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Gurobi Optimizer V.6.5 リリース

2015年10月30日 00時35分25秒 | Weblog
Gurobi Optimizer V.6.5 リリース

【パフォーマンスの改善】
Gurobi Optimizerは、新バージョンのリリースにより、パフォーマンスの大幅な強化を実現し続けてきましたが、バージョン6.5におきましても劇的なパフォーマンスの改善を実現しました。

・MIP: 全体的に36%の速度向上を達成し、求解に100秒以上かかっていた問題に対しては、74%の速度向上を実現
・LP: 全体的に12%の速度向上を実現
・SOCP: 全体的に17%の速度向上を実現
・MIQCP: 全体的に3.5倍以上の高速化を実現
・Python API: 線形表現、二次表現の構築時間を4倍以上の高速化
 (注意事項:上記は、Gurobiが保有するモデルの試験セットにて確認された結果です)

【Gurobiレコーディング】
本リリースでは、お客様のプログラムから呼び出されたGurobiコマンドのシーケンシャルな呼び出し履歴を記録し、後ほど再生することが可能になります。本機能によって、パフォーマンス問題のデバッグを容易にし、Gurobi環境やモデル内でのメモリリークの追跡を可能となり、また、弊社のテクニカル サポートにお問い合わせをする際に必要なコマンド呼び出し履歴を(とりわけ再現性の困難な問題発生時に有効)弊社テクニカル サポートに提供できるようになります。

【変数ヒント】
お客様が、MIPモデルに対する良い品質の解の推測情報をお持ちの場合(例えば、関連したモデルを解くことで)、新機能である変数ヒントでGurobiに、その推測情報を渡すことができます。本情報は、Gurobiのヒューリスティクスおよび分枝に対して新しい解を探索するヒントを与えます。良い推測を与えることで、高品質な解をより短時間に提供することが多くの場合で可能になります。

【APIの簡素化】
Gurobi 6.5 は、updateコマンドの明示的な使用を回避できる新しい設定手法を提供し、これによりプログラムを簡素化できるようになります。特に、新しい遅延アップデートモデルでは、従来はupdate呼び出しを待たなければならなかったのに対して、すぐに新しい変数や制約を追加できるようになりました。

【その他の機能拡張】
・Visual Studio 2015 サポート: Gurobi は、Windows上で稼動する最新版のVisual Studioに対応しました。
・C++11 support on Mac: Gurobi は、Mac上の最新版のC++ コンパイラに対応しました。
・Python上でのGurobi環境の正確な生成と消滅制御: 不要になったGurobi環境を明示的に削除できるようになりました。
・シングル ユース ライセンスの簡素化: シングル ユース ライセンスの認証にトークン サーバーは必要なくなりました。
・トークン サーバーのパスワード保護:
トークン サーバーにパスワード保護をかけ、クライアントのパスワード認証をさせることができるようになりました。
・分散MIPのロギング強化: 分散MIPログが、単体でのMIPログとほとんど同じログ情報を記録するようになりました。
・Rインターフェース強化:
Rインターフェースは、SOS制約、二次制約、区分線形オブジェクト、さらに新しい統計情報をサポートするようになりました。
・新しいOPBファイルリーダー:擬似ブーリアン ファイル フォーマットに保存されている問題を読み込むことができるようになりました。
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