが^^ スリリングで飽きさせず、最後にすっきりする作品でした。

レインメーカー (The Rainmaker) 1997

フランシス・コッポラ監督の法廷ドラマで、若きマット・デイモンが新人弁護士を好演しています。大学を卒業したもののコネがなくやっと弱小事務所に就職したルディ(マット・デイモン)が、経験豊富ながら司法試験に落ち続けているデックと組み

大手保険会社の不正を暴くために戦います。メインストーリーとしては社会派作品ですが、脇を支えるストーリーも丹念に描かれ、見応えがありました。新人弁護士の奮闘がさわやかで、コミカルな要素もあってよかったです。

ゲーム (The Game) 1997

デヴィッド・フィンチャー監督のサスペンス映画。投資銀行を経営するニコラス(マイケル・ダグラス)は、弟コンラッド(ショーン・ペン)から誕生日プレゼントにゲームの招待状をもらって以降、現実と嘘が入り混じったわけのわからない騒動に巻き込まれていきます。

トゥルーマンショウみたいに仕組まれているんだろうなと思いながらも、あまりに真に迫っているのでどこからが現実でどこからが嘘なのかわからなくなります。個人的にはこんなサプライズも、バースディプレゼントも欲しくありません。><

コレクター (Kiss the Girls) 1997

犯罪心理学の博士である警官クロス(モーガン・フリーマン)が、姪のナオミが行方不明となり、連続誘拐殺人事件に巻き込まれたのではないかとの疑いから、事件を追うサスペンス映画です。

プロットが「羊たちの沈黙」に似ていて、ストーリーとしてはそれほど新鮮ではありませんが、意外な犯人が明らかになる終盤は手に汗握りました。

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Trattoria Pietra Bianca

2023年04月15日 | グルメ

ブログで親しくおつきあいくださっているまだ~むさんと、ごみつさんと麹町のイタリア料理レストラン Trattoria Piettra Bianca (トラットリア ピエトラ ビアンカ) でランチをごいっしょしました。

前日に急に決まったのにもかかわらず、まだ~むさんがすてきなお店を見つけて予約してくださいました。ビルの2階、細い階段を上ったところにあるこじんまりとしたお店ですが、イタリアの洞窟を思わせる店内は、温かみがあって落ち着けました。

お店のHPもセンスがよく、写真がきれいですてきですよ。私たちはサラダとパスタ、メインのお料理、飲み物とデザートのあるランチのコースをいただきました。

最初に運ばれてきた自家製?のフォカッチャ。柔らかさと塩分が絶妙でおいしいです。オリーブオイルは3種類。私はエクストラバージンオリーブオイルをディップしながらいただきました。

千葉の農家さん直送 健康野菜のサラダ。私の写真では美しさが今ひとつ伝わらないですが、カラフルでみずみずしくてさっぱりとおいしかったです。

上にのっているのは先入観でスライスオニオンと思ってしまいましたが、紫大根でした。スライサーを使って家でもまねして取り入れてみたい。

ごみつさんが召し上がった魚介のトマトソーススパゲティ。これは絶対に私の好きなパスタに違いないないと思いましたが...

まだ~むさんと私はちょっとめずらしい、ナチュラルビーツペーストのクリームスパゲティにしました。お店のトップページにもあって、ひと目で心惹かれていました。パスタにもビーツが練り込んであってピンク色が美しい。優しいお味でした。

まだ~むさんが召し上がったメインのお料理はチキン。パリパリの皮が魅力的です。マスタードが自家製というのにびっくりです。

ごみつさんと私は、鰆のお料理をいただきました。手前の赤いのはサルサソースですが、辛味を抑えた上品なお味。菜花やからし菜?など、グリーンがわしゃわしゃたくさん添えられているのも私好みでした。

デザートはチョコレートのテリーヌにいちごのムース。いちごのソースが添えられています。イタリアンコーヒーとともにおいしくいただきました。

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お食事の後は、場所を近くの珈琲店に移して続きのおしゃべりを楽しみました。お二人とも楽しい時間をありがとうございました。

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オットーという男 / 生きる LIVING

2023年04月14日 | 映画

すっかり遅くなりましたが、最近劇場で見た映画2作品をまとめてアップします。偶然ですが、どちらもリメイクの作品です。

オットーという男 (A Man Called Otto)

スウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」(En man som heter Ove / A Man Called Ove)のハリウッドリメイクで、主人公の偏屈な老人オットーをトム・ハンクスが演じています。

冒頭オットーが、ハードウェアショップでロープを買おうとして、店員さんにからむ場面にちょっぴり辟易としてしまいましたが、ロープを5フィート買おうとしたら、ヤード単位だからと、2ヤード(6フィート)分請求されてキレるやりとりは、個人的にはツボでした。^^

本作のキャッチフレーズに「町内イチの嫌われ者」とありましたが、逆でしたね。オットーが町内の人たちとの交わりをことごとく避けているのに、町内の人たちは誰も怒らず、オットーのことを気にかけ、かかわろうとします。

近所の人たちの善良さに頭が下がりましたが、それもこれもオットーの亡くなった妻ソーニャの人徳によるところがかなり大きかったものと思います。

しかもオットーは年老いてから偏屈になったのかと思ったら、若い頃から自分を曲げない頑固者だったのですね。ソーニャが、そんなオットーのどこに惹かれたのか? 個人的には不思議でしかたがなかったです。^^;

エンドロールを見ていたら、若い頃のオットーを演じていたのがトルーマン・ハンクスとあって驚きました。映画を見ている間は気がつきませんでしたが、トム・ハンクスの息子さんだったのですね。トム・ハンクスの妻リタ・ウィルソンも、本作の製作に加わっています。

生きる LIVING (Living)

黒澤明監督の「生きる」を、カズオ・イシグロの脚本でリメイクされたイギリス映画。カズオ・イシグロの脚本、そしてビル・ナイが主演するというので楽しみにしていたところ、なんとまだ~むさんが試写会に誘ってくださいました。わ~い、ありがとうございました。

映画の舞台は黒澤明監督の「生きる」と同時期のロンドンですが、登場人物たちのきちんとした服装や古めかしい会話、机の上にうず高く積み上げられたお役所の書類の数々など、ロンドンという舞台が、驚くほどに違和感なく、昭和の東京にマッチしていました。

長年お役所で無為に生きてきたウィリアムズ (ビル・ナイ) が、死期を悟って急に人生を楽しもうとし、初めて仕事に目覚めるお話ですが、黒澤明&カズオ・イシグロの強力タッグで、文学色の濃い格調高い作品となっています。

個人的に思ったことは、毎日を大事に生きることがいかに大切かということ。人間、急に変わろうとしても変われるものではなく、これまでの積み重ねの先に、明日の自分があるのだということを痛感しました。

それでも、人生のスイッチが入るタイミングは人それぞれで、いつスイッチが入ったっていいんだよ、と優しく背中を押してくれる作品にもなっていたように思います。

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WOLFGANG PUCK PIZZA BAR

2023年04月02日 | グルメ

赤坂 (溜池山王) にあるアークヒルズは、アメリカ大使館が近いこともあって、アメリカ料理のレストランが充実しているのがうれしい。この日は、久しぶりにWOLFGANG PUCK PIZZA BAR (ウルフギャング・パック ピッツァバー) にお昼を食べに行きました。

ウルフギャング・パックは、カルフォルニアを本拠地に活躍しているアメリカのスター・シェフ。こちらのお店は、ピッツァがメインとなっていますが、他にもトラディショナルなアメリカ料理の数々がいただけます。

ランチのメニューから3品選び、シェアしていただきました。

この日は無性にシーザーサラダが食べたい気分でした。ロメインレタスにプチトマトを彩りに、ゴロゴロと入ったクルトンが香ばしい。にんにくを効かせたドレッシングであえ、上からはマイクロプレインですりおろしたパルメザンチーズがたっぷり。

これぞアメリカといったお味でした。

アメリカといえばこれでしょ、というハンバーガーですが、こちらのハンバーガー、個人的にはこれまで食べた中で一番というくらいにおいしかったです。味付けは塩とこしょうのみ、グリルで焼き上げたハンバーガーですが

ステーキ用のエイジドビーフを使っているのでしょうか?? お肉そのもののおいしさが存分に堪能できました。フレンチフライがディープフライ用バスケットを模した器に入っているのがかわいい。

ボロネーゼソースのパスタですが、これもこれまで食べた中で一番というくらい、私好みのお味でした。カネリーニ・ビーンズ (白いんげん豆) があえてあるのが、いかにもカルフォルニアスタイルといった感じ。このアイデアをまねして作ってみたいです。

カジュアルなインテリアですが、椅子が革張りで座り心地がよかったです。壁にいろいろな額縁の絵をコラージュしてあるのが、アメリカらしい雰囲気で懐かしかったです。

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これは昨日ですが、六本木ヒルズで買い物ついでに、さくら坂で名残の桜を楽しみました。

桜はだいぶ散りつつありましたが、桜吹雪がみごとでした。一本だけあまり散らずにがんばっている木があったのでパチリ。3月~4月は別れと出会いの季節。桜を見るといろいろな思いが去来して、胸がいっぱいになります。

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フェイブルマンズ

2023年04月01日 | 映画

スピルバーグ監督の自伝的映画です。

フェイブルマンズ (The Fabelmans)

ここ数年、アルフォンソ・キュラソー監督の「ROMA」ケネス・ブラマー監督の「ベルファスト」と、映画監督による自伝的作品がいくつも作られています。そして本作は、スピルバーグ監督による自伝的作品です。

アメリカで興行的に今一つだったと聞いていたので、期待する一方、半分不安でもあったのですが、個人的にはとっても楽しめました。前述の2作品が芸術路線だったのに対して、本作はスピルバーグ監督らしいエンターテイメント作品となっています。

さすがは映画のおもしろい見せ方を知り尽くしているスピルバーグだと感じる場面がいくつもありました。

本作は、スピルバーグの映画作りの原体験ともいうべき物語で、両親に連れられて生まれて初めて映画を見て衝撃を受けるところから、ハリウッド映画の世界に入る前までが描かれています。

サミー (スピルバーグがモデル) が両親に連れられて初めて見た映画は「地上最大のショウ」でした。サミーは、列車が大脱線事故を起こす場面の大迫力や臨場感に衝撃を受けますが、そこで終わらないところがすごいです。

彼は、それから間もなくハヌカ (ユダヤ教の祝日) のプレゼントにもらった汽車の模型セットを使って映画のシーンを再現し、ビデオカメラに収めるのです。このエピソードに、スピルバーグは映画監督になるべくして生まれてきたのだ、と思わずにはいられませんでした。

そして、スピルバーグは高校生の時には、クラスメートたちに演技指導をして戦争映画を撮り、母親にアマチュアの域を超えている、と言わしめるほどの才能を開花させます。

本作は、映画はこういう風に撮影するのだというテクニックをあれこれ知ることができて、とてもおもしろかったのですが、一方、映画がもつ恐ろしさについても考えさせられました。

意図せずに撮った映像が、真実を暴き出してしまうことの怖さ。逆に、事実を撮影しているはずの記録映像が、ある意図をもって編集することで明確なメッセージを作り出してしまうことの怖さ。

映画には、時に人々の心や行動を自分の思いのままに動かしてしまう力があるのだということを、スピルバーグ監督からのメッセージ、あるいは警告として受け止めました。

IBMのエンジニアで論理的で現実的な父親と、ピアニストで自由な考えをもつ芸術家肌の母親。スピルバーグは、どちらかというと母親の影響を受けていると感じますが、その母親の「Everything happens for a reason.」ということばが、私の心をとらえました。

実は、私の座右の銘でもあるのですが、後で調べたところマリリン・モンローの名言だと知りました。私はこれまで、このことばのもつ科学的な視点に共鳴していたのですが、芸術家のことばであったとは意外な発見でした。

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