

今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
黒ベースの草履をときに編むのですが、まず男性用を意識して大きなサイズにします。でもたとえば「夜桜」などは黒が基調ですし、元来女性に黒はとてもお洒落でしょう。「今日の草履」をどんな女性がお選びになるか、とても楽しみにしています。
黒基調の龍プリントがこちらです。

少し久しぶりの雨になった、今日の角館です。それでも気温は昨日より高く、ほとんど寒さは感じません。桜の生長を促しそうな温かい雨は、軒下に残っていた雪を消してくれました。街の外観も春本番と言えるでしょう。
冬を仙台市で過ごすため、暫時角館をあとにした南相馬市のKさんご夫妻が、昨秋以来の元気なお顔を見せてくれました。昨日のブログで原発事故を書いたばかりでしたから、その奇遇にちょっと驚きです。
奥様が小さな声で私に言うのは、『お父さんったら、角館に来るのがよっぽど嬉しいんだか、今朝から上機嫌なのっ』。
南相馬市小高区の現状を私に話して聞かせるときこそ真剣な表情ですが、角館の話になるととたんに笑顔に変わります。ご主人自ら言うように、角館にはほんとに「癒し」を感じているのでしょう。
今日も「桜ざんねん旅」をひとつだけご紹介します。和服をお召しのおばさまお二人がお越しでした。せっかくの足袋ですから試し履きをお勧めすると、『あっ、なるほどっ』。その感触をすぐにご理解くださいました。
おひとりはご自分用を、もうおひとりは娘さんとお孫さんの分もお買い上げです。
角館を和服姿で散策される方は、そう珍しくありません。一般に秋田市や盛岡市といった比較的お近くの方が多いですから、おばさまにもそんなつもりでお住まいを訊きました。すると、『桜を見たくて知床から来たのよぉ』。
北海道の東端、世界遺産の「知床」ですよ。
初角館とおっしゃるおばさまたちに印象をうかがうと、『知床みたいなところは自然とか景色はいいけど、受け継がれる生活や文化ってないでしょ。角館にはそういうものを感じるわね。それに落ち着いた街並みって癒されるわよ』。
さすがは和服姿で初角館を愉しもうというお二人。ただ遊びに来たというのじゃなく、肌とか感覚で角館を吸収している感じさえしましたね。
『いつか必ず桜のリベンジを果たしてくださいねっ』と言うと、『ほんとね、また来ますよっ』。
桜はなくともこの角館で何かを得る。その何かの一番に挙がるものは、「癒し」じゃないかと思いますね。
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